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詩「1993」   2018 4 10

ほらなんていうか男の子と女の子が気安く遊ぶだなんて
ぼくらにはちょっとまだ早いというかいやそうじゃないな
仲良く遊んでいる奴らはたくさんいたんだろうけど
ぼくらにはちょっとした勇気が足りなかった

ぼくらときみらはあまりにも急激に仲良くなってしまって
パーティとは何かすら知らないで準備してしまった
そこはカオスだった
ほとんどみんなが背伸びしていて
お酒もたばこも親への嘘も初めてのことが多すぎた

ハダカで転がる男の子
熱気にやられる女の子
それでもお互い大好きで
一緒に噴水飛び込んだ

そうだね都会は空虚ではないし現実はかなりロマンチックだ
ぼくにはぼくにふさわしい仲間がいてなんだか一緒にバカになれた
女の子のことを考え女の子について語り合い女の子のことを考えた
姉は大嫌いだったけど他の女の子はみんな素敵だと思っていた

手慣れたようなふりをした初めてのキスは1993
仲良くなった女の子の中で3番目くらいに好きだった子と
付き合うことはなかったけどみんなの中で目が合うことはよくあった
大好きな彼女たちがこれからいがみあうとは思っていなかった頃

抜け駆けをする男の子
全部知っている女の子
それでもお互い大好きで
ここに未来が全部あった

少なくてもぼくなんかは変化に気づくはずもなく能天気そのもので
愛・恋・忘れない・君だけだなんて言葉は使っちゃいけないルールで
現国をさぼって健全に草っ原に寝ながらバンド用の歌詞を考えていた
一番人気の女の子が彼女たちの亀裂の原因になってるなんて知らずに

諜報員の話によると裏表がどうのこうの
大好きな彼女たちは割れた
全員本物の笑顔でいいじゃん
ぼくらの笑顔には下心も入ってたけど
ぼくらはきみらと仲良くなるのに精一杯だった
バラ色に殉じていた
だから女の子同士の関係修復なんてぼくらのレベルじゃどうしようも

手も足も出ない男の子
引っ込みつかない女の子
それでもお互い大好きで
できればもう一度123

恋がヘタクソな男の子
恋に恋をする女の子
それでもお互い大好きで
一緒に噴水飛び込んだ

恋がヘタクソな男の子
恋に恋をする女の子
それでもお互い大好きで
一緒に噴水飛び込んだ

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最後まで読んでいただいてありがとうございます。あなたに会えて幸せです。

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