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about LIFE(生きるとか、人生とか)

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記事一覧

「許すこと」が正解でなくてもいいだろう

「許すこと」が正解でなくてもいいだろう

クズ男に夢中だったあの頃、わたしは「いい女」になりたくて仕方がなかった。言われたこと、されたこと、ひとつひとつに一喜一憂しては、彼が惚れるに値する女になりたくて、彼のタイプになることだけを考えていたように思う。恋に傷ついた女というのは、夜になると昼間の何倍もめんどくさくなりがちで、それは理屈では説明ができないひとつの習性なのかもしれない。嫌なことがあったときこそ、早寝早起きをして三食きちんと食べる

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走り出せもしないやつが、誰かの汗や涙を笑うな

走り出せもしないやつが、誰かの汗や涙を笑うな

「夢を語る人」はこんなにもいるのに、「夢を叶えようとする人」は圧倒的に少ない。これがしたい、あれがしたい、こんなものをつくりたい。自分の言葉で理想を説明するまではできるのに、その次の段階に進もうとする人は、語る人の半分もいない気がする。スタート地点を決めるのはいたって簡単だが、走り出すのはだいぶ難しいみたいだ。

人が決める大抵の夢は、どんな形であろうと叶う可能性が絶対にあるとわたしは信じている。

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自分の「健康」を定義するのは自分だ

自分の「健康」を定義するのは自分だ

2年前、メニエール病を発症してから左耳の聴力が思いっきり落ちた。わたしは特に低音が聴こえづらくて、発症するとわたしの世界から低い音が消える。音が鳴っているのはわかるのだけれど、遠くでぼんやり聴こえるくらいで、酷い時には音楽を聴いていてもベースラインだけ聞き取れないことがある。日常生活で困ることはあまりないが、これを抱える前よりかは、だいぶ音がガサつくようになったなと感じる。

最初に発症した時のわ

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おばあちゃんが、わたしを普通の女の子にしてくれた

おばあちゃんが、わたしを普通の女の子にしてくれた

ずっと、未来の自分に期待をして生きてきた。数秒先の、数分先の、数時間先の、今ではない何処かを生きている自分に何かを委ねてしまっている。例え今の自分が見るに耐えないくらいダメダメでも、先を流れる時間を泳ぐわたしは、今と比べたら幾分幸せであるはずだと、なぜか信じている。どこにもそう思う気持ちの拠り所なんてないはずなのに、あと少し先を生きるわたしは、今よりももっと出来上がっている気がするのだ。

今の

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その一杯とキャラメルソースに、愛を込めて

その一杯とキャラメルソースに、愛を込めて

学生時代、3年間スターバックスでアルバイトをしていた。早朝4時半に起きて出勤し、6時半から15時まで働き、そのまま大学へ行くというなかなかドMな生活をしていたが、今思えばあの日々が一番の青春かもしれない。大人になって思い出を整理できるようになった今、改めて昔のことを思い出してみても、スタバに勝る熱い記憶はあまりない。

夢だった編集の仕事をし、こんなふうにつらつらと長ったらしい暗い記事を地味に書き

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酒に酔いどれ、恋に酔いしれ

酒に酔いどれ、恋に酔いしれ

二日酔いになるたびに、後悔をする。いつ寝たか昨日の記憶はあやふやで、カーテンから差し込む光で目が覚めれば嫌な予感がして、恐る恐る起き上がったときのあの、気持ち悪さ。もうあんなに飲むまいと自分に誓い、当たり前のように毎日飲んでいる水の美味しさに感動する情けない昼下がり。
一週間働いてきてやっと与えられた貴重な休日を、腐った生卵みたいな姿勢でただ寝て過ごすというクソみたいなイベントを、大人になって何度

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コンビニの店員さんに優しさを

コンビニの店員さんに優しさを

ファミチキが売り切れで、ブチギレてるお客さんがいた。ちょっと遅いお昼休みをいただいて、適当におにぎりとお菓子を選びレジに並んでいたとある日のこと。わたしの前にいたサラリーマンの男性が、レジカウンターの前で店員さんに怒鳴っていたのである。
「なんで売り切れてんだよ!いつもあんじゃねえかよ!」
「申し訳ございません…本日分は終了してしまい…」
「チッ」
ファミチキが買えなかったことへの苛立ちを隠そうと

