若手土木技術者向けナレッジベース

実体験をもとに、公務員3年未満の若手土木職員向けに日々の業務で気をつける事例を紹介して…

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実体験をもとに、公務員3年未満の若手土木職員向けに日々の業務で気をつける事例を紹介しています。 公務員以外の方も気軽にフォローお願いします。 instagram https://www.instagram.com/civil_engineer_knowledge_base/

最近の記事

1分で分かる~コンクリートの品質管理~(現場荷おろし時)

レディーミクストコンクリートの現場荷おろし時の品質管理についてまとめました。 結論レディーミクストコンクリートの現場荷おろし時に行う品質管理項目は以下の4つです。 「圧縮強度」 ☞コンクリートが圧縮力(荷重)を受けて破壊するときの強さを応力(N/mm2)で表した値 「スランプ」 ☞コンクリート(生コン)の軟らかさを表した数値 「空気量」 ☞コンクリート中に含まれる空気泡の量 「塩化物含有量」 ☞コンクリート中に含まれる塩化物の量 基準値「圧縮強度」 ☞1

    • 1分で分かる~山留(やまどめ)工~

      今回は、土留め工事に必要な各部材の名前と役割をまとめました。 土留めにも①親杭横矢板工法、②鋼矢板工法、③ソイルセメント連続壁工法など様々な工法があります。 必要なものを順次覚えていきましょう。 まず、開削の際に、地盤が崩れないよう矢板などで土を押さえることを山留めといいます。 「土留壁」 ☞周りの土や水が流れ込んできたり、地盤が壊れたりしないために設ける壁 「腹起こし」 ☞土圧が作用する山留壁を支える部材 「切梁」 ☞土止めの矢板を倒れないように支持する水平

      • 1分で分かる擁壁の設計~擁壁の根入れ長編~

        今回は、擁壁の設計~擁壁の根入れ長編~についてです。 L型擁壁の根入れ長については、会計検査院でも指摘されていますので設計照査や施工の際には注意しましょう。 結論「道路土工 擁壁工指針」によると、擁壁の直接基礎の原地盤面等からの根入れ深さは、将来予想される地盤の洗掘の影響等を考慮する必要がある。 片持ばり式擁壁等は、原則として底版厚さに0.50m 以上加えた根入れ深さを確保する。 擁壁に接してコンクリート水路を設ける場合の根入れ深さは、水路底面より 0.30m以上確保するこ

        • 1分で分かる~L型擁壁切断の注意点~

          L型の切断については会計検査院でも指摘されており、斜切りにされた二次製品を使用するなどの対応が必要となります。 結論L型擁壁を切断することとした場合に、鉄筋の腐食により、鉄筋コンクリート構造物としての耐久性が損なわれることがないか検討する必要があります。 コンクリート構造物内部の鉄筋が腐食すると構造物の耐久性は著しく低下します。 事例L型擁壁について、道路と道路より低い位置にある民地又は水路との高低差より数cm以上高くなる規格の製品を設置し、L型擁壁が道路から突出する部分

        1分で分かる~コンクリートの品質管理~(現場荷おろし時)

          1分で分かる~コンクリート中性化~

          今回は、コンクリートの中性化はについてです、主に橋梁の維持補修でよく見られます。 結論中性化とは、pHが12~13の「強アルカリ性」であるコンクリートに大気中の二酸化炭素(CO2)が侵入し、水酸化カルシウム等のセメント水和物と炭酸化反応を起こすことによって細孔溶液のpHを低下させる劣化現象です。 Ca(OH)2 +  CO2 ➡ CaCO3 + H2O(水酸化カルシウム) (二酸化炭素) (炭酸カルシウム) (水) どうなるか?コンクリートの中性化は

          1分で分かる~コンクリート中性化~

          1分で分かる~測量の注意点~

          今回は1分で分かる測量の注意点について説明しようと思います。 単純なミス編☞ねじのゆるみや絞め忘れなど測量機器の不具合によるもの。 ☞測量機器を正確に設置したとの思い込み。 ☞スタッフを立てる位置の誤り、目盛りの読み間違い。 ☞三脚の踏込み不足で機器が動いていたなど。 測量の途中でも測量機器の動きの有無や水平の確認をしながら測量を進めることが重要です。 計算の誤り編☞水準測量における電卓の計算ミス ☞野帳の記入が不明瞭なことによる、値の取り違え ☞現場で座標計算をして、

          1分で分かる~測量の注意点~

          1分で分かる~コールドジョイント~

          今回はコンクリート関連で、コールドジョイントについて説明したいと思います。 結論☞先に打ち込まれたコンクリートの上に 後から打ち込まれたコンクリートが一体化しない状態となって、打ち重ねた部分に不連続な面が生じること。 ☞ひび割れが発生している場合があり、構造物の強度、水密性、耐久性を低下させる原因となる。 「打ち重ね」と「打ち継ぎ」の違いについて打ち重ね 硬化途中にあるコンクリートに対し、新たなコンクリートを打設すること。 打ち継ぎ 硬化したコンクリートに対し、新た

          1分で分かる~コールドジョイント~

          1分で分かる~暑中コンクリート・寒中コンクリート~

          今回は土木の基本となるコンクリートについて、暑中コンクリート、寒中コンクリートそれぞれについて説明したいと思います。 まずは、暑中コンクリートからです。 暑中コンクリートについて結論 ☞気温が高い環境では「セメントと水が化学反応を起こす水和反応」が活発化しやすく、必要とするスランプ値が得られない。 ☞気温が上昇することで水分が蒸発し、体積の減少にともなって、ひび割れを起こす。 ☞気温が上昇すると、コンクリートの硬化が早く進むため、先に打設した層と後から打設した層が一体化

