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ざんざんザンビア日和。

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ザンビアで出会ったこと、考えたものごと。国際協力やザンビアでの裏話まで綴ります。(2016年のザンビア滞在記録です。2023年8月有料マガジン『コンテクスト』に統合しました。
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記事一覧

アフリカ的スモールビジネス、ごちゃごちゃいう前にやってみたら?

アフリカ的スモールビジネス、ごちゃごちゃいう前にやってみたら?

ごちゃごちゃいう前にやってみたら。

というようなことを最近よく思う。準備ができていないとか、あれがだめだ、これが足りない、とか。そういうことをすっ飛ばしてとりあえず始めちゃった方が実績になるし、不足するものや技術・問題点などにもすぐ気付くんだよなぁといったこと。

もちろん自戒を込めてなのだけれど。



アフリカで(もちろんアフリカだけじゃないけれど)よく見られるストリートベンダー。道端にお

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同じ景色を見ている全く違った人生について

同じ景色を見ている全く違った人生について

同じ時間と同じ場所で、同じ風景を目にしていたとしても、心に刻まれる記憶の感触や色や形はまるで違うのだなと実感することがある。

それは感性の違いや興味関心の違い、ひいては生きる姿勢や生き方の違いにつながっていく。それらが、あるひとつの風景を見たときにまったく別のフィルターを作り、別のリアクションを引き起こし、別の記憶を形作っていく。

だから世界は不思議だなあと常々思う。

たぶん、どんなに愛し合

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アフリカ的なコミュニケーションと距離の近さにくたびれるのがアフリカの魅力、か?

アフリカ的なコミュニケーションと距離の近さにくたびれるのがアフリカの魅力、か?

以前、ルサカでの滞在先のサービスアパートメントの目と鼻の先にあるスポーツバーみたいな場所でお昼を食べていたら、店員さんがやってきて「あちらのお客様がランチのお代をお支払いくださるとおっしゃっています」と言ったことがあった。カウンター席にいるザンビア人らしき中年(たぶん)男性客からのお申し出だった。そのときわたしは、丁重にお断りしたのだが。

そしてしばらくしてカプチーノをいただいていたら、また今度

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国際協力の世界とテロのリスクの高まりのつながり

国際協力の世界とテロのリスクの高まりのつながり

ちょうど今年三度目のザンビアに来て二週間あまり経った日のバングラデシュでのテロ事件のニュースは非常に衝撃的だった。言葉にならないほどショッキングなことだと思う。

もちろん、その前後でもイスタンブールやバグダットで多数の罪なき民間人が殺害されたテロが起きているのだが、このバングラデシュはダッカでの事件は、同じ国際協力業界で仕事をしている者として書いておきたい。



日本はテロリストの

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すべてを吹き飛ばすアフリカ的「笑い」の破壊力

すべてを吹き飛ばすアフリカ的「笑い」の破壊力

もちろん、アフリカのひとだってみんながみんな底抜けに明るくて大きな笑い声が絶えないひとであるということではないけれども、実際にはかなりそんなひとが多いのだろうなとは思う。これはもちろん、ザンビアに限ったことではない。

国や地域によってだいぶ違う雰囲気はあるけれど、「笑い」を常に求めているという点ではアフリカ各国で共通する部分が多い。



まず会話の中で、調子はどうだいから始まり、家族はどうだ

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あるベリーダンサーとの出会い、その情熱。

あるベリーダンサーとの出会い、その情熱。

2016年6月の終わりに、彼女はザンビアを去った。

その日は、これからしばらくお互いに会うことも出来なくなるし、これまで築き上げてきたものがひとつの区切りを迎えるという、とても重大な日になることに間違いはなかった。

でも、人生の中で重大なことって、わりと淡々と進んでいくものなのだなって最近よく思う。

ごく普通の一日みたいに、でもどこか夢みたいに儚くて、これが明日には消えてしまうささやかな日常

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余計なお世話では済まされないアフリカにおける「30代以上で結婚していない」問題

