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中国の「介護」問題「老神介護」

<SF(49歩目)>
劉慈欣さんの短篇から、今の中国を感じる。特に「介護」問題。

老神介護
劉 慈欣 (著), 大森 望 (著), 古市 雅子 (著)
角川書店

「49歩目」は中国を代表するSF作家の劉慈欣さんの短篇集

「流浪地球」と同様にリーダビリティよく、とてもおススメです。

今回の短篇集は題名の通り「介護」が主題のものが2作品(「老神介護」「扶養人類」)です。

中国は一人っ子政策による影響で、急速な高齢化社会を迎えています。幸い、パンクする前に「科学技術」の進歩と「経済的な成功」が追いつき、現在色々な試行検証を継続中。

日本も高齢化社会ですが、その「解」は中国にある可能性あり。目が離せません。

最初「老神介護」を読んだ時に、数十年前に読んだ「星新一」さんの世界に似ていると感じました。つまり、起承転結ありでひねりもあるショートショート。でも、ちょい古いのかな?と。

しかし、「扶養人類」を読んで、やはり感じたのはプロットが計算されていて、日本でいうと「宮内悠介」さんの作品に似ていると感じた。

つまり、ありきたりな「介護」問題がパンチの効いた感慨深い作品に昇華している。ちょっと中国的な「解」も、これからの日本でも選択肢に入るなと感じた。そして「長寿であることは、致命的なリスクなのだ」という言葉が重く響く。

またこの作品には「地底世界」にかかわるものあり。
これは、「地底旅行(ジュール・ ヴェルヌ)」以降、あまり取り上げられていなかった世界。

それが、見事なプロットと展開で目を見張る作品になっている。地底系の連作「彼女の眼を連れて」「地球大砲」は、私たちにとって足もとの未知に言及した作品でオモシロイ。
※地底系の連絡は、たっぷり「愛(love)」が詰まっている。

ほんと、溢れる才能と筆力を持った作家で、どれもエンターテインメント度も高く外さない。恐るべしです。

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