週刊ドリームライブラリ

裏技的How to、ショートショートなどの文芸作品、ジョークなど、さくっと読める面白短…

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裏技的How to、ショートショートなどの文芸作品、ジョークなど、さくっと読める面白短文をアップします。あなたの人生を彩るかもしれない秘密情報が、ここにあります。

マガジン

  • 三題話の大研究2023 冬-春

    「あれ かえる 推し」の3つの単語を使って、小説やエッセイなどを創作します。裏のテーマとして過去も入れないとならない、超難しい三題話にドロームライブラリの作家陣が挑みます。

  • 網焼亭田楽の創作落語集

    網焼亭田楽師匠による創作噺集です。お題に合わせて作ったものや、お題なく創作されたものなどを集めました。

  • DL作家のご紹介

    週刊ドリームライブラリで活躍する作家の皆さんをご紹介するマガジンです。作品の中から一編をご紹介します。

  • 夢の作り方研究所

    若い方からシニアまで、夢を持つことは大切です。夢を作るのがヘタなんだよなあという方のために、夢の作り方と育み方を解説します。全6回

  • 週刊DL短編集『"こいばな”と怖い話』

    「こいばな」という言葉をいれなければならないというお題に、さらに怖い話で短編を作るというしばりに同時に挑戦。

最近の記事

過去に帰るとカエルが変えるby網焼亭田楽

毎度バカバカしいお笑いでございます。 最近は森の中で遊ぶ子供というのを見かけなくなってまいりましたが、昔は森といえば子供の格好の遊び場でございました。 昔々、ある小さな村に住む少女がおりまして、その名をさちこと申しました。彼女の心の中には、ある特別な存在がございまして、それが何とカエルだったのでございます。 カエル好きの少女なんて最近ではもの珍しく思えるのですが、昔はそうでもありません。カエルどころかヘビが好きなんて少女も珍しくありませんでした。 さちこはいつも、村の池

    • 推しエルの巡礼 by 吉田真澄

       数年前に年賀状を出すのをやめた。 それまでは11月に入るとパソコンを駆使し、どんな絵柄にするかとフリー素材を探し、それに少し手を加え、そこに文字を当てはめ、年賀葉書の裏面にプリントアウトしてオリジナルの葉書にしていた。 この自己満足で作成したものを誰かに見せたい気持ちもあり、創作する一連の作業は楽しいものだった。  でも、あれ、なぜこの楽しさをやめたのだろう。  コロナ禍で外出もままならず、家にいることが多くなり時間はたっぷりあったはずなのに、だ。  貴文と連絡が取れなくな

      • 年明けのおかまバー「しろうさぎ」by御美子

        カランコロン 「オオクニ※ちゃん、いらっしゃい。やっと顔見せてくれたのね。年明け早々、日本列島大変だものね」 「そうなんですよ、ママ。『神も仏もない』なんて言われて。どうしたらいいものやら」 「神様たちも、苦労が絶えないわね」 「ふむふむ。『神も仏もない』と言われたとな」 「えっと、どちら様ですか?」 「あら、ごめんなさい。先客がいるの忘れてたわ。こちらはアレちゃんよ」 「えっ? もしかして、古事記の編纂に関わったという…」 「そう。古事記の内容を全部暗記してた稗田阿礼(ひ

        • わたしの推しって? by Miruba

          「推し」とは、 人にすすめたいほど好きなアイドルや俳優、タレントなどを指す「応援」を意味する言葉、とある。 動詞「推す」からだろうから、推薦するという意味になるだろう。 90年代後半にモーニング娘のアイドルファン(アイドルオタク)の間で流行り定着した言葉だという。 一般に広く使われ始めたのは、2010年に発表された、AKB48の「チームB推し」という楽曲が、きっかけらしい。同年流行語大賞で「推しメン(メンバー)」もノミネー トされた。 現在ではアイドルや俳優など芸能人だけ

        過去に帰るとカエルが変えるby網焼亭田楽

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        • 三題話の大研究2023 冬-春
          6本
        • 網焼亭田楽の創作落語集
          8本
        • DL作家のご紹介
          9本
        • 夢の作り方研究所
          6本
        • 週刊DL短編集『"こいばな”と怖い話』
          8本
        • 地獄の歩き方
          5本

