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読書について

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読書の記録や本にまつわる話
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『来るべき民主主義』國分功一郎

『来るべき民主主義』國分功一郎

先日読んだ『目的への抵抗』(2023.4出版)から遡って、2013.9に出版された『来るべき民主主義』を読んでみました。

副題に「小平市都道328号線と近代政治哲学の諸問題」とあるように、著者が地元、小平市の道路計画見直しを求める住民運動に参加する中で、民主主義とはなにか、議会制民主主義の問題点はなにかを考察した内容です。

いろいろな提言がありましたが、興味があった「ファシリテーター」について

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『都市の問診』饗庭伸

『都市の問診』饗庭伸

積ん読の中から、『都市の問診』を読み始めています。何となく面白そうだな〜と思って図書館で予約したんだったかな…。だれかの文章の引用で見たのかもしれません。
問診という言葉は普通人に使うけれど、都市の問診ってどういう意味だろうと感じました。

冒頭で、フムッと思った箇所。

駅前に住む農民ってちょっとユーモラスな書き方ですよね。鍬を持った江戸時代の農民が駅ビルにいる姿を想像してしまいました。

改め

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『目的への抵抗』國分功一郎

『目的への抵抗』國分功一郎

國分さんの本を読むのは初めてです。副題に「シリーズ哲学講話」とあったので、読みやすそうな印象でこちらを選んでみました。

目的への抵抗、ってどういう意味だろうと思っていましたが、読んで納得。
「目的」を「手段」を正当化するためのもの、と捉えると、目的が必然の世界はとても息苦しい世界です。そこからはみ出ることが人間の自由である…といった内容です。
こう書くのは簡単ですが、そこに至るまでの思考の跡はと

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エフェクチュエーション②

エフェクチュエーション②

『エフェクチュエーション』引き続き読んでいます。やっと第4章を読み終わりました。
最初の感想はこちらから。

ここでは、この本の粋ともいえる原則が5つ紹介されています。

「手中の鳥」の原則

「許容可能な損失」の原則

「クレイジーキルト」の原則

「レモネード」の原則

「飛行機の中のパイロット」の原則

各原則は、わたしなりの理解だとこんな感じです。

手持ちの手段を使ってどんな結果が出せる

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グリーンビジネス1周年!

グリーンビジネス1周年!

まだ1周年?と、もう1周年!って両方思いました。ポッドキャスト「経済番組 グリーンビジネス」です。

野村高文さんの番組を聴き漁っている中で自然に聴き始めた番組。
それまで特にグリーンの分野に注目したり勉強したりしてこなかったのですが、面白い話が沢山出てきて明らかに影響を受けているなと思います。

たとえばわたしは北欧が好き(行ったことないけど)なのですが、最初はインテリアやデザインから入って、女

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エフェクチュエーション読んでる①

エフェクチュエーション読んでる①

『エフェクチュエーション』第3章まで読みました。
面白いです。
わたしがよく読むジャンルに「面白いけど眠くなる本」があるのですが(笑)この本はまさにそれです。
難しい文章が続くけど、食らいついて読んでいるとコンテンツが面白いから引き込まれる本です。

わたしが読んでいるのは碩学舎が出版した書籍ですが、同じテーマで入門編的な、もう少し読みやすそうな本も出ているようです。

上が原著の翻訳、下が入門編

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強敵、現る

強敵、現る

山口周さんがポッドキャストで紹介していた『エフェクチュエーション 市場創造の実行理論』を図書館で予約したのですが、届いてびっくり。すごく分厚い(笑)。触りだけ読んでみましたが、なんというか、論文です!という感じの内容。これは読むのに時間がかかりそうです。

本を書くといっても、さらりと書かれたのかなという書籍から読み応えのある力作まで色々ありますが、これだけ中身の詰まっていそうな本を1冊書き上げる

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「分人」について考え中

「分人」について考え中

た平野啓一郎さんの『私とは何か 「個人」から「分人」へ』を読んでいます。ずっと読みたいと思っていて、メルカリで買いました。

ズバリ一言、面白い!

何よりまず、「分人」というアイデアが魅力的です。素晴らしい発明だよなぁ、と思います。

「個人」ではなく「分人」、たった一人の自分・本当の自分が存在するのではなく、相手によって様々な「分人」があり、その総体が自分だと考えるのが自然と説く平野さん(個人

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アウトプット大全

アウトプット大全

これから読む本です。この前ポッドキャスト「定時までに帰れるラジオ」でゲストにいらしていた樺沢紫苑さんの著書です。今の自分はインプットよりアウトプットに力を入れたいので、ちょうどいいと思って図書館で借りてみました。デザインがスッキリしていて、読みやすそうです。表紙の男の子?がかわいい(笑)。

そもそものアウトプットの定義として書いてある言葉。

読んだり、書いたり、話したり。行動を起こすことでイン

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最近手にした本

最近手にした本

やっと金曜日です。今週は長かった。
長い1週間のおともに、いくつか本を読んでいました。

『模倣と創造』佐宗邦威

『東南アジア式「まあいっか」で楽に生きる本』野本響子

『私とは何か 「個人」から「分人」へ』平野啓一郎

『美術の愉しみ方 「好きを見つける」から「判る判らない」まで』山梨俊夫

この他に1冊、メルカリで注文している本があります。子供からのリクエスト(とても珍しい)です。あとは図書

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『模倣と創造 13歳からのクリエイティブの教科書』

『模倣と創造 13歳からのクリエイティブの教科書』

昨日まで読んでいた本です。著者は佐宗邦威さん。「13歳からの〜」とサブタイトルにある通り中学生くらいでも読めるように意識した、読みやすい作りになっていました。最近、13歳からの〇〇をよく見る気がします。私は大人だけど普通に読んでいます(笑)。中学生くらいに向けて書かれた本は、むしろ大人向けより読みやすく、エッセンスを紹介してあるのでとっつきやすいです。

それはさておき、中学校の美術の時間が苦手だ

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『キャリアづくりの教科書』

『キャリアづくりの教科書』

いま読んでいる本です。例によって図書館で借りました。選んだ理由は、よく聴いているポッドキャスト「経営中毒 〜だれにも言えない社長の孤独〜」でパーソナリティーをつとめる徳谷智史さんの著書だからです。

思ったより分厚い本で「鈍器本?」と焦りました(笑)。でも読み始めて、この分厚さは徳谷さんの熱量のあらわれだなと感じます。

まださわりしか読んでいませんが、気になった箇所。

その後に続く文章で、この

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『まなざしのデザイン〈世界の見方〉を変える方法』

『まなざしのデザイン〈世界の見方〉を変える方法』

連休中に、いつもと違う図書館に行ってウロウロしていたら出会った本です。著者はハナムラチカヒロさん。

2017年発行なので、少し前の本ですが面白くて読み進めています。
自分が普段見ている世界を違った角度から見るとはどういうことか、簡単な仕掛けで学生と実験を行ってみたり、プロジェクトとしてアートフェスや病院で実践した話など、抽象的な話と具体例が沢山あって興味深いです。

この本と直接関係ないのですが

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デザインは、世界をちょっと良くすること

デザインは、世界をちょっと良くすること

昔から絵を描いたり見たりが好きだったけれど、いつからか工芸品やプロダクトデザインに関心が広がっていました。
雑に言うとアートよりデザイン寄りに心が惹かれていったというのでしょうか。

「デザイン」ってわかっているようで意味が捉えきれないところがあり、最近はなんでも「◯◯デザイン」とついているから余計に「そもそもデザインってなんだ?」と思うことが多かったのですが、ある本でそんな問いにフィットする答え

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