charles888

フランス在住。ワイン、ガストロノミー、旅、観光、文化遺産を綴ります。 https://…

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フランス在住。ワイン、ガストロノミー、旅、観光、文化遺産を綴ります。 https://www.wine-and-food.site/ https://www.instagram.com/voyage.en.terroir/

最近の記事

クロヴージョで泊まろう! ブルゴーニュ特級畑内にできた新しい宿

記事を書きました。 ブルゴーニュのワイナリーを訪問して、「クロドヴージョの中にある、2つのシャトーの間にある建物は何ですか?」と質問する。 「ああ、俺が生まれる前からある建物だが、さっぱりわからん。」 という感じの返事しか返ってこなかった。今回の建物再建に関わったドルーアンとモンティーユの名前が出てきたのは極最近のことだ。写真を見ていただけるとわかるが、お金持ちのブルゴーニュワイン・ラバーなら、興味のある人はいるだろう。最高格付け、グランクリュ畑のど真ん中に宿泊して、目の前

    • 2023年、フランスワイン総生産量推計

      南フランスでは既に収穫が開始しているが、2023年8月1日付けで、フランス農務省が2023年フランスワインの総生産量を推計している。まだ確定ではないが、収量予測の精度は高い。 2023年のフランスワイン総生産量は2022年より僅かに少ないが、過去5年の平均程度のようだ。南仏ラングドックルーションは渇水が酷く収量減少している。ボルドーや南西地方は5~6月の降雨でベト病で収量が減少している。シャンパーニュやブルゴーニュ等他産地は悪くない。 2023年はフランスが世界最大ワイン生産

      • レイモンラフォンのピエール メリエ Pierre Meslier 逝去。

        彼はシャトー ディケムの総責任者を1963~1990年務めると同時に、ディケムに隣接するものの、当時荒廃していたシャトー レイモン ラフォンを1972年入手。ソーテルヌを代表するワイナリーにした。イケムですら1960~70年代は苦しい時代であった。ソーテルヌのイコンの一人。2023年6月。

        • ポムロールの雄、シャトー・クリネの新たな挑戦

          シャトークリネが隣接するシャトー・レキュイエを買収したそうだ。収穫の真っ最中に発表とは。シャトー・レキュイエはこれまで平凡なポムロールだったが、シャトー・クリネの部隊がやるんなら、かなり美味しいワインができないか。高い樹齢の畑を持っているようだし。追跡する価値があるね。

        クロヴージョで泊まろう! ブルゴーニュ特級畑内にできた新しい宿

          なぜタイヤメーカーのミシュランがレストランの評価をするのか?

          フランスが美食の国とはいえ、何故タイヤメーカーが高級レストランの格付けをするのか? 疑問な方は記事をお読みいただければ幸いです。 レストラン格付けを本格的に始めたのは1926年。もうじき100年。ミシュランは何かイベントを企画しているはず。ちょっと楽しみだ。

          なぜタイヤメーカーのミシュランがレストランの評価をするのか?

          前代未聞 掟破りの新作ワイン ペンフォールズ Penfolds Ⅱ

          年間どのぐらい新しいワインがリリースされているのか知らないが、おそらくこの企画は初めてだろう。フランス、ボルドー格付け5級シャトー・ベルグラーブと、オーストラリア、ペンフォールド、カリムナ・ヴィンヤードのシラーズをブレンドしたワイン。旧大陸と新大陸のコラボは珍しくないが、高価格ワインをブレンドするのは聞いたことがない。中身云々以前に「このアイデアを最初に発売を思いついて、実行した方」には脱帽。一方、今一つなのは、このワインの名前。ペンフォールズは既にPenfolds BIN

          前代未聞 掟破りの新作ワイン ペンフォールズ Penfolds Ⅱ

          クロ・デ・ランブレイが新たなページを捲る

          フランス、ブルゴーニュ地方にあるドメーヌ・デ・ランブレイは、ほぼ単独所有でグランクリュ畑クロ・デ・ランブレイを所有する。約8.66ha。一塊のグランクリュのブドウ畑としてはブルゴーニュ最大だ。2014年のLVMHグループに買収後、しばらくは大人しくしていたものの、2019年以降大々的な変更を試みている。そして新たなブドウ畑も入手。ドメーヌ・デ・ランブレイが醸すヴォーヌ・ロマネやニュイサンジョルジュはどんな味わいになっていくのだろうか。

          クロ・デ・ランブレイが新たなページを捲る

          ジョセフ・フェルプス、シャトー・ラ・トゥール・デュ・パン・フィジャック(ジロー・ベリヴィエ)をLVMHが買収

          2022年6月末に2つの買収がLVMH(ルイ・ヴィトン・モエ・ヘネシー)グループによってなされた。1つはカリフォリニアのジョセフ・フェルプス。インシグニアでその名を知られたカリフォルニアの伝説的なワイナリー。もう1つは、ボルドー、サンテミリオンのシャトー・ラ・トゥール・デュ・パン・フィジャック(ジロー・ベリヴィエ)。このシャトーは、サンテミリオンのカリスマ的ワイナリー、シャトー・シュバル・ブラン(既にLVMHに買収済)に隣接。 このラグジュアリー・グループはドン・ペリニョン

          ジョセフ・フェルプス、シャトー・ラ・トゥール・デュ・パン・フィジャック(ジロー・ベリヴィエ)をLVMHが買収

          2022年ミレジムより、ピノノワール種によるアルザス・グラン・クリュ認可

          最近アルザスのワイン屋では、アルファベットのイニシャルをつけたアルザス・ピノ・ノワールを見かけることが多い。 Alsace Pinot Noir « F » Alsace Pinot Noir « K » Alsace Pinot Noir « V » Alsace Pinot Noir « E » Alsace Pinot Noir « H » Alsace Pinot Noir « G » Alsace Pinot Noir « M » …...... これらはアルザ

