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読書まとめ『部屋を片づけるだけで子どもはぐんぐん伸びる!』→子どもに「ダメ」を言わないための片づけ

『部屋を片づけるだけで子どもはぐんぐん伸びる!』佐和田 久美



一言で言うと

子どもに「ダメ」を言わないための片づけ



概要

長女のおもちゃがなかなか片づかないので、読んでみました。


部屋を片づけるだけで子どもが伸びる、という主張の科学的な裏付けは提示されていません。著者がハウスクリーニング・家事代行の経験を通じて見てきた家庭(挙げられている実例は少ない)や、著者自身のご家族が論拠になっています。「それってあなたの感想ですよね」と言われればそれまで。

スッキリと整っていて使いやすいキッチンは、それだけでママの気持ちがうきうきとしてきます。「料理を作らなきゃいけないのね」なんて義務感はありません。「家族においしい料理を食べさせてあげたい」。そんな優しくて、前向きな気持ちになるのです。
ママが家族のことを思って作った料理ですから、当然、栄養のバランスは取れています。

本書44ページより引用

家族への思いだけで、栄養のバランスは取れるものなんでしょうか…

とはいえ、片づけに科学的根拠を求めるのは野暮なのかもしれません。世界に知られたKonMariこと近藤麻理恵さんも、「ときめき」を軸に主観・感性に振り切っているわけですし。


片づけが子どもによい影響を与える理由として共感できたのは、親が気持ちや時間のゆとりを持てるようになるから、という点です。危ないから・後片付けが大変だから・もう○○をする時間だから、といった理由で、子どもが興味を持った物事に対して「ダメ」と言っていないでしょうか。私も、長女が大人の取り皿を運ぼうとしたら「ダメ」と言ってしまいがちです。

割れたら危ないし掃除も大変、というリスクを重く見すぎて、子どもの興味に「ダメ」を突きつけていると反省しました。熱々の料理が乗っているわけでもないし、割れたら新しい皿を買えばいいし、割れた皿の処理はかつての職場(ファミレス)で慣れっこだし、興味を持ってるうちにどんどんやってもらった方がいいと考えるようにします。


ちなみに我が家では、おもちゃラックを新しく購入して、どの箱に何を入れるか子どもに決めさせることで片づけが定着しました。そもそもの収納場所が不足していて、定位置が決められなかったようです。


本稿では、本書からの学びを簡単に3つ共有します。



① 家事を定型化し、非定型の育児に集中

家事はある程度の効率化が容易です。効率化の方法としては、時短家電の導入がおなじみですが、片づけをしてモノを減らすことでも効果があります。モノが減ることで、掃除が楽になったり、モノの管理コストが減ったりして、家事にかかる時間を減らすことができます。

一方、子育てに正解はありません。子どもの性格や好みはまちまちですし、成長に伴って変化もしていきます。我が家でも、3歳の長女の朝の支度は、トイレに行かせたり自分で着替えさせたりと、1歳の時とは全く異なるフローに変わりました。

定型業務を圧縮して、生まれた時間を非定型業務に回す。子育てそのものを効率化することではなく、子育てにしっかりと時間をかけられる環境づくりに取り組む方が効果的と考えられます。



② 自分を理解していないと、モノが増える

部屋が片づかない原因のひとつは、モノが多すぎることです。「限られたスペースにたくさんのモノを収納する技術」を賛美する風潮が一時期ありましたが、片づけの基本はまず捨てること。日本ハウスクリーニング協会の3Sでも、トヨタの5Sでも、「整理=不要なモノを捨てること」が片づけの第一歩とされています。

不要なモノが増えるのは、自分にとって必要なモノを理解していないから。モノを買ったり手放したりすることは、自分の価値観との対話です。自分の価値観がわかっていなければ、不要なものを増やしたり持ち続けたりしてしまいますよね。

自分のことをわかっていない親は、子どものこともわかっていないことが多い、と本書では論じられています。おもちゃや教材を買っても、子どもが興味を持ってくれなければ「不要なモノ」でしかありません。子どもが何に興味を持っているかを見極めたり、片づけられない理由を考えたりして、人間観察眼を鍛えていきましょう。



③ 必要か?ではなく、使うか?で判断

モノが必要か不要かを見極めるには、感情ではなく現実主義で考える必要があります。モノを捨てようとすると、「もったいない感情」はどうしても生まれてきます。モノを大切にするのはいいことですが、不要なモノを大切にしすぎて、もっと大切で必要なモノに意識が向かなくなるのは本末転倒ですね。

感情に左右されないために有用だと感じたのが、使うか・使わないか、で判断する方法です。使うシーン・タイミングが具体的にイメージできなければ、使わない=不要なモノです。また、判断に迷うモノがあれば、迷うボックスに入れて1年待って、使ってなければ即捨てる、というテクニックも有用そうです。

子どものモノは、使うか・使わないかを子どもに判断させます。親が不要だと思っても、子どもにとって必要ならひとまず残しましょう。時間を置いてからまた判断させればいいんです。この繰り返しで子どもと対話して、自分で考えさせることで、子どもの判断力を育てる訓練になります。我が家にも折り紙の破片がたくさん残ってたりしますが、今は合理的な判断ができなくてもいい、と長い目で見る余裕を持ちたいと思います。



補足:図解

本書のロジック「片づける→子どもが伸びる」をMermaidで図示してみました。1→N→1みたいな表現をしたい場合、ピラミッドストラクチャーだとしっくり来ないので、フローチャートを使っています。

```mermaid
graph TD
	A[片づける] --> 家事がやりやすい --> B[親の気持ちにゆとりが生まれる] --> C[子どもの行動を制限しない]
	A --> 片づいた状態が当たり前になる --> 家族が協力してくれる --> B
	A --> 子どもが要/不要を考える --> 子どもの判断力が鍛えられる --> Z[子どもが伸びる]
	A --> 子どもが友達を家に呼べる --> 気配りが身に着く --> Z
	A --> 遊びたいモノを子どもが自分で出せる --> D[子どもが興味ある物事に集中できる] --> Z
	C --> D
  style A fill:#dfd
  style B fill:#afa
  style Z fill:#afa
```



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