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【くらしの東洋医学 鍼灸で元気に】真っ赤な「トマト」は女性の味方!

千葉市内、千葉駅すぐ、女性と子ども専門鍼灸院『鍼灸 あやかざり』です。いつも【くらしの東洋医学 鍼灸で元気に】の記事をお読みいただき、ありがとうございます。

10月10日は『ト(10)マト(10)』」の語呂合わせにちなんで、トマトの日とされています。

ある統計調査によると、トマトは、女性のほうが男性よりも好む傾向にあるそうです。
その理由は、「味がおいしい」、「美肌によい」、「更年期の症状によい」といろいろなようですが、トマトは女性の味方となる食材として好まれている野菜のようです。

また、『トマトが赤くなると医者が青くなる。』ということわざを聞いたことはありますか。?
これは、赤く熟したトマトを食べると健康で病気にならず、医者の仕事がなくなり困ってしまうという意味です。
イタリアのことわざと言われていますが日本でもよく知られており、実際にトマトは栄養たっぷりの野菜の一つです。
そんな、栄養価満点のトマトですが、かつては毒を持つと思われていたそうです!?

そこで、今回は「トマト」について、東洋医学的な効能を含め、そのヒミツとトマトの魅力をご紹介していきます。

『7.「トマト」を使った簡単料理』ではこれからの季節に楽しめるトマトを使ったお料理をご紹介します。

では、どうぞ最後までお楽しみください!


1.「トマト」の歴史

ミニトマトの花と実

トマトと聞くとイタリアをイメージする方も多いと思いますが、原産地は南アメリカのペルーやエクアドルに位置するアンデス山脈で、ナス科に属する緑黄色野菜です。
トマトという名前は、メキシコの言葉で「膨らむ果実」を意味する「トマトゥル」が由来と言われています。もともとは食用ホオズキを指していましたが、形が似ているトマトも同じ名前で呼ばれるようになったと言われています。

食用ホオズキ(ゴールデンベリー)

野生種のトマトは南米からメキシコに伝わった後、栽培されるようになりました。その後、大航海時代の16世紀にスペイン人によってヨーロッパに伝えられました。
しかし、トマトはべラドンナという有毒植物に似ていたために「毒リンゴ」や「悪魔の実」などと呼ばれ、観賞用として栽培されていました。

一般的な食用として広まったのは17世紀末頃のことです。
そのきっかけは、一説によると、当時スペイン領だったナポリ庭師が空腹に耐えかねてトマトを食べたところ、予想以上においしかったことからイタリア中に広がったと言われています。

トマトが日本には伝わったのは江戸時代(17世紀初め頃)です。
貝原益軒の『大和本草』に「唐柿(とうがき)」という名前で記されていますが、当初はヨーロッパと同じように観賞用であったと考えられています。
明治に入ると「蕃柿(あかなす)」と呼ばれて食用として利用されるようになりましたが、独特の青臭い匂いが日本人の食生活にはなじまなかったようです。
その後、トマトソースが開発され、大正時代に入ると洋食ブームの広まりもあって一般的に広まっていきました。
日本人の味覚にあった品種の育成が盛んになったのは昭和に入ってからのことです。

2.「トマト」の種類

カラフルなミニトマト

トマトと聞けば、赤くて丸いものを思い浮かべますよね。
なかにはカラフルなミニトマトもあるように、トマトには世界で1万種類以上、日本でだけでも300種類種以上の品種があるそうです。
分類もいろいろありますが、ここでは大きさに注目して、普段よく目にするトマトをご紹介します。

①大玉トマト:最も一般的で品種の数も多いのが大玉トマトです。
●桃太郎:最も主流のピンク系の色をした大玉トマトで、よく知られている品種です。程よい酸味があり、果肉は熟しても崩れにくいのが特徴です。
●ファースト:ほのかな酸味と甘みで、昔ながらの味わいがするピンク系の色をした大玉トマトです。果実の先が尖っているのが特徴で、春先に出回ります。

②中玉(ミディ)トマト:大玉とミニの中間サイズで、食べきりサイズのトマトです。
●フルティカ:酸味が少なく糖度が高めのため、甘みを感じやすい品種です。
●ルネッサンス:甘さだけでなく酸味もあり、果実の先がが尖っているのが特徴です。

