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フランス在住。ワイン、ガストロノミー、旅、観光、文化遺産を綴ります。 https://…

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フランス在住。ワイン、ガストロノミー、旅、観光、文化遺産を綴ります。 https://www.wine-and-food.site/ https://www.instagram.com/voyage.en.terroir/

記事一覧

クロヴージョで泊まろう! ブルゴーニュ特級畑内にできた新しい宿

記事を書きました。 ブルゴーニュのワイナリーを訪問して、「クロドヴージョの中にある、2つのシャトーの間にある建物は何ですか?」と質問する。 「ああ、俺が生まれる前…

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3か月前
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2023年、フランスワイン総生産量推計

南フランスでは既に収穫が開始しているが、2023年8月1日付けで、フランス農務省が2023年フランスワインの総生産量を推計している。まだ確定ではないが、収量予測の精度は高…

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9か月前
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レイモンラフォンのピエール メリエ Pierre Meslier 逝去。

彼はシャトー ディケムの総責任者を1963~1990年務めると同時に、ディケムに隣接するものの、当時荒廃していたシャトー レイモン ラフォンを1972年入手。ソーテルヌを代表…

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9か月前
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ポムロールの雄、シャトー・クリネの新たな挑戦

シャトークリネが隣接するシャトー・レキュイエを買収したそうだ。収穫の真っ最中に発表とは。シャトー・レキュイエはこれまで平凡なポムロールだったが、シャトー・クリネ…

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1年前
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なぜタイヤメーカーのミシュランがレストランの評価をするのか?

フランスが美食の国とはいえ、何故タイヤメーカーが高級レストランの格付けをするのか? 疑問な方は記事をお読みいただければ幸いです。 レストラン格付けを本格的に始め…

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1年前
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前代未聞 掟破りの新作ワイン ペンフォールズ Penfolds Ⅱ

年間どのぐらい新しいワインがリリースされているのか知らないが、おそらくこの企画は初めてだろう。フランス、ボルドー格付け5級シャトー・ベルグラーブと、オーストラリ…

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1年前
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クロ・デ・ランブレイが新たなページを捲る

フランス、ブルゴーニュ地方にあるドメーヌ・デ・ランブレイは、ほぼ単独所有でグランクリュ畑クロ・デ・ランブレイを所有する。約8.66ha。一塊のグランクリュのブドウ畑と…

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1年前
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ジョセフ・フェルプス、シャトー・ラ・トゥール・デュ・パン・フィジャック(ジロー・ベリヴィエ)をLVMHが買収

2022年6月末に2つの買収がLVMH(ルイ・ヴィトン・モエ・ヘネシー)グループによってなされた。1つはカリフォリニアのジョセフ・フェルプス。インシグニアでその名を知られ…

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1年前
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2022年ミレジムより、ピノノワール種によるアルザス・グラン・クリュ認可

最近アルザスのワイン屋では、アルファベットのイニシャルをつけたアルザス・ピノ・ノワールを見かけることが多い。 Alsace Pinot Noir « F » Alsace Pinot Noir « K …

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1年前
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トスカーナの雄 イゾレ・エ・オレーナ Isole e Olena買収される

イタリア料理は世界中で人気があるので、どこに行ってもキャンティのワインを見つけることができる。その主要品種はサンジョベーゼ種。今ではちょっと信じられない話だが、…

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2年前
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サンテミリオン格付けから脱退が止まらない シャトー・ラ・ガフリエール

フランス、ボルドーのサンテミリオン格付けは、10年に1回再審査が行われる。2022年はその再審査の年。昇格すればワインの価格は上がり、降格すればワインの価格は下がる。…

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2年前
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フランス山菜の女王「森のアスパラガス」

日本で、山菜の王様として知られている「たらの芽」。旬になると、比較的簡単に入手することができます。 フランスにも、山菜があります。それは、旬が短く、あまり市場に…

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2年前
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「Bleu de Nevers ブルー・ド・ヌヴェール」 青いヌヴェール陶器がつくりだすフランス料理の新たな世界

フランスでは料理を彩る様々な陶磁器が各地で生産されており、その一つにヌヴェール陶器があります。フランス中央部、ロワール河に面するヌヴェールは陶器生産で栄えた歴史…

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2年前
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フランス各地のガレット・デ・ロワとその歴史

ガレット・デ・ロワはフランスの1月に食される季節菓子。パイ生地のガレットデロワが一般的で、最近では日本でも見かけるようになりました。 このお菓子はフランスではと…

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2年前
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ボルドー左岸、オーメドックで新たな村名AOC申請へ、サン・スーラン・ド・カドルヌ

フランス、ボルドーのオーメドック地区は、煌びやかな格付けシャトーが並びます。マルゴー、サンジュリアン、ポーイヤック、サンテステフといった村々のシャトーは、とても…

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2年前
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ジュヴレ シャンベルタン キュベ “1859”    ドメーヌ・トラぺの話