          2022年ミレジムより、ピノノワール種によるアルザス・グラン・クリュ認可

          トスカーナの雄 イゾレ・エ・オレーナ Isole e Olena買収される

          イタリア料理は世界中で人気があるので、どこに行ってもキャンティのワインを見つけることができる。その主要品種はサンジョベーゼ種。今ではちょっと信じられない話だが、一昔前まで、サンジョベーゼ種100%のワインはキャンティやキャンティ・クラシコを名乗れなかった。カナイオーロ種等を混ぜることが義務で、サンジョベーゼ種100%はスーパー・トスカーナの扱いとなった。モンテヴェルティーネのレ・ペルゴレ・トルテ(1977年より)や イゾレ・エ・オレーナのチェパレッロ(1980年より)、フォン

          トスカーナの雄 イゾレ・エ・オレーナ Isole e Olena買収される

          サンテミリオン格付けから脱退が止まらない シャトー・ラ・ガフリエール

          フランス、ボルドーのサンテミリオン格付けは、10年に1回再審査が行われる。2022年はその再審査の年。昇格すればワインの価格は上がり、降格すればワインの価格は下がる。どのシャトーにとっても死活問題。1958年から始まったこの制度は、21世紀に入り大きな問題を抱えるようになった。2021年夏以降は有力シャトーが抜け、今度は長年プルミエ・サンテミリオン・グランクリュクラッセB を維持してきたシャトー・ラ・ガフリエールが、格付けからの脱退を宣言した。 今後も格付けから脱退するシャト

          サンテミリオン格付けから脱退が止まらない シャトー・ラ・ガフリエール

          フランス山菜の女王「森のアスパラガス」

          日本で、山菜の王様として知られている「たらの芽」。旬になると、比較的簡単に入手することができます。 フランスにも、山菜があります。それは、旬が短く、あまり市場に出回らない「森のアスパラガス (アスパラ・ソバージュ)」。フランス山菜の女王として、知られています。 手軽に調理でき、とても扱いやすく、春の一皿を盛り上げるアスパラ・ソバージュ。日本でも、見かける機会が増えてきたようです。 詳細はサイト記事にて。

          フランス山菜の女王「森のアスパラガス」

          「Bleu de Nevers ブルー・ド・ヌヴェール」 青いヌヴェール陶器がつくりだすフランス料理の新たな世界

          フランスでは料理を彩る様々な陶磁器が各地で生産されており、その一つにヌヴェール陶器があります。フランス中央部、ロワール河に面するヌヴェールは陶器生産で栄えた歴史があり、特にBleu de Nevers ブルー ド ヌヴェールと呼ばれる美しい青を基調とした飾り皿が有名です。かつてこの青色の出し方は工房の秘密とされていました。 とても美しい皿ですが、高価な上に実用性は今一つ。特に濃い青皿は料理の盛り付けを間違えると、食欲を減退させる可能性があります。それを逆手に取り、敢えて濃い青

          「Bleu de Nevers ブルー・ド・ヌヴェール」 青いヌヴェール陶器がつくりだすフランス料理の新たな世界

          フランス各地のガレット・デ・ロワとその歴史

          ガレット・デ・ロワはフランスの1月に食される季節菓子。パイ生地のガレットデロワが一般的で、最近では日本でも見かけるようになりました。 このお菓子はフランスではとても人気があります。新年最初の日に社員で集まって食べるのは極普通の光景です。学校でも出てくることがあり、クラス毎に皆で集まって食べます。 例年1月の公現節の頃、フランス各地の有名パティシエは「今年の新作ガレットデロワ」と発表します。結構なお値段ですが、年に1度お気に入りのパティスリーのガレットデロワを味わうのを楽し

          フランス各地のガレット・デ・ロワとその歴史

          ボルドー左岸、オーメドックで新たな村名AOC申請へ、サン・スーラン・ド・カドルヌ

          フランス、ボルドーのオーメドック地区は、煌びやかな格付けシャトーが並びます。マルゴー、サンジュリアン、ポーイヤック、サンテステフといった村々のシャトーは、とても有名です。ロスチャイルド家が所有するシャトー・ラフィット・ロートシルトやシャトー・ムートン・ロートシルト、或いはシャトー・マルゴーの名前をご存知の方もいるでしょう。「ボルドーのシャンゼリゼ」といっていい場所です。 このオー・メドック地区は広く、29の村にまたがります。その村の1つサン スーラン ド カドルヌ村に独立し

          ボルドー左岸、オーメドックで新たな村名AOC申請へ、サン・スーラン・ド・カドルヌ

          ジュヴレ シャンベルタン キュベ “1859”    ドメーヌ・トラぺの話

          ブルゴーニュのジュヴレ・シャンベルタン村に本拠地を置くドメーヌ・トラぺは、2019年ミレジムから新しいワインをリリース。 フランス、ブルゴーニュだけでなく、ドイツ国境のアルザスでもワイン造りを行うこのドメーヌは、現在世代交代中。以前はジャン・ルイ・トラぺが全て仕切っていたが、ここ10年、2人の息子さんを見かけることが多い。この新しいワインも息子さん達のアイデアかもしれない。 1990年代、2000年代のトラぺのワインは、抽出の強いパワフルなワインだったが、2010年代に入

          ジュヴレ シャンベルタン キュベ “1859”    ドメーヌ・トラぺの話