③ミニトマト:ひと口サイズの小型のトマトで、プチトマトやチェリートマトとも呼ばれます。黄色やオレンジ、緑色などカラフルなものがあるのも特徴です。
●アイコ:少し細長い形の定番のミニトマトです。甘みが強く、生食だけでなく加熱してもおいしく食べられる万能な品種です。
●千果(ちか):赤色が濃く、甘みが強くて食べやすいのが特徴です。

他にも、房つきで1粒が5mm~1cmほどの極小粒のマイクロトマトなどもよく見かけます。
色も形も様々な品種がありますので、普段とは違ったもので食卓やお弁当にいろどりを添えてみるのも楽しいですね。

3.栄養学としての効果

トマトは90%以上が水分ですが、残りの10%の部分にからだうれしい栄養素が豊富に含まれています。

【リコピン】
植物などに含まれる赤い色素で、トマトにはとても豊富に含まれています。リコペンとも呼ばれ、カロテノイドの一種です。同じカロテノイドの仲間ではβ-カロテンも有名ですが、リコピンの抗酸化力はβ-カロテンの2倍以上と言われています。
抗酸化作用によってがん予防が期待されている他、動脈硬化予防、抗アレルギー効果、美容効果などの効果があるといわれています。
リコピンは熱に強く、脂溶性なので、油を使って加熱調理するすると効率よく摂取することができます。

【ビタミンP(フラボノイド)】
水溶性のビタミン様物質で、ヘスペリジン、ルチン、ケルセチンの総称です。体内で作ることができないため、食物などから摂取する必要があります。毛細血管を強くする作用のほか、血流の改善効果、血中コレステロール値の改善作用、抗アレルギー作用などが報告されています。
ビタミンCの吸収を助けるため、ビタミンCの効果が高まることも期待できます。

また、クエン酸やリンゴ酸も豊富に含まれていて、これらもビタミンCが破壊されないように働きます。

その他、水溶性食物繊維(ペクチン)、ビタミンA、B1、B2、B6などのビタミン類、カリウムやマグネシウム、リン、鉄分などのミネラル類も含まれています。

4.東洋医学的な効能

東洋医学的には、トマトは以下のような属性と効能をもちます。

【性質と味】 酸・微甘、平、無毒(甘・酸、微寒)
【関連する臓腑経絡】 胃経(心・脾)

①生津止渇(しょうしんしかつ)

体内における津液(水分)の生成を促すことから、唾液を増してのどの渇きを解消します。

②健胃消食(けんいしょうしょく)

胃の消化作用を高め、消化不良の改善を促します。

トマトは微寒性で、熱を収める作用を持ち、消化を促進して肝の解毒を助けるので、夏バテや肝陽亢盛体質の方におすすめです。
しかし、トマトは体内に水分を溜めやすく、胃腸の負担になりやすいので、胃腸の弱い気血両虚体質の方や食積痰湿の体質方は控え目にしましょう。

5.東洋医学からみる味覚

トマトは、味覚としては酸味と甘みをもちますが、この酸味と甘み、東洋医学的にはどうとらえることができるのでしょうか??

東洋医学上では、五行といって、あらゆるものを自然界の五分類(木・火・土・金・水)にあてはめる考え方が用いられます。

食べ物の味、および人の味覚も例外ではなく、酸味や甘味などの味覚も五行のひとつとして定義されています。
五臓の不調は五味にあらわれ、五味の変調は五臓の不調をあらわす、といった具合に相互に関係をもちます。

1)酸味

酸味は、ものを引き締める、収斂する作用をもち、五臓の肝と関連します。

2)苦味

苦味は、清熱、および水分を固めて取り除く、といった作用をもち、五臓の心と関連します。

3)甘味

甘味は、滋養強壮し、緩める(緩和・調和)作用をもち、五臓の脾と関連します。

4)辛味

辛味は、散らす(発散)させる作用、温める作用をもち、五臓の肺と関連します。

5)鹹(かん)味

ものを軟らかくして、潤わせる作用をもち、五臓の腎と関連します。

6.千葉と「トマト」

トマトは代表的な夏野菜で、露地栽培だけでは夏しか収穫できませんが、ハウス栽培の普及によって一年中手に入るようになりました。
大きく分けると、12~6月に出荷される冬春トマトと7~11月に出荷される夏秋トマトに区分されます。
冬春トマトは熊本県、愛知県、栃木県などで、夏秋トマトは北海道や茨城県、福島県などで主に生産されています。

