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CEDAR Produce vol.4「建築家とアッシリア皇帝」観劇(8/11 13:00)

久しぶりにCEDARを観てきましたのでザっと感想・思ったことを記します。先日はCEDARのこと。いま気になる演劇ユニットの話。という記事も書いておりますのでお時間ございましたら併せてぜひ。

今回どうしても観たかった理由

先頃の夏風邪が治りきらずヒヤヒヤ、ギリギリ調整してまで観たかったのは今回の出演者が所属する2人の俳優による芝居だから。桧山征翔さんと尾尻征大さん

ゲストを招いて華やかなのも素敵だけれど、単純に「団体そのものを堪能したい気分」の時ってあるじゃないですか。今回がまさにそれ。どこの団体もメンバーだけでの公演って意外と少ないじゃない?それが今回いいタイミングで。

かつ、CEDARについて言えば私が拝見した旗揚げ公演のタイミングは尾尻さんの加入前という。私はまだ尾尻さんのお芝居を観たことがなかったので今回の公演はどうしても観たかったワケです。

団体の理念は私の苦手ポイントでもある

今回観劇前に「ああ、今回も絶対に私の苦手な部類の作品だよなぁ。」と思っていました。これ実は今に始まったことでなく……正直、CEDARの演目って描かれるテーマとしては私の苦手とすることばかり。人間の内側をえぐるような舞台というのが私にとっては「ごめん!苦手!無理!」なのです。生々しさや激しい感情がとにかく苦手常軌を逸して苦手なので日常生活の中でもなるべく関わらないようにしている部分。

そして今回もテイストとして自分が苦手とする分野であるということはわかっていたけれど……それでも足を運ぼうと思わせることができる、それはこの団体の凄さであり魅力であると思います。また、覚悟して観劇した結果堪能できたという、これもスゴいこと!

苦手であっても観たいと思える・思わされる演劇

自身の苦手なテーマであり、更にボリューミーで観ることにとてもエネルギーが必要になることはわかっていて、それでも観たいと思える・思わされるのはやはり演出家・松森望宏さんの抱く世界が圧倒的に美しいからだし、それを演出として具現化する技量があるからだし、受け取り深化させ形にしてみせる役者とスタッフの愛とテクニックなのでしょう。個人的には音響・西川裕一さんと劇団の異常なまでの相性の良さも。

質の良い舞台を小劇場価格で観られる

演劇は映画など他の娯楽に比べて時間の工面や金銭的な負担などが大きくなるのが常、ユーザーとしては質やチケット料金に関してかなりシビアになります。小劇場のチケット代金が3000円台にのって久しく勝手知ったる者からしても足を運びにくくなった昨今。しかしCEDARに関して言えば、良質な舞台を3000円台(今回は前売りだと2980円!)で提供してくれる貴重なチーム。これは今回の規模がコンパクトだからというのもあるけれど、それでも、です。

硬質・硬派でありながら見やすさが突出

先頃の投稿にも重なる部分があるのですが、難解な戯曲を若い世代の感覚で作り上げていることも見やすさの理由のひとつだと思います。CEDARという団体は見やすさが突出していて、演劇の知識が乏しい人や興味はあるけれどまだまだ知らないことが多い若い世代にも分かりやすく表現してくれる。そういう意味合いからしてもとても貴重な存在。

今回の公演についてちょこっと

公演期間中ですのでネタバレ的なことは書きませんが、最後に今回の作品に関して感想・思ったことをちょこっと記しておきます。

「絶対にエグいでしょ!」と思って心配していたのですが、意外と大丈夫だった。とはいえ、それは私の通ってきた道であったり経験や考え方であったりを透過しての話。たぶん、男性、特に若い世代の男性から見たらかなりキツくってエグいと思う。(そう考えると男ばっかりのお稽古はさぞかし壮絶だったろうなぁ。)突き付けられたり向き合わされたり。逆に、女性からしたら「女であるゆえ」そこまでキツくはないかもしれない。

というのも、男性から見た女・女性・母・母性という類の話が出てくるのですよ。そういうテーマを男性が表現しようとすると、女性から見た時に違和感や反感みたいなものを感じやすいのだけれど、今回のCEDARではそういう気配が微塵もなかったのだよね。女から見て「んまぁ、それはわかりたくないけどわかる」はあっても「男ってそういうとこあるよね!」という嫌な気分にならない。これは見事でした。

内容や表現のことこまかな部分であったり、衣裳小道具類の話であったり、そのあたりはまだ記しませんが、もしかしたら追ってちょこっと追記するかも?しないかも?とにかく、今回もたいへん美しい舞台でございました。満足。

興奮冷めやらぬ中で「それでも公演期間中にアップしたい!」という思いでの執筆ゆえ、いつにもましての乱文。何卒ご容赦ください。

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