えなりかんな|本とフランスを愛するライター

Web・紙媒体でのライティング|人間や社会を考えるのがすき|フランスWH目指し中|Am…

えなりかんな|本とフランスを愛するライター

Web・紙媒体でのライティング|人間や社会を考えるのがすき|フランスWH目指し中|Amazonアソシエイト参加者|フランスに骨を埋めたい

マガジン

  • 46期マガジン

    • 85本

    宣伝会議 編集ライター養成講座46期の有志メンバーによるマガジンです。 【出題中のお題】 A. 自分だけかもしれないけど、どうしても気になること B. 人から聞いた、あの話 C.フリーテーマ 上記3つから1つ選んで投稿。

  • たくさん読んでいただいたnote

    積読紹介やデスクツアーにキャリア遍歴など、多くの方に読んでいただいた記事をまとめました!ありがとうございます!

  • 本のはなし

    わたしの書いた本に関するnoteをまとめています!感想やおすすめ本など

  • 「あなたの積読はどこから?」積読家インタビュー

    積読家の方々に、積読をテーマにインタビューしたものです。積読をするのはなぜか、積読本を読んでいない理由などをお聞きしています。

  • わたしが聞いたある人のお話

    これまでのインタビューをまとめたものです。

記事一覧

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ポートフォリオ│お仕事について(2024/3/11更新)

このページをご覧頂きありがとうございます! ライターのえなりかんなです。 ここではわたしの経歴や執筆実績をまとめています。お仕事のご相談・ご依頼はこちらよりお待…

人間であることの超越とダンディズムと

久しぶりに、ある人のことが頭から離れなくなった。 『ジャック・リゴー 遺稿集』(エディション・イレーヌ)を読んでから、彼のことばかり考えている。一旦は最初から最…

変態するインタビュー〜読書するわたしについて〜

☆はじめに/脱輪本を読む時のわたしになにが起こっているのかに興味があります。 それぞれがベストな状態で本を読むことは、なんらかの方法や実践的な工夫=“メソッド”…

アンチ・労働宣言

労働がきらいだ。この世で一番したくない行為のひとつである。 一方で、ものを書くのはたのしい。人の話を聞くのもおもしろい。 でも、楽しいことやおもしろいことと、労…

ノリと勢いで、なんとなく憧れていたタイプライターを買ってみた話

戦前くらいが舞台の映画を見てるとよく出てくるタイプライター。髪の毛をシニヨンにした当時のできる女性が使ってそうなイメージとか、改行の時にレバーを動かす仕様とか、…

何をしても運動が続かなかった20代ライターが、試行錯誤の末に見つけた運動方法を紹介します

わたしは今、フリーライターとして活動している。そして住んでいるのは四国の片田舎のド車社会。にもかかわらず、車はおろか免許すら持っていない。すると何が起きるかとい…

自堕落な「人間失格」女子が、どうにか得意を見つけ社会と繋がり、ライターとして独立するまでの7年の話

ライターの仕事をやりはじめて、3年が経つ。昨年からはフリーランスにもなって、スタートアップに関する記事を書いたり、いつかやってみたかった雑誌の仕事をしたり、経営…

【デスクツアー】20代フリーライター女子の執筆環境【2024年2月】

5月でフリーランスとなって1年。この1年間で、自分のPC周りのガジェットをいろいろと整えてきたので、少し紹介したい。 Acer スタンダードモニター 23.8インチ使っているP…

わたしの愛するマリーアントワネットが処刑されないためにはどうすればいいか、めちゃくちゃ真剣に考えてみた話

ある日、いつものようにXのタイムラインを眺めていたら、こんな投稿が目に入った。 この本自体は「長期主義」という、世界を数万年、数億年と長期的なスパンで見ようとす…

「積ん読」を晒そうと数えたら89冊あったので、いったん全て紹介します。

本を年間130冊ほど読むこと早数年。読むペースよりも面白そうな本が出るペースが早くて、どんどん積ん読が増えている。特に単行本の増え方が異常。 よく読むのは、歴史、…

戦争をきっかけにフランス語を学びはじめ、悪戦苦闘した2年間の記録

フランス語の勉強を本格的にはじめてから、もうすぐ2年が経つ。 大学で少しだけかじったものの、ほぼすべて忘れていたフランス語をまたやろうと思ったきっかけは、ロシア…

太宰治『駈込み訴え』全文にツッコミをいれてみた

以下、本文は青空文庫によるものである。 冒頭から恨み強すぎてこわい。何があったの。 「落ちついて申し上げます」なのに、全然落ち着いてる感のない発言。ズタズタに切…

