つれづれつづり/002

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    それぞれ、おのおの、つれづれにつづります。

最近の記事

老いるということ

つれづれつづり、シーズン4は老後についてお送りします。 仕事で高齢者と接する機会がとても多いので、自分の老後とはいかなるものか、いつも考えてしまいます。すてきなおばあちゃん?になりたいものです。 仕事をしていてあらためて思うのが、独居高齢者の多さだ。たとえ家族がいても、配偶者に先立たれたり、遠方に住んでいたり、関係が悪かったりすると、支援はなかなか受けられず、孤立する。 高齢者本人たちも、多くは戦後の焼け跡世代であり、幼少期に心の傷を負っていることもある。過酷な環境下で自分

    • 答えの出そうにない問い

      つれづれつづりシーズン3、仕事についての最終回です。封建的でオッサン臭い職場を離れたあと、そうではない職場作りに関わりました。 その場所で、あらためて思ったことを綴りたいと思います。 最初の職場を退職した後、のんびりと就職活動をしていたが、どこも似たようなものだった。封建的な臭いがするのだ。臭う、臭うぞ。 嗅覚ばかりが鍛えられる中、友人から「新しく一から職場を立ち上げるから、一緒にやってくれないか」という依頼を受けた。そして、「まあ、自分色を出せるならやってみようかな」くら

      • 将軍様

        仕事をテーマにお送りしているシーズン3の、第2回です。 価値観のちょっとした逸脱を保ったまま大人になり、いざ就職活動、そして働き始めた頃のお話です。当時の風潮を思い出しただけで「うわぁ」と思うのですが、周りの高齢職員も私に対してきっと「うわぁ」と思っていたに違いありません。どんとこい。 就職活動をしていた頃の話だ。首都圏のベッドタウンで、長閑なところ。 面接では、男性であることがまず重要だったり、「次男なので実家に帰らないですよね」「ずーっとここで定年まで働きますよね」と念

        • 社歌と顕微鏡

          こんにちは。つれづれつづり会員番号2番です。 シーズン3は仕事について。 まとまった泡銭が入ったら、真っ先に辞めたいことの一つです。年末ジャンボ買おうかな。最大でも10万円しか当たったことがありません。でも買います。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー -組織の長が黒猫を指して「あれは白猫だな」と言ったら、「はい、その通りです!」と答えて付いていくのができた部下というものだ- 俺が最も嫌う価値観の一つだ。 自分が小学5年生の頃だっ

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          大海原でハゼが死ぬ

          こんにちは。つれづれつづりシーズン2、恋愛観の最終回です。大海原に出たハゼが、あまりに異なる価値観に触れてボロボロになり、浅瀬に打ち上げられる話です。今となっては笑い話ですが、日本近海に出たつもりが、聞いたことのない熱帯の海に出てしまったかのようでした。 初めてお付き合いした方と別れたのち、二丁目で様々なキャラクターのお店に行ってみたり、どんなところか疑問だらけだった発展場(有料)に行ってみたり、当時は合法だったらしいものを経験したり、フリーセックスにチャレンジしてみたり、

          大海原でハゼが死ぬ

          水槽のハゼ

          こんにちは。つれづれつづりシーズン2、恋愛観の第2回目をお送りします。 今回触れる自分の恋愛観は、ゲイエリアに出入りするようになり、初めて男性とお付き合いした時に醸造されたものと言いたいところですが、むしろ抑圧していた本質かもしれません。それまでの、生きる環境が頻繁に変わる経験が、ヘンテコな生存戦略を生んでいたのでしょう。 ハゼが首都圏に出てきて、大海原を目指して取った行動は、新宿二丁目で、店名の印象だけを頼りに、下調べもせず単体で突撃するという暴挙。今でも時々「自分はバカ

          砂地のハゼ

          つれづれつづり、シーズン2のお題は恋愛観についてです。今まで言語化することがなかったので、これもまた、自分を振り返る作業になりそうです。ブログを書くのも初めてだったシーズン1はやや緊張気味でしたが、ここからはちょっと気楽に綴っていきます。シーズン1とか2とか勝手に呼んでいますが、いいのかな。いいですよね。 とはいっても、地味な真面目ちゃんなのもあってか、華々しい恋愛遍歴はありません。大海原のマグロやカジキを尻目に、砂地でのんびりしていたハゼみたいなものだったので、浅瀬(稀にう

          金平糖

          平成31年。 いまは関東を離れて、病弱な両親のそばで、普段の暮らしをこまごまとサポートしながら働いている。自分も少しは大人になったのか、親や家庭の有り難み、素晴らしさ、面倒臭さ、そして高校生の頃には全く見えていなかった闇を満喫している。この闇は深い、深いぞ。 平成を振り返るこのシリーズもあっという間に最終回を迎えた。こうやってモソモソとnoteを書くことは、社会の流れの振り返りよりも、過去の自分と向かい合う作業になった。 最終回は、東日本大震災後に心を荒ませてしまったあと

          根腐れ

          平成23年。 この頃には、最初に勤めた職場を既に退職し、友人達と起業していた。 要領は良くなかったが、友人、従業員たちと現場をなんとか形にした頃。これからどんな会社にしたいのか、次は何をするのか。正直なところ、社長にあたる人物との衝突も多かったが、仕事に一番真摯に向かい合っていたと思う。 とにかく多忙だったが、同性愛者の友人に誘われ、音楽も再開していた。 専門教育を受けた人たちや、上手なアマチュアたちとの出会いが多く、自分はがむしゃらに音楽をしていただけで、決して上手では

          転機

          平成14年。 当時27歳だった自分は、首都圏で働いていた。所属する部署は仲が良く、忙しくも楽しい毎日だったと思う。この頃には、家族、友人、自分の部署にはカミングアウトしていて、周囲も当たり前のように接していた。自分のセクシャリティは話題に上るが、特別扱いもされない、とてもありがたい環境だった。 この頃には、交際を始めて丸2年くらいの、初めての彼氏もいた。自分が新宿二丁目に出始めた頃に出会った人だ。彼も周囲にカミングアウトしていて、異性愛者の友人達に「僕の彼氏です」と紹介さ

          ベルフラワー

          平成6年。 父の転勤で今までの土地から離れ、田舎の進学校で高校時代を過ごした。 国勢調査の回答がいつの間にか町内中に知れ渡っているような、なかなか忌まわしいタイプの田舎だ。住んでいた間、両親は大変だったそうだ。 高校生活では、同性からさらに具体的なアプローチを受けることもあったが、性に保守的だった自分は、部活が休みなら一緒に帰る、デートでは神社にお参りに行く程度にとどめていた。 なんで神社なんだ。他になんかあるだろ。よくもまあ、そんなデート先で納得してくれたものだと思う。今

          ヤマメとサクラマス

          平成元年。 当時は中学一年生。 それまでにいた小学校は稀有なマンモス校で、全校生徒は約2000人もいた。 一方で、入学した中学校は全校生徒でも500人程度だ。 これまでは給食センターでわしゃーっと一斉に洗われていたじゃがいもが、ホテルの厨房でそこそこに洗われるようになった感じだ。基本的には、じゃがいもとしての自覚がある良い子ちゃんだったと思う。 自分は肌がとても白かったので、外見的には目立っていた。今は40代となり、それなりに薄汚れているが、当時は驚きの白さ。 小学校の卒

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