余計なお世話では済まされないアフリカにおける「30代以上で結婚していない」問題

タイトルのとおり。

男性でも女性でも、我が国では30代以上の独身のひとはとても多いし生涯未婚なんていうひとも少なくない。

そのことはもちろん社会的背景も経済的背景も、個人の考え方に由来する部分もたくさんあるのであって、当然そのような複雑な状況に起因しているわけだ。

そういう人種に対し、我が国でも

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「雷の鳴り響く水煙」で神の気配を感じた。

「雷の鳴り響く水煙」で神の気配を感じた。

世界遺産でもパワースポットと呼ばれるところでも、その場所が有名だったり昔からの言い伝えや伝統のある場所だったりすることには、やはりそれなりの背景や意味がある。

ザンビアで最も有名なのは、ヴィクトリア・フォールズ。世界三大瀑布のひとつだ。ナイアガラ、イグアス、そしてヴィクトリア。



ジンバブエとザンビアの国境に位置するヴィクトリア・フォールズは、幅約1.7キロ、落差108メートルの巨大な滝で

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アフリカが好きとか嫌いとかではない。もっとどぎつい生き方の話なんだ。

アフリカが好きとか嫌いとかではない。もっとどぎつい生き方の話なんだ。

ザンビア39日目。

お金、お金、お金、責任、無責任、ちょろまかし、開き直り、責任転嫁。愛情、誠実さ、寛容さ。

アフリカらしい、実に「どぎつい」問題がここにある。

長年かかわってきてもやっぱりアフリカが憎らしくなる日々。それでもまたアフリカに帰ってくる毒みたいなものと純粋なものの容赦ない連続パンチ。原色のペンキを頭からぶちまけられるみたいな。

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アフリカに通じるモノに対する過信がなぜ起きるのか。

アフリカに通じるモノに対する過信がなぜ起きるのか。

アフリカ諸国だけのことではなくて、アジアなど他地域の「途上国」にも通じることかもしれないが、「モノへの過信」の顕著さが気になることがとても多い。

まず、車だろう。

乗り合いバスなどの運営方法。

古くてメンテナンスもされていなくて、ドアや窓が壊れていてしかも傾いていたりするバスが普通に現役で

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トイレに入ると見当たりません。

トイレに入ると見当たりません。

ザンビアにおけるトイレ事情。

典型的なアフリカ諸国と変わらないかなとは思うが、一般的にあまりよくないのが実情。裏を返せば、トイレ先進国の日本が進み過ぎなのかもしれない。

その分、ギャップがつらいときもある。もちろん、そもそも期待はしていないのだが、それでも裏切られること半端ない。

極めつけが、トイレからあるものが盗まれているってことかもしれない。

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1,500万円の木彫りのワニに見るアフリカ経済の側面。

1,500万円の木彫りのワニに見るアフリカ経済の側面。

先日、きっとルサカに来る外国人観光客はほとんど100%近く訪れるのではないかと思われるアフリカンクラフト村Kabwata Cultural Villageへ行った。

ここは、観光客向けの超定番な感じのアフリカンクラフトショップが連なるクラフト村で、実際にクラフトを作っている様子を見ることが出来る。伝統的なアフリカの小屋みたいなものが作られ、そこに所狭しとたくさんの木彫りや布製品、ビーズなど、あり

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富裕層と中間層が肥大化するアフリカ、その二面性

富裕層と中間層が肥大化するアフリカ、その二面性

ここザンビアに来てひと月ほど。とても感じるのが中間層の厚さだ。

まず大きなショッピングモールが複数ある。そして、中規模のショッピングモールも入れたらかなりの数があるのではないだろうか。

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嫌われ承知で、お金は永遠に湧いて出てくるものという依存症に挑む

嫌われ承知で、お金は永遠に湧いて出てくるものという依存症に挑む

国際協力関係の仕事をしていると、この「援助慣れ」という途上国における病気には120%打ち当たると思う。もちろん、いわゆるODAを始めとする「援助」を単なる依存を生み出すようなものにしてしまうのではなく、途上国の自立発展を促すものとして先進諸国は工夫をしてきたし、我が国は特に「自助努力」という言葉でそれを全面に打ち出している。

でも、実際、先進諸国からの金銭的支援をただ単に期待して待っているような

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