        記事

          推し友 by 夢野来人

          昔々、あるところに動物好きのタケシという少年がいました。タケシは犬や猫にとてもなつかれていました。 でも、最近のタケシはいつも森で見かける不思議な『あれ』に夢中だったのです。その『あれ』は風に乗って村に時折現れ、子供たちの心をわくわくさせてくれます。 タケシはその姿が見えると、どこからともなく冒険心が湧き起こるのです。 「あの物体が空に浮かんでいるのを見ると、何だか心が躍るんだよな」 その物体を見かけた時には、タケシはその物体が消え去るまで、ずっと見つめているのでした。ある

          三題話の大研究=2024冬春編 始動!

          皆様こんにちは、いつも週刊ドリームライブラリnote版をご愛顧いただきありがとうございます。 そろそろ、アレの季節がやってまいりました。アレといってもタイガースの優勝ではありません。 全く関連のない3つの単語を使って、小説やエッセイなどを作っていただく言葉のアクロバット、週刊ドリームライブラリ恒例の三題話のお題発表です。前回は、通常とは異なる一題話でしたので、三題話は1年ぶりとなります。 三題話とは、全く関連のない3つの単語を入れ込んで、小説、エッセイなどの文芸作品を作って

          三題話の大研究=2024冬春編 始動!

          ありがたや五平 by 網焼亭田楽

          毎度バカバカしいお笑いにお付き合いしていただきとう存じます。 まあ、どこにでも自分のことを運が悪いと嘆く御仁がいるものですが、大抵の場合はご自分がなさって来たことが降りかかっている場合が多いようでございます。 天に向かってツバを吐けば、やがて天からツバが降ってくるというものでして、自分のした行いは必ず自分に戻って来るようでございます。 さて、ここに自分の運の無さを嘆いている男がおりました。 「ああ、どうしておいらはこんなにも運が悪いんだろう。同じことをしても、それがどんど

          ありがたや五平 by 網焼亭田楽

          東京、大阪、名古屋 by 網焼亭田楽

           毎度バカバカしいお笑いでございます。  東京、大阪、名古屋の人の性格を表す話としてこんな話がございます。 3人で食事に行ったお勘定の時に何を考えるのかと言うことなんですが、東京人は格好つけ文化ですから3人分払うといくらになるかと考えます。大阪人は商いの文化ですので、割り勘にしたらいくら払えば良いかと考えます。 名古屋の人はと言うと、お礼の言葉を考えているなんて言われておりまして、まったく次元が違います。あっぱれあっぱれでございます。  また、最近は便利な世の中になってまい

          東京、大阪、名古屋 by 網焼亭田楽

          打ち直し by 網焼亭田楽

           毎度バカバカしいお笑いでございます。  最近は、何でもかんでも少し悪くなると交換してしまう世の中になってまいりました。  車だってそうです。ちょっと運転席側のヘッドライトがつかないんなんて言うと、配線やら何やら細かいチェックなど致しません。ヘッドライト丸ごと交換してしまう場合が多いようでございます。  テレビだって、調子が悪くなれば修理というよりも調子の悪い部分を交換、下手すればテレビ丸ごと買い換えてしまうなんて世の中です。 昔はそんなことはなかったようでございます。 「

          打ち直し by 網焼亭田楽

          どいつもこいつも by 網焼亭田楽

           え〜、本日もバカバカしいお笑いにお付き合いいただきたいと存じます。  最近は、何でもかんでもAI頼みでございます。  子どもたちにとって楽しかった夏休みも終わりを告げようとしておりますが、昔はこの時期になると溜まってしまった宿題に頭を悩ませるお子さんも、いや、むしろそんなお子さんをお持ちになられている親御さんも多かったのではないでしょうか。  そんな中でも、夏休みの嫌いな宿題ナンバー1と言えば、読書感想文でございます。  読者自体が嫌いだというお子様もいれば、読書は好きだ

