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怪我について

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『アキレス腱部痛』における長母趾屈筋とケーラー脂肪体の関係を考える

『アキレス腱部痛』における長母趾屈筋とケーラー脂肪体の関係を考える

長母趾屈筋とアキレス腱の位置関係

 このようにアキレス腱の後ろを通って内側を通過するのが長母趾屈筋の走行です。実際はアキレス腱と長母趾屈筋のこの隙間には『ケーラー脂肪体』というものが存在します。

ケーラー脂肪体とその役割

この脂肪体の役割は
・アキレス腱と長母趾屈筋の滑走性の維持
・アキレス腱付着部の圧縮にクッション
・後踵骨滑液包の摩擦軽減と内圧の調整
・後脛骨動脈と脛骨神経の保護の役割を

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長・短腓骨筋 超音波観察

長・短腓骨筋 超音波観察

 柔道整復師が骨や軟部組織の状態を超音波で観察をすることはとても重要なことです。今までの柔道整復師は状態を観察して主訴を元に各種徒手検査で状態把握をしておりました。

しかし、超音波観察をすることで炎症状態の観察や筋肉間の滑走障害なのか筋膜挫傷なのかを把握する事で施術の内容が変わってきます。

最も大切なことは骨折の見逃しや軟骨部の変性を把握することで医師に紹介をするかの判断ができるということです

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骨折って何?

骨折って何?

 前回は捻挫についてお話しをしました。捻挫を知ったら次は骨折のことを知りたいですよね。ね?ね?…ね?それが人の心理ってもんだと思います!ということで、今回は骨折についてお話しをしていきたいと思います。

骨折の定義 骨折には定義があります。骨折とは『骨組織の連続性が完全あるいは部分的に離断された状態』とされています。そして骨折の中でも分けたり、分類されたりしているので以下に説明していきますね。

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ところで捻挫って何?

ところで捻挫って何?

 こんにちは。寒さ厳しい日が続いていますが体調など崩していませんか?大寒過ぎればあと少しの辛抱です。なんとか乗り越えていきましょう!
 さて、皆さんは捻挫についてどれくらい知っていますか?今日は捻挫について少しだけ詳しくお話しをしていきたいと思います。

捻挫とは 捻挫にはちゃんと定義があります。『関節に力が加わっておこるケガのうち、骨折や脱臼を除いたもの、つまりX線(レントゲン)で異常がない関節

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オスグット病(グッド・シュラッター病)

オスグット病(グッド・シュラッター病)

オスグット病ってなんだ? オスグット病とは、膝のお皿の下にある出っ張りのところ(脛骨結節)に痛みが生じる骨端症のことを言います。

 この骨端症とは成長期の子供に多く現れる症状です。
 成長期の子供の骨には成長する成長線(成長軟骨)があり、その成長線にストレスが加わると炎症が起こります。炎症が起こってしまった部位により症病名が異なり、このオスグット病は脛骨結節の成長軟骨に炎症が起こった骨端症名です

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肋骨骨折 超音波画像

肋骨骨折 超音波画像

症例年齢  47歳 
性別  男性 
傷病名 左第11肋骨骨折

受傷機転
・転倒し何かの角にぶつけた

・自覚症状:呼吸痛(+)咳など腹圧が高まると疼痛増大
      動作痛(++)
・他覚症状:介達痛(++)圧痛(++)
・超音波観察にて骨の異常を認めた

 超音波観察にて骨傷の疑いがあったため整形外科にて精査を依頼(※1)し、『左第11肋骨骨折』と診断されました。柔道整復師の仕事は急性外傷

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