キーボード初心者のライター女子が、『銃・病原菌・鉄』を読んでキーボード配列を変えたら大変なことになった話

昨年末に読んでいた、ジャレド・ダイアモンド『銃・病原菌・鉄』に、こんなことが書かれていた。「現在一般的に使われているQWERTY配列は、早く打てないように作られている…

ジャック・ラカンの入門書を読んだら、わかりやすすぎてびっくりした話

先月、ジャック・ラカンの本を読んだ。詳しくは下記のnoteに書いたが、まあこれが意味不明だった。わたしはそれまで精神分析に触れたことはなく、門外漢も門外漢だった。な…

2023年に読んだ133冊から、特に面白いor印象的だった本をいくつか紹介させてください

今年もたくさん読みました。今年読んだ本は133冊(12月26日時点)。そのなかから「これは!!」という気づきがあった本や、とりわけ印象に残っている本を選びました。気軽…

戦前の日本では、今以上にクリスマスを楽しんでいた。クリスマスの本を読んで分かった意外な歴史

やばい。どうしよう。なんもない。 まさかのアドベントカレンダーのトリを務めることになったにもかかわらず、記憶を遡っても遡ってもよさげなエピソードが出てこないこと…

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ポートフォリオ│お仕事について(2024/3/11更新)

このページをご覧頂きありがとうございます! ライターのえなりかんなです。 ここではわたしの経歴や執筆実績をまとめています。お仕事のご相談・ご依頼はこちらよりお待ちしております。 プロフィール経歴 これまでの歩みについて、こちらに詳しくまとめています。 趣味・興味 読書(2023年は133冊。歴史・哲学など人文系の書籍や文学から進化生物学など中心に幅広く読んでいます) フランス スタートアップ/ベンチャー 前職がベンチャー企業だったこともあり、スタートアップやベ

人間であることの超越とダンディズムと

久しぶりに、ある人のことが頭から離れなくなった。 『ジャック・リゴー 遺稿集』(エディション・イレーヌ)を読んでから、彼のことばかり考えている。一旦は最初から最後まで目を通したので、本棚にしまってもいいのにしまえない。 ここで目を通したと書いたのは、濃すぎてきっと全然理解できていないので、読んだと言えない気がしたからだ。これはどの本でも多かれ少なかれそうなのだけれど、本書においては特にそう感じた。 全然読めていないし、そうでなくとも、リゴーのテキストと離れるのが嫌で本棚

変態するインタビュー〜読書するわたしについて〜

☆はじめに/脱輪本を読む時のわたしになにが起こっているのかに興味があります。 それぞれがベストな状態で本を読むことは、なんらかの方法や実践的な工夫=“メソッド”を身につけることに加え、自分にとって最も心地のいい「本を読む時のわたし」の状態を作り出すための心身の調律法=“コンディショニング”をよく心得ていて、初めて可能になるように思われるからです。 ところが、一般的な読書術の本では前者について扱われることが多く、後者の視点の重要性が見落とされがちになってしまっているような気

アンチ・労働宣言

労働がきらいだ。この世で一番したくない行為のひとつである。 一方で、ものを書くのはたのしい。人の話を聞くのもおもしろい。 でも、楽しいことやおもしろいことと、労働をしたくないことは両立する。楽しいのも面白いのも無意識下に「労働のわりに」という枕詞があり、純度100%のものではないからだ。 そもそも、労働には義務性が伴う。依頼を受けたらやらなくてはないけないし、締切もある。それになんといっても、生きるのにはお金が必要で、お金を稼ぐ手段として資産のない一般庶民には労働くらい

ノリと勢いで、なんとなく憧れていたタイプライターを買ってみた話

戦前くらいが舞台の映画を見てるとよく出てくるタイプライター。髪の毛をシニヨンにした当時のできる女性が使ってそうなイメージとか、改行の時にレバーを動かす仕様とか、そもそもの機械のレトロさとか、なんとなくかっこよくておしゃれだなあとずっと思っていた。 でも特に買うには至っていなかった、タイプライターを買う最初のきっかけは、母親が見ていた50年くらい前のドラマだった。 そのドラマにタイプライターが出てきたことからタイプライターの話になり、なんとなく「そういえばあれ一回は使ってみ

