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名津乃 綾【季節】

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季節を感じて書いた作品を 集めております 春夏秋冬…。
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2019年8月の記事一覧

8月30日

8月30日

8月も
早いもので
あと1日…

雑貨屋さんには

貝殻や扇子や水色の小物達は

片付けられ始め

ハロウィングッズが並んでいました

洋服屋さんは

ボルドーや茶色やグレーの

落ち着いた彩りに代わり

長袖が並んでいました

夏の終わりは
まるで賑やかで華やかな
お祭りの後のようで…

毎年

なんだかとても
切なく
寂しい気持ちに
なるのです

なんだかとても

悲しい気持ちになるのです…

8月の風

8月の風

暑い日射しを受けながら

背中に流れる汗…

蝉の声もうるさいほどの

気だるくため息がでるような午後に

出かけたはずなのに

夕刻の帰り道

思いもかけずヒンヤリとした風が

髪を揺らした

今までとは違う風の涼やかさに

どこかホッとすると同時に

切なさが募る

暑くても楽しかった…

思い出が溢れた

たくさん笑った…夏

やはり…

いつもいつも短い夏は

今年もサッサと

過ぎ去るの

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夏休みよ永遠に

夏休みよ永遠に

それは

恐らく

1年で1番嫌いな日

某番組のエンディングテーマが流れた時

あぁ…とうとうこの時が来てしまった

と肩を落とす

何度も戻りたいと願うのは

夏休みまであと何日だ!

と指折り数えた日

通信簿を片手に足取り軽く

家に帰ってきたあの日

目覚し時計を止めたあの日

いつもより遅く起きたせいで

朝ご飯と昼ご飯が一緒になって

冷たい素麺やスイカを食べて

遊んで汗をかいたら

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真夏に歩けば

外を歩いてたら

とても熱いと有名で
もうもうと湯気を立てた温泉に
私は今

全身でつかっているのでは
ないだろうかと

汗をダラダラかきながら
奇妙な錯覚をしていた…

従姉妹と鬼灯

従姉妹と鬼灯

ほおずきは天然の紙風船みたいで

可愛い

でも…

ほおずきは漢字で

「鬼灯」

と書くと知り

驚いた…

それでも

やっぱり

可愛いいから

好き…

だけど

ほおずきは

少し寂しい…

綺麗なオレンジ色は

秋を思わせる色…

お供えで飾ると

秋の足音が近づき

大好きな夏が

終わりかけていることにも

気付かされる…

小学生の頃…

ほおずきの吹き方を教えてくれた

大好

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許すまじ

許すまじ

(ふるさとの町焼かれ
身寄りの骨失し焼け土に
今は白い花開く
あー許すまじ原爆を
三度許すまじ原爆を
我らの町に)

小さい頃聞いた歌です
不思議な事に
メロディーも歌詞も
今だ忘れません

メロディーもどこか切ないです
題名はわからないのですが…

三度(みたび)
許すまじ
原爆を…

昭和、平成、令和と時代は変わっても

変わらぬ願いでありたい

忘れないでいたい

戦争を知らない見たこと無い

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立秋

立秋

こんなに暑くて

こんなに太陽が痛くて…

それなのに

立秋……

もう秋…?

大好きな夏になるのを

待ち焦がれてた紫陽花の頃…

朝の日の出が早くなってきて

嬉しかった頃…

なのに……

もう秋…?

洋服売り場では

明るくて華やかな夏物を片付け始め 

色が落ち着いた

長袖の

秋物を出す頃…

早すぎるよ…

季節の移りが

早すぎる…

そんなに急がないで…

夏を

もう少

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前夜

母親は夕食の支度をして

すっかり遊び疲れた子供達は

夕方

汗をびっしょりかいて

ただいまー!!

と帰ってきた

お腹がペコペコだから

母親が作ってくれたご飯を食べて

お風呂に入って

大好きな本を読んでたら

だんだん眠くなってきて…

(仕方ないや、続きは明日また読もう!!)

とお布団に入って…

母親は

少し涼しくなったので

窓を開けて
夜風を入れながら

蚊取り線香を炊い

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八月

八月

夏は
いつも沢山の思い出を
置いていく
どれもこれも
向日葵のような
眩しい笑顔で溢れてる

でも…
いつも
あっという間なんだ

やっと梅雨があけて
夏になったと思ったら

もうすぐ立秋だなんて…

夏が来るのを

とても楽しみに待っていたのに

いつも駆け足…

だけど
今年の夏は

まだまだ
これから思い出作るんだ

楽しい思い出作るんだ

いっぱい笑顔を作るんだ

祭踊出店金魚夜浴衣を使わずに悲しい夏祭りを書く

祭踊出店金魚夜浴衣を使わずに悲しい夏祭りを書く

張り切って綺麗に髪を結い上げ

時間をかけてしっかりとお化粧をして

ワクワクしながら出かけたが

凄い人混みと

ひどい蒸し暑さで

カールさせた前髪は
ベッタリとおでこに張り付き

化粧は

流れる汗で

ドロドロに崩れ落ちていく