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私にブスの呪いをかけていたのは、私だった

私にブスの呪いをかけていたのは、私だった

アンパンマンは、自分の顔をどう思っていたんだろうか。敵に顔を汚され力尽きそうになれば、新しい顔が飛んでくるあのヒーロー。
顔用の型があるから、飛んでくるのはいつも同じで完璧だ。焼きたての、まるまるとした美味しそうなアンパン。「おいしくなあれ」と心を込めてこねられ、窯で焼かれ、ピンチの時に飛んでくる、あの顔。

彼は、今と違う顔になりたいと思ったことはなかったんだろうか。
そんなことを、ふと考える。

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想像することでしか、わかりあえないや

想像することでしか、わかりあえないや

自分以外は、全員他人だ。個人が生きる世界に、他人でない人間などいない。家族はもちろん、どんなに心を許した友達がいても、愛を誓い合った結婚相手がいても、その誰もが他人だ。自分とは違うものを見て、聞いて、触れて、感じて、その人なりの世界を育み形あるものになった、別の生き物。それに例外はないと、24年間生きてきたわたしは思う。

みんな他人なのだから、その人間関係はいつだって脆い。出会いはある日理由もな

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許すのは、相手のためではなく自分のため

許すのは、相手のためではなく自分のため

どうしたって、癒えてくれない傷がある。時間が経って歳をとって、過去の自分に嘆くことが少なくなったとしても、古傷ってある日たまに疼くのだ。
チクっとした痛みが目を覚ましたかと思えば、じわじわとウイルスのように広がって、いつのまにか心が侵食されていることがある。

その時は気にしないふりをできたとしても、大人になってふとした瞬間に襲いかかってくる魔物みたいなそれは、心の弱いところに入り込んでわたしを弱

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「平等」という幻に殺されないで

「平等」という幻に殺されないで

「個性」って、何なんだろう。自分探しなんて始めた暁には、あるはずのゴールにたどり着けなくて沼にはまるのだろう。
自分にしかないもの、自分だからできること、自分らしさ、自分に正直に。己だからこその価値みたいなものが大事だと謳われているけれど、そういう類の自己表現って、たまになんだか苦しくなる。変わっていくし、気づいた時には自分が自分で無くなっている気がするし、いつも迷子だ。

唯一無二の存在として自

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横書きの世界に出会えてよかった

横書きの世界に出会えてよかった

身も蓋も無い話だが、もはやわたしは読書よりもSNSに夢中なのだろう。
インターネットが大好きだ。
近頃、SNSに対する批判が溢れているけれど、わたしは素直にSNSが好き。あってよかったと思う。
この横書きの世界がなかったら、きっと今のわたしは生きていない。
ツイッターで投稿しすぎると「ツイ廃」とかいわれるし、インスタでお洒落を意識しすぎると「グラマーぶってるwww」といわれがちなこの感じ。
最近で

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夜景をつくる、働くあのひとへ花束を

夜景をつくる、働くあのひとへ花束を

東京の夜景は、誰かの残業のおかげでやけに綺麗だ。あのビルが夜でも輝いているのは、名前も知らないどこかの誰かが今も働いているから。港のデートスポットがキラキラしているのは、デートなんて目もくれず出勤している人がいるから。

あの建物の中で何をしているかも、何を作っているのかもイマイチわからないけれど。
ただ、ビルという縦に長い物体の中に人がひて、誰かの働かない時間に働いている人がいる、それだけのこと

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社会人に「下積み時代」は必要か

社会人に「下積み時代」は必要か

若手の転職が当たり前になってきた今日この頃。新しい会社で新しい自分として働くのはもちろん、会社という「組織」から抜け出し、様々な働き方で活躍する若者も多い。
わたしの同級生もまた然り、新卒で入った会社をやめて起業して行く人たちがとても多い。わたしでは到底考えられないことまで考えて行動する彼らを、内心羨ましくも思ったりもする。



「新卒で入った会社を〇〇ヶ月でやめました!」「内定蹴って、〇〇に

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