          どいつもこいつも by 網焼亭田楽

          虹がかかる日 by 吉田真澄

           電車と路線バスを乗り継いで、関電トンネル電気バスに乗った。  長くて薄暗いトンネルを駆動用モーターとリチウムイオンバッテリー4パックを搭載した電気バスはゆっくり進む。  車内は満席で、その目的地は観光放水が始まったばかりの黒部ダム。  80人ほどの観光客がバスから降り立ち、目の前の看板を見ている。右に行くと220段の階段を上って、最も高いところから黒部ダムを一望できるダム展望台に。左に行くと60段の階段を下りて、ダムのえん堤に直接出ることができる、と書いてある。水をせき止め

          虹がかかる日 by 吉田真澄

          怪談・人面魚 by 網焼亭田楽

          毎度バカバカしいお笑いでございます。 最近は何でもかんでも科学というもので判断してしまうような世の中になってまいりまして、特にAIが出て来てからというもの、この人工知能に頼り切りになってしまっているようでございます。 「おい、よたろう」 「何でございましょう、だんな様」 「おまえさん、最近変なものを見たって言うじゃないか」 「ああ、人面魚のことですか」 「何だい、そのジンメンギョって」 「だんな様は見たことないのですか。人の顔をした魚のことなんですけど」 「そんなバカな。ま

          怪談・人面魚 by 網焼亭田楽

          もうひとつの本能寺の変 by 神田南田

          本日は皆さまご存知『本能寺の変』に隠れてあまり知られておりませんが、『もうひとつの本能寺の変』のお話をお届けしたいと思います。 織田信長が不運の死を遂げたあの『本能寺の変』ではございませんでして、実は戦国時代にけなげに生き抜いた純情娘の話でございます。その名をお寺と申します。 お寺は、歳の頃なら18歳。性格はと言えば、戦国時代には珍しく天真爛漫で誰にでも物おじすることなく自分の思ったこと感じたことをそのままストレートに口に出してしまうという正直者。 それゆえ、お寺は本能のま

          もうひとつの本能寺の変 by 神田南田

          アラサーたちの午後 by 御美子

          とある会計事務所の休憩室。 仲良しアラサー3人組が、食後のお茶を飲みながら、お喋りに花を咲かせていた。 しっかり者の絵理と少し頼りない由香は学生時代からの付き合い。そして同僚の美菜だ。 「絵理、最近お肌の調子がいいみたいね。男でもできた?」 「まあ、そんなとこかな」 「聞き捨てならないわね。どこで知り合ったのよ。私にも紹介して」 「絵理の恋バナ? 聞きたい。聞きたい」 「マッチングアプリで知り合ったのよ。会計士に興味があるんですって、由香と美菜も登録すれば?」 「マッチング

          アラサーたちの午後 by 御美子

          ぼくの明日 by やぐちけいこ

          その言葉だけが記憶に残ってそれがいつの出来事で誰から言われたか全く覚えていない。 もしかしたら自分の妄想? 夢? ずっとずっと心の中に引っかかって抜けないのだ。 普段は忘れていても急にこの言葉が脳裏によぎってくる。 一度思い出してしまったらしばらくこの言葉に呪縛されたように頭から離れない。 そして今この時もこの言葉に縛られている自分がいる。 「また明日会いに来るから待っててね」 そう優しくも、悲しくもとれる感情がこちらに伝わってくる。 誰からの言葉だったろうか。何故自分は覚え

          ぼくの明日 by やぐちけいこ

          知らない隣人 by Miruba

          帰宅したばかりの私は、急いで靴を脱ぎ、夏日続きですっかり熱気のこもった寝室と居間のクーラーをつけて回り、それからようやく鍵をテーブルの上に置き、肩にかけていたバックを椅子の上に投げ置く。 「あっついな~汗ビショビショだ」そのまま脱衣場に行き洗濯網に今脱いだものを突っ込みそれを洗濯機に洗剤ボールと一緒に入れてスイッチを押す。 頭からシャワーを浴びて一日の汚れを流す。 部屋着に着替えて、冷蔵庫からビールを出してコップに注ぎ、一気に飲み干す。 「あ~~~美味しい! たまりませんね

          知らない隣人 by Miruba