ブルゴーニュのジュヴレ・シャンベルタン村に本拠地を置くドメーヌ・トラぺは、2019年ミレジムから新しいワインをリリース。 フランス、ブルゴーニュだけでなく、ドイツ国…

charles888
2年前
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クロヴージョで泊まろう! ブルゴーニュ特級畑内にできた新しい宿

記事を書きました。

ブルゴーニュのワイナリーを訪問して、「クロドヴージョの中にある、2つのシャトーの間にある建物は何ですか?」と質問する。
「ああ、俺が生まれる前からある建物だが、さっぱりわからん。」
という感じの返事しか返ってこなかった。今回の建物再建に関わったドルーアンとモンティーユの名前が出てきたのは極最近のことだ。写真を見ていただけるとわかるが、お金持ちのブルゴーニュワイン・ラバーなら、

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2023年、フランスワイン総生産量推計

2023年、フランスワイン総生産量推計

南フランスでは既に収穫が開始しているが、2023年8月1日付けで、フランス農務省が2023年フランスワインの総生産量を推計している。まだ確定ではないが、収量予測の精度は高い。
2023年のフランスワイン総生産量は2022年より僅かに少ないが、過去5年の平均程度のようだ。南仏ラングドックルーションは渇水が酷く収量減少している。ボルドーや南西地方は5~6月の降雨でベト病で収量が減少している。シャンパー

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レイモンラフォンのピエール メリエ Pierre Meslier 逝去。

彼はシャトー ディケムの総責任者を1963~1990年務めると同時に、ディケムに隣接するものの、当時荒廃していたシャトー レイモン ラフォンを1972年入手。ソーテルヌを代表するワイナリーにした。イケムですら1960~70年代は苦しい時代であった。ソーテルヌのイコンの一人。2023年6月。

ポムロールの雄、シャトー・クリネの新たな挑戦

ポムロールの雄、シャトー・クリネの新たな挑戦

シャトークリネが隣接するシャトー・レキュイエを買収したそうだ。収穫の真っ最中に発表とは。シャトー・レキュイエはこれまで平凡なポムロールだったが、シャトー・クリネの部隊がやるんなら、かなり美味しいワインができないか。高い樹齢の畑を持っているようだし。追跡する価値があるね。

なぜタイヤメーカーのミシュランがレストランの評価をするのか?

なぜタイヤメーカーのミシュランがレストランの評価をするのか?

フランスが美食の国とはいえ、何故タイヤメーカーが高級レストランの格付けをするのか? 疑問な方は記事をお読みいただければ幸いです。
レストラン格付けを本格的に始めたのは1926年。もうじき100年。ミシュランは何かイベントを企画しているはず。ちょっと楽しみだ。

前代未聞 掟破りの新作ワイン ペンフォールズ Penfolds Ⅱ

前代未聞 掟破りの新作ワイン ペンフォールズ Penfolds Ⅱ

年間どのぐらい新しいワインがリリースされているのか知らないが、おそらくこの企画は初めてだろう。フランス、ボルドー格付け5級シャトー・ベルグラーブと、オーストラリア、ペンフォールド、カリムナ・ヴィンヤードのシラーズをブレンドしたワイン。旧大陸と新大陸のコラボは珍しくないが、高価格ワインをブレンドするのは聞いたことがない。中身云々以前に「このアイデアを最初に発売を思いついて、実行した方」には脱帽。一方

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クロ・デ・ランブレイが新たなページを捲る

クロ・デ・ランブレイが新たなページを捲る

フランス、ブルゴーニュ地方にあるドメーヌ・デ・ランブレイは、ほぼ単独所有でグランクリュ畑クロ・デ・ランブレイを所有する。約8.66ha。一塊のグランクリュのブドウ畑としてはブルゴーニュ最大だ。2014年のLVMHグループに買収後、しばらくは大人しくしていたものの、2019年以降大々的な変更を試みている。そして新たなブドウ畑も入手。ドメーヌ・デ・ランブレイが醸すヴォーヌ・ロマネやニュイサンジョルジュ

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ジョセフ・フェルプス、シャトー・ラ・トゥール・デュ・パン・フィジャック(ジロー・ベリヴィエ)をLVMHが買収

ジョセフ・フェルプス、シャトー・ラ・トゥール・デュ・パン・フィジャック(ジロー・ベリヴィエ)をLVMHが買収

2022年6月末に2つの買収がLVMH(ルイ・ヴィトン・モエ・ヘネシー)グループによってなされた。1つはカリフォリニアのジョセフ・フェルプス。インシグニアでその名を知られたカリフォルニアの伝説的なワイナリー。もう1つは、ボルドー、サンテミリオンのシャトー・ラ・トゥール・デュ・パン・フィジャック(ジロー・ベリヴィエ)。このシャトーは、サンテミリオンのカリスマ的ワイナリー、シャトー・シュバル・ブラン(

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2022年ミレジムより、ピノノワール種によるアルザス・グラン・クリュ認可

