死ぬことすら出来ない辛さ 27 〜退院して10日
毎日来ているだけあって色々と慣れてきたようね。相変わらず好きじゃないけど。
数日で逃げ出すと思っていたけどしぶといわね。
もう来なくていいよって言っても良いか夫に相談したけど、他に来てくれる事業所がないからやめなって言われた。
私の味方だと思ってたのに。
まぁ、来なくなったら家に居られないから言わないようにするけど、限界が来たらどうなるか分からないわよ。
言ってしまった時は嘘でも謝ってまた来てもらえばいいって思うけど、また来てもらえるか分からないから言うなって釘を刺されたのよね。
あぁ、ストレスだわ。
世間はゴールデンウィークだってのに今日もご苦労様。
ゴールデンウィークは夫の仕事が休みだから訪問介護はお休み。
訪問看護は点滴があるから朝と夕に来てもらう。
食事介助は夫にやってもらうからお昼の訪問はいらないわ。
今日も朝はバイタル測定と点滴、体位変換をやったら沈黙。
もう寝るのがお決まりになってきたわ。
朝までぐっすり寝られないから、短時間睡眠を繰り返して帳尻を合わせよう。
うとうとした状態だとヘルパーさんが来たことに気付けるけど、最近は眠りが深くなる時があるからヘルパーさんが来たことに気付かないことがたまにあるのよね。
親切心だか話したくないからだかわからないけど、敢えて声をかけないで寝かせておいてくれるのよね。
まぁ、眠れるのは良いことだし、時間が過ぎてもやることはやってもらうから大変になるのはヘルパーさんなのよね。
訪問看護の人は相変わらずつまらない。
積極的に無駄話・・・世間話や会話をしようって感じがないのよね。
気に入らないからもう来なくていいと言いたいけど、ここは大人の対応で私から色々と聞くことにしよう。
点滴の接続や体位変換が終わった。
点滴を流し終わるまでまだ時間があるから聞いてみようか。
「 結婚してるんでしょ?奥さん歳下? 」
「 はい。6個離れてます 」
歳下好き。だから歳上の私には愛想がない感じなのね。やっぱり気に入らないわ。
「 奥さん働いてるの? 」
「 妻の実家が農家でして。人手が足らないのでお手伝いに行ってます 」
「 お給料は? 」
「 一応ありますけど、アルバイトみたいな感じですかね。私が頑張って働けば良いと思ってますので、実家が困っているなら手伝ってあげなと 」
偉いじゃない。気に入らないって思ってたけど少し見直したわ。奥さん思いなのね。
今後はもう少しだけ優しくしてあげようかしら。
少しだけよ。すこーしだけ。
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