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通信制高校という選択⑤

「通信制高校という選択④」の続き。

平成31年4月4日。
N高等学校入学式が行われた。

奇しくも平成最後の4月。リスタートにふさわしい節目の年。

その日は家族で旅行をしていた。
入学式がその日だとは知らずに予定していた旅行だった。
ニコニコ動画でLIVE配信されたN高入学式。娘のスマホで移動時間に視聴した。2019年度の新入生は約4000人だとか。入学式にリアル参加しない生徒がニコニコ動画で視聴する入学式では、VRをつけてバーチャルの空間で入学式に参加する生徒たちが整然と並ぶ、という不思議。リアルが仮想なのか、仮想がリアルなのか、もはや分けわからない・・・(^^;)

これが時代の最先端の姿なのか。リアルな世界の先入観を取っ払い、自分のコンプレックスから解放された世界を実現するためのVRと、温度感、距離感、空気感といった正にリアルな感覚を感じるためのリアル出席。現実と仮想現実のハイブリッド。

すごいねー。小さな画面を娘1と二人で覗き込みながら、これからの可能性に思いをはせ、わくわくする気持ちを高める。

「好きなことをして生きていくために、N校を選びました。」
子どもたちが、そう言ってきらきらと目を輝かせている。

彼らは、N校で、「好きなことをして生きていくために、好きではないことにもチャレンジしてみる機会」をどれだけ得られるだろうか。

あらゆる事柄がショートカットで結果を得られるようになっているこの時代、すぐに結果が出ないこと、や、一見何の意味もないように思えること、をどれだけ経験することができるかが、「人間味」を深めるカギだと思う。
ロールプレイングゲームで、自分のレベルを上げるために、時間と労力を使ってひたすら雑魚キャラを倒し続けて経験値を獲得するように。ゲームでは経験値(EX)が数値で確実に加算されていくことで可視化されているからやりがいはあるのだろうけど、現実ではそれを感じにくいところが若者たちには理解されにくいのだろうけど。

想像できる結果を得ることが目的ならば、データ分析に基づく行動さえすれば達成できるはずだ。それはおそらく、「好きなことをして生きていく」ことも可能にする。ただ、「想像を超える結果を生み出す能力」が備わっているのが人間だと思う。自分の考え得る範疇を超える「何か」、予想外の化学反応に出会うことこそが、人生の面白みであり、人間として生まれた人生を生きる喜びとなり得ると考えるが、そういった機会が、N校を選ぶことで増えるかどうかは・・・、生徒一人ひとりに任されていると感じる。今のところ。

とりあえず今、娘1は、前の高校ではできなかった「アルバイト」をするために、仕事探しに精を出している。そしてこれからスタートするN高校での未知の学習方法に、「やる気満々」である。

母としては、娘1のチカラが存分に発揮できるフィールドであることを、ただ祈るのみ、だ。

「通信制高校という選択⑥」に続く。




これまでの経験で、なんとか自分の役割に気づくことができました。与えられた役割を全力で全うするため、「わくわく」と「ドキドキ」のど真ん中を走ります。 サポートでの勇気づけ、素直に嬉しいです\(^o^)/