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はじめての漆塗り 〜嗚呼、職人の絶望日記〜

2016年7月。
アウトドア漆器ブランド立ち上げ記。

アウトドア漆器の入れ子になる木地を試作した。
そのセットを4つ作った。
めっちゃがんばった。

よくもまぁ、素人がここまでやったと自分でも思う。
漆塗りの修行そっちのけで、べらぼうな時間を費やしたこと以外は。

1セットに、お椀とお皿2つずつ。


木のうつわは、なにかしらのコーティングをしないと、水分を吸い続けます。

食べ物の汁や色ならまだしも、洗剤も吸ってしまいます。
次に料理をよそったときに、吸っていた洗剤がにじみ出してくるのでコーティングが必要です。

漆塗りも、そのコーティング方法の一つです。

今回試してみるのは、「拭き漆(ふきうるし)」という技法です。


拭き漆とは生漆(きうるし)を木地に塗っては拭き取って乾燥させる作業を繰り返し、コーティングするとともにツヤを出す。

生漆とは、漆の木から採取した樹液そのままに近い100%天然塗料です。
これが漆の木を傷つけて樹液を採取してるところ↓



拭き漆の特徴は、薄い塗膜を何層も重ねていくことで生まれる透明感です。
木地が透けて見えるので、木目が活きた素朴な仕上がりになります。

そうして、入れ子で収納に便利なアウトドア漆器試作第一号か出来上がった。

ブランド立ち上げへの道のりはまだまだ遠い。

がんばれワカゾー。

みなさまのご支援で伝統の技が未来に、いや、僕の生活に希望が生まれます。