          1分で分かる~暑中コンクリート・寒中コンクリート~

          1分で分かる~コンクリート打設計画(現場打ち水路)~

          今回は構造スパンごとのコンクリート打設計画(現場打ち水路)を作成することにより工期の短縮を図った事例です。 結論☞現場打ち水路80m(20m×4スパン)について、構造物を1スパン(20m)飛ばしの2ブロック(1ブロック2スパン)に分け、1ブロック(2スパン)を同時施工とし、残りの2ブロック目と施工開始日をずらす。 ☞1ブロック目の水路底板のコンクリート打設養生が終了した段階で、2ブロック目の水路底板の打設を始めることにより1ブロックと2ブロックの施工をラップさせ、工期短縮を

          1分で分かる~コンクリート打設計画(現場打ち水路)~

          1分で分かる~法定外の労災保険~

          今回は法定外の労災保険についてです。 令和元年の法改正により公共工事における法定外の労災保険の付保が要件化されました。 今後は、工事の着手前までに保険証券、加入者証(票)、加入証明書など確認できる書類(写しでも可)を、監督員へ提示しなければなりません。 結論☞法定外の労災保険は、建設業に従事する労働者が、業務・通勤災害により死亡や重度の身体障害を残した場合、または傷病の状態にある場合、国の労働災害補償保険(労災保険)の給付に上乗せして保険金を支払うものです。☞公共工事の設計

          1分で分かる~法定外の労災保険~

          1分で分かる~CBR試験~

          今回はCBR試験についてです。 特に設計CBRは舗装設計の基本となるので必ず覚えておきましょう。 結論☞現場CBR試験 既に施工している現場で、路盤や路床の強度の確認をするもの。 ☞設計CBR アスファルト舗装の舗装構成を決める際に用いるもの。 ☞修正CBR 現場の締め固め条件と路盤路床材料が修正が必要であるかを調べる際に用いるもの。 解説☞CBR 路床や路盤材料の表面に直径 5.0cm のピストンが 2.5mmまたは 5.0mm 貫入したときの荷重を、標準荷重に対す

          1分で分かる~建設リサイクル法~

          今回は『建設リサイクル法』についてです。 対象建設工事の実施に当たっては、『工事着手の7日前までに発注者から都道府県知事に対して分別解体等の計画等を届け出る』点がポイントとなります。 結論☞特定建設資材(コンクリート(プレキャスト板等を含む。)、アスファルト・コンクリート、木材)を用いた建築物等に係る解体工事又はその施工に特定建設資材を使用する新築工事等であって一定規模以上の建設工事(対象建設工事)について、その受注者等に対し、分別解体等及び再資源化等を行うことを義務付け。

          1分で分かる~建設リサイクル法~

          1分で分かる~アルカリ骨材反応~

          今回はアルカリ骨材反応についてです。 橋梁補修工事などで良く出てきます、塩害とセットで覚えておきましょう。 結論☞コンクリート中のアルカリ分(ナトリウムやカリウム)が反応性骨材と反応し、ゲル状の物質を生成します。 ☞そこに水分が混ざると膨脹し、コンクリートにひび割れが発生します。 解説☞アルカリ分に反応する反応性骨材を用いてしまうことが原因であり、コンクリートのがんとも呼ばれ、内部で気付かないうちに劣化が進行していってしまう場合が多くあります。 ☞対策としては「無害骨材の

          1分で分かる~アルカリ骨材反応~

          1分で分かる~塩害~

          今回は塩害についてです。 橋梁補修工事などで良く出てきますので覚えておきましょう。 結論 ☞コンクリート内の鉄筋は、非常に高いアルカリ性の不導体被膜という保護膜で覆われるため錆びることはありません。 ☞しかし塩化物イオンが一定量を超えてコンクリート中に存在するとこの被膜が破壊されて腐食、錆びが始まります。 ☞鉄筋が腐食すると腐食箇所の体積が2.5倍程度に膨張するため,その膨張圧によってコンクリートにひび割れが発生します。 ☞コンクリートの塩化物含有量は、塩化物イオン(Cl⁻

          1分で分かる~土壌汚染対策法~

          今回は、土壌汚染対策法です。 前任の担当者の認識不足で、事業計画の変更を余儀なくされる可能性があります。 事業期間が延長されることに加え、調査・対策費用も増額となることから後任の人への負担が大きくなります。 当初から確認しておけば、防げる事例なので気を付けましょう。 結論☞土地の形質の変更の部分の面積が3,000㎡ (現に有害物質使用特定施設が設置されている土地にあっては900㎡)以上の場合届出が必要。 ☞届出は土地の地の形質の変更(工事)の、着工の 30 日前までに都道府

          1分で分かる~土壌汚染対策法~

          1分で分かる~文化財保護法~

          今回は文化財保護法です、前任の担当者の認識不足で、工事着手直前に事業計画の変更をせざるを得ないケースが見受けられます。 前任の担当者の認識不足で、事業計画の変更を余儀なくされる可能性があります。 事業期間が延長されることに加え、調査費用も増額となることから後任の人への負担が大きくなります。 当初から確認しておけば、防げる事例なので気を付けましょう。 結論☞事前照会 (事業用地が埋蔵文化財包蔵地のに該当するか照会) ☞埋蔵文化財発掘届の提出(工事着工予定の60日前) ☞立会調

          1分で分かる~文化財保護法~