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幻の銘茶のこと(七)政所のくらし

「お米もここ美味しいんよ」
近江米は有名ですが、山側で育つ竜王のお米は山からの水で育つので更に美味しいそうです。
「あっためたろか?」
「いえ、冷たいままで!」迷わず言いました。
美味しいお米は冷えた時にその味が出ます。
喜代美さんが朝炊いておひつに入れておいたというごはんを出してくださいました。

至福・・・

何気なくされている政所の生活が、なんだか地に足がついていてホッとして
そしてお洒落に見えます。

「金胡麻を乾かしてんねん」川上さんが栽培された無農薬の胡麻。
国産胡麻なんて、なんという贅沢でしょう。

川上さんの金胡麻

山の日暮れは早いです。
今日も美味しいお茶と自家製のお茶請けでなんとも贅沢なひとときを過ごさせていただきました。



お茶を淹れる 
東京に戻り、さっそく習った通りお茶を淹れてスタッフに振る舞います。
スタッフからは『美味しい~!!』という声がこぼれます。
でも、あれ?
美味しいです。充分に美味しいのですが、政所で得た感動とはまた違いました。
何故でしょう・・。

自家製おはぎとおしんこときんとん。煤竹の菓子きり


再び政所を訪れた日、川上にさんに伺いました。
川上家は標高が高めのため、水の沸点が低く、
また湧き水に硬水が少し入っているそうです。

きの花の煎茶は素人淹れでも美味しくいただけますが、
茶葉の量、水や淹れ方で味が変化します。
ご自身の味を見つけられてみるのも愉しみのひとつ。
至高の味をお求めの方は、きの花さんの湧き水とお点前でいただいてみてください。

煎茶道...深いです。

適正価格
川上家の農園は生産量が限られた農園です。
農地を広げたり量産したりできません。
昔ながらの農法で崖で足を踏ん張りながらお世話をされています。
川上家「きの花茶」の価値は下記の記事にある通りです。

日本は無料でお茶が出てくる文化です。
お茶の価値はいつの間にか評価されにくくなりました。

30g入りは約10回分。
川上さんの茶葉は押しが利くため、30杯は愉しめます。
1杯100円前後です。
ペットボトルのお茶と比較しても、
専門店でお茶をいただくことを考えても
高価格ではないと思います。

「わたしら、これできるんも、あと2年かなぁ」
ぽつりと呟かれます。
価値がきちんと評価されて、室町時代から続くこの茶樹を
川上さんのお茶を次世代に引き継ぎたいと思います。

30g(平番茶20g)入のパッケージです

たとう紙
地元の着物たとう紙を製作している職人さんにお願いしました。
着物を着る人も減少し、たとう紙で着物を保管される方も減りました。
京都の着物屋さんとの専属で製作されていましたが、自社で製作販売も手掛けられることになりました。
着物のたとう紙そのままをお茶袋サイズに、職人さんの手仕事です。
こちらも完全オリジナルでこの和紙も他所では使われていません。
再活用していただけるよう、あえてブランドロゴなど入れず無地のままです。
30g入り(平番茶20g)についております。

ギフトにもご活用いただけますと嬉しく思います。


先人への想いと共に、日本茶源流の味を心ゆくまでお愉しみいただけますと幸いです。


何気に気になる建具や黒漆喰、バイクなどなど…

お力添えいただけますと幸いです。