2022年ミレジムより、ピノノワール種によるアルザス・グラン・クリュ認可

最近アルザスのワイン屋では、アルファベットのイニシャルをつけたアルザス・ピノ・ノワールを見かけることが多い。

Alsace Pinot Noir « F »
Alsace Pinot Noir « K »
Alsace Pinot Noir « V »
Alsace Pinot Noir « E »
Alsace Pinot Noir « H »
Alsace Pinot Noir « G »

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トスカーナの雄 イゾレ・エ・オレーナ Isole e Olena買収される

トスカーナの雄 イゾレ・エ・オレーナ Isole e Olena買収される

イタリア料理は世界中で人気があるので、どこに行ってもキャンティのワインを見つけることができる。その主要品種はサンジョベーゼ種。今ではちょっと信じられない話だが、一昔前まで、サンジョベーゼ種100%のワインはキャンティやキャンティ・クラシコを名乗れなかった。カナイオーロ種等を混ぜることが義務で、サンジョベーゼ種100%はスーパー・トスカーナの扱いとなった。モンテヴェルティーネのレ・ペルゴレ・トルテ(

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サンテミリオン格付けから脱退が止まらない シャトー・ラ・ガフリエール

サンテミリオン格付けから脱退が止まらない シャトー・ラ・ガフリエール

フランス、ボルドーのサンテミリオン格付けは、10年に1回再審査が行われる。2022年はその再審査の年。昇格すればワインの価格は上がり、降格すればワインの価格は下がる。どのシャトーにとっても死活問題。1958年から始まったこの制度は、21世紀に入り大きな問題を抱えるようになった。2021年夏以降は有力シャトーが抜け、今度は長年プルミエ・サンテミリオン・グランクリュクラッセB を維持してきたシャトー・

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フランス山菜の女王「森のアスパラガス」

フランス山菜の女王「森のアスパラガス」

日本で、山菜の王様として知られている「たらの芽」。旬になると、比較的簡単に入手することができます。

フランスにも、山菜があります。それは、旬が短く、あまり市場に出回らない「森のアスパラガス (アスパラ・ソバージュ)」。フランス山菜の女王として、知られています。

手軽に調理でき、とても扱いやすく、春の一皿を盛り上げるアスパラ・ソバージュ。日本でも、見かける機会が増えてきたようです。

詳細はサイ

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「Bleu de Nevers ブルー・ド・ヌヴェール」 青いヌヴェール陶器がつくりだすフランス料理の新たな世界

「Bleu de Nevers ブルー・ド・ヌヴェール」 青いヌヴェール陶器がつくりだすフランス料理の新たな世界

フランスでは料理を彩る様々な陶磁器が各地で生産されており、その一つにヌヴェール陶器があります。フランス中央部、ロワール河に面するヌヴェールは陶器生産で栄えた歴史があり、特にBleu de Nevers ブルー ド ヌヴェールと呼ばれる美しい青を基調とした飾り皿が有名です。かつてこの青色の出し方は工房の秘密とされていました。
とても美しい皿ですが、高価な上に実用性は今一つ。特に濃い青皿は料理の盛り付

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フランス各地のガレット・デ・ロワとその歴史

フランス各地のガレット・デ・ロワとその歴史

ガレット・デ・ロワはフランスの1月に食される季節菓子。パイ生地のガレットデロワが一般的で、最近では日本でも見かけるようになりました。

このお菓子はフランスではとても人気があります。新年最初の日に社員で集まって食べるのは極普通の光景です。学校でも出てくることがあり、クラス毎に皆で集まって食べます。

例年1月の公現節の頃、フランス各地の有名パティシエは「今年の新作ガレットデロワ」と発表します。結構

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ボルドー左岸、オーメドックで新たな村名AOC申請へ、サン・スーラン・ド・カドルヌ

ボルドー左岸、オーメドックで新たな村名AOC申請へ、サン・スーラン・ド・カドルヌ

フランス、ボルドーのオーメドック地区は、煌びやかな格付けシャトーが並びます。マルゴー、サンジュリアン、ポーイヤック、サンテステフといった村々のシャトーは、とても有名です。ロスチャイルド家が所有するシャトー・ラフィット・ロートシルトやシャトー・ムートン・ロートシルト、或いはシャトー・マルゴーの名前をご存知の方もいるでしょう。「ボルドーのシャンゼリゼ」といっていい場所です。

このオー・メドック地区は

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ジュヴレ シャンベルタン キュベ “1859”    ドメーヌ・トラぺの話

ジュヴレ シャンベルタン キュベ “1859”    ドメーヌ・トラぺの話

ブルゴーニュのジュヴレ・シャンベルタン村に本拠地を置くドメーヌ・トラぺは、2019年ミレジムから新しいワインをリリース。

フランス、ブルゴーニュだけでなく、ドイツ国境のアルザスでもワイン造りを行うこのドメーヌは、現在世代交代中。以前はジャン・ルイ・トラぺが全て仕切っていたが、ここ10年、2人の息子さんを見かけることが多い。この新しいワインも息子さん達のアイデアかもしれない。

1990年代、20

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