有名な産地が並んでいますが、実は千葉県でも多くのトマトが生産されていて、2021年産のランキングでは全国で5番目の生産量となっています。

千葉市には、持続可能性を追求しながら千年後の豊かな千葉市を目指す『食のブランド「千」』という認定制度があり、そこでも千葉市内産のトマト2品種が認定されています。
●日日農園「てっちゃんの完熟ミニトマト」:ギリギリまで収穫せずに熟成させた完熟度が高いミニトマトです。収穫時期は11月下旬から翌年6月下旬頃までです。
●脇田ファーム「完熟もぎたてトマト」:栽培温室の積算温度をもとに熟度を判定しているトマトで、収穫後24時間以内に販売されます。販売期間は、11月~7月です。

完熟トマトは販売所が限られていますが、「てっちゃんの完熟ミニトマト」は限定的に産地直送通販サイトで購入できるようです。
もし気になった方がいらっしゃれば、インターネットで情報を確認してください。

上記の2品種に限らず、千葉県産のトマトは1月~2月、5月、10月が旬、ちょうどこれからが最もおいしい時期になります。
関東エリアにお住まいの方なら、お近くのスーパーで購入できるかもしれませんので、ぜひ産地を気にしてみて下さい。

7.「トマト」を使った簡単料理

一年中手に入るトマト。
サラダにしたり、いろどり用の付け合わせにしたりと、生で食べることが多いですよね。
けれど、その栄養を効率よく摂取するためにおすすめの調理法は、加熱することと、オイルを使うことです。

トマトを温める?と思った方は思い出してください。イタリア料理ではパスタをはじめ、煮込み料理などにトマトが使われていますよね。
トマトの酸味が苦手・・・という方はけっこう多いと思いますが、そんな方にも加熱調理はトマトの甘みが増すのでおすすめです。
そこで、今が旬のきのこを使ったトマトの簡単スープをご紹介します。

【トマトときのこの簡単スープ】
《材料》分量は適宜
しめじ、えのきだけ、トマト(ミニトマトでもOK)、コンソメ
お好みで卵、パセリ、いりごまなど
《作り方》
1.えのきだけ、トマトは食べやすい大きさに切っておきます。
2.鍋にオリーブ油を入れ、温まったらしめじとえのきだけを炒めます。
3.全体に軽く火が通ったらトマトを加え、さっと炒めます。
4.トマトが少し柔らかくなったら、水とコンソメを入れ5分ほど煮ます。
5.塩、こしょうで味を調えたらできあがり!

生のトマトの代わりに市販のトマトピューレを使えばトマトスープになります。トマトピューレでも十分にトマトの栄養を摂ることができます。
ぜひお試しください。

8.まとめ

ここまでトマトのヒミツやすごさをご紹介してきました。
トマトはスーパーに一年中並んでいるので何気なく手にしていると思いますが、たまにはいつもと違うトマトを味わってみませんか。
もぎたてのトマトを味わうならトマト狩りもおすすめです。

千葉県内でも木更津市や市川市のほか、何か所かでトマト狩りの体験ができます。
農園によって時期が異なり、なかには10月中でも体験できるところがありますので、今回の記事を読んで興味をお持ちになられた方は、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

いかがでしたでしょうか?
『真っ赤な「トマト」は女性の味方!』はお楽しみいただけましたでしょうか?

このように、身の回りにあるいろいろなものを東洋医学的にみていくと、鍼灸のほかにも、身近なところに自然治癒力を高めるヒントがたくさんあることに気づかされますね。

食養生、毎日の食事こそがわたしたちの身体をつくるもととなっています。最後までお読みいただきありがとうございました。

それでは、鍼灸でからだも心も元気になりましょう!

鍼灸 あやかざり
千葉駅5分 完全予約制 女性と子ども専門の鍼灸治療院
千葉県 千葉市中央区新町1−6 ラポール千葉新町202
TEL:070-8525-6132

画像の出典:https://www.photo-ac.com/

参考文献:『中医臨床のための中薬学』、『東方栄養新書』、『オールガイド食品成分表』
参考資料:農林水産省ホームページ、千葉市ホームページ

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