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ハードボイルド書店員の「核」になる一冊

「本屋」に関する本から学んでいます。

昨日発表した「ハードボイルド書店員日記【95】」にも出てきました。

いま読んでいるのは↓です。内容は「18人の書店員が語る本屋の仕事」。彼らが全国から投げ掛ける十人十色の問いを、お店に足を運んで体験したくなりました。

特に「本屋」と「書店」の違いを定義づけた定有堂書店(鳥取)店主・奈良敏行さんのお話や「完璧な本の選書」というテーマに対する誠光社(京都)店主・堀部篤史さんの解答が刺さりました。ここまでクリアに言語化できるまでにはどれほどの考察を要したのでしょうか。

各章のラストで「私の核になる本」が紹介されます。初めて見る書名が多かったです。たしかに「すでに広く認知されている名著」よりも「あまり知られていないけど自分にとって替えの利かない一冊」に核を託す方が、揺るがぬ個の魂をより切実に感じ取ってもらえるかもしれない。

私の「核になる本」はこちらです。

著者は篠崎にある「読書のすすめ」の店主・清水克衛さん。何度読み返したかわかりません。

世の中には手軽にやる気を促し、効率よく稼ぐ方法を説く本が溢れています。必要とする人がいるのでしょう。でもそういうハウトゥー本から「答え」を教えてもらうのではなく、難解な読書を通じて己だけの「問い」を見つけ、克服に向けて熱く動き出す。それこそが真の「自己啓発」だと本書から教わりました。

そして「自己啓発」は「エゴの正当化」ではない。むしろ逆。人を喜ばせるとか誰かのために汗をかくこと。なおかつ己を犠牲にするのでもない。強いて言語化するなら「捧げつつ活かす」でしょうか(書店員としての私のテーマです)。

矛盾に戸惑わないでください。禅の本を読めばわかりますが、真理とはロジックで辿るものではないのです。こういった学びの原点もすべて「魂の読書」でした。

いつか先達の方々と「本」や「本屋」について語り合ってみたいです。

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