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亡き父をしのんで三世代おうち映画鑑賞会

めずらしく息子から提案がありました。

「家でみんなで(本人&祖母&私)映画でも観いひん?」

同居の80代義母は糖尿病の持病を抱えています。
コロナの件がありますので、できるだけ外出を避けています。

そんな中、息子は良い提案をしてくれました。映画鑑賞会の始まりです。
リビングのカーテンを閉めて部屋を暗くし、
三世代が、テーブルの上のノートパソコンに向かいました。

鑑賞するのは、義母が生まれる前に制作された白黒のフランス映画です。


私の実家の父は、なぜかフランス映画とフランス語を愛する人でした。
大学の受験科目の一つの外国語は、英語ではなく、フランス語で受験しています。
フランソワーズ・モレシャンさん(若い人は知らないかな?)に師事していたことが、いつまでも自慢の種でした。

亡くなって、今年で18年になります。

以前、私は父になんとなく尋ねました。
「お父さんの好きなフランス映画ってなんなの?」すると父は
「う~ん、『望郷』かなぁ~。」

それだけです。私にはフランス語の学習や映画については、あまり語ろうとはしませんでした。


私はその話を息子にしていたみたいです。
息子はいつの間にかネットで「望郷」のDVDを購入して、持っていました。

「おじいちゃんが好きな映画ってどんなんやったんかと思って…。」


90分の比較的短い映画でしたが、見応えがありました。
終了後しばらくは、三世代がそれぞれ感激の思いで映画の世界に浸っていました。

主人公のジャン・ギャバンの正面から見た顔に、なんとなく父の面影を感じます。(ちょっと良く言いすぎですが)

「お父さん、前世はフランス人やったんかな?」
などと、勝手にいろいろ思いながら父を偲(しの)ぶに連れて、自然に涙がこぼれました。

7月は父の誕生日でした。
生きていれば、もう89歳にもなるんだなぁ……と思いました。


映画の感想と父の思い出話で、我が家は楽しく時間を過ごせました。

お父さん、深い愛情をありがとうございました。
息子よ、映画鑑賞会を提案してくれてありがとう!

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