何をしても運動が続かなかった20代ライターが、試行錯誤の末に見つけた運動方法を紹介します

わたしは今、フリーライターとして活動している。そして住んでいるのは四国の片田舎のド車社会。にもかかわらず、車はおろか免許すら持っていない。すると何が起きるかというと、家に篭りきりで、まったく体を動かさなくなる。なので昨年夏に越してきて以降「運動しなきゃなあ」とは思っていた。太るし。太るのが一番の問題だ。 ただ、わたしはとにかく運動が嫌いだ。 どのくらい嫌いかというと、「そもそも1日30分運動のためだけに時間を使ったとして、それにより一体何年健康寿命が伸びればプラスになるん

自堕落な「人間失格」女子が、どうにか得意を見つけ社会と繋がり、ライターとして独立するまでの7年の話

ライターの仕事をやりはじめて、3年が経つ。昨年からはフリーランスにもなって、スタートアップに関する記事を書いたり、いつかやってみたかった雑誌の仕事をしたり、経営者の発信サポートに関わらせてもらうことになったり、とても楽しく仕事ができている。 仕事内容だけじゃなくて、働き方も最高。仕事をする場所も、時間も、相手も自分で決められるのは快適で仕方がない。決めるのもやるのも責任取るのも自分。単純明快だし一人は楽だし、本当に自分に合ってる。自由が大好きで、社内政治とか根回しも多分嫌い

【デスクツアー】20代フリーライター女子の執筆環境【2024年2月】

5月でフリーランスとなって1年。この1年間で、自分のPC周りのガジェットをいろいろと整えてきたので、少し紹介したい。 Acer スタンダードモニター 23.8インチ使っているPCはM2チップ搭載の13インチMacBookAir。昨年の10月頃に買い替えたばかり。以前はMacBook Proを使っていたので、もしかしたら使いにくいかなとの不安も5%くらいあったけど、すごくサクサク動くし、結果的にめちゃくちゃよかった。 これだけだと当たり前に画面が足りなくて効率が悪いので、こ

わたしの愛するマリーアントワネットが処刑されないためにはどうすればいいか、めちゃくちゃ真剣に考えてみた話

ある日、いつものようにXのタイムラインを眺めていたら、こんな投稿が目に入った。 この本自体は「長期主義」という、世界を数万年、数億年と長期的なスパンで見ようとする思想に関する本、らしい。 この本の主題にも興味を惹かれたが(しっかりほしいものリスト入りしている)、それ以上に気になったのが「これまでに生まれてきた全員の人生を生きるとしたら」という発想だ。 この本にも書かれている通りごく一部でしかないにしても、教科書や歴史書に出てくるような歴史上の人物になれる。しかも本人にも

「積ん読」を晒そうと数えたら89冊あったので、いったん全て紹介します。

本を年間130冊ほど読むこと早数年。読むペースよりも面白そうな本が出るペースが早くて、どんどん積ん読が増えている。特に単行本の増え方が異常。 よく読むのは、歴史、社会学、哲学、社会思想あたりの本と、海外文学、ミステリ。あと心理学や認知科学、進化論の話とかもすき。 わたしにとって本とは、小説や文学は非日常を味わせてくれる人生のスパイスだし、学術書や実用書はわたしのちっぽけな脳にはとても詰め込めきれない知を補完してくれる外部装置でもあり、新たな世界へのチケットだ。 本格的に

戦争をきっかけにフランス語を学びはじめ、悪戦苦闘した2年間の記録

フランス語の勉強を本格的にはじめてから、もうすぐ2年が経つ。 大学で少しだけかじったものの、ほぼすべて忘れていたフランス語をまたやろうと思ったきっかけは、ロシアのウクライナ侵攻だった。 あの戦争が起きた時、今のこの時代にロシアがど正面から侵略戦争をはじめたことが衝撃的すぎて、そしてなぜかめちゃくちゃ焦った。世界がいつまでもこの比較的安定している(とわたしは感じていた)状態にないことだったり、核のことだったりを強く意識して、明日は我が身というか、一気に大戦争になる可能性がゼ

太宰治『駈込み訴え』全文にツッコミをいれてみた

以下、本文は青空文庫によるものである。 冒頭から恨み強すぎてこわい。何があったの。 「落ちついて申し上げます」なのに、全然落ち着いてる感のない発言。ズタズタに切れはやばい。 師なのに殺してもらおうとするなよ。 これが本当だとしたら相手もなかなかやばかった。ていうかそんなに嫌ならまず距離置こう! 誰かにペコペコ頭を下げないと生きられない社会っていやですよねえ。だる。 「痴」を「こけ」と読むこと、多分これではじめて知った。ていうかキリスト教の話!楽しい!そして天国は馬

キーボード初心者のライター女子が、『銃・病原菌・鉄』を読んでキーボード配列を変えたら大変なことになった話

昨年末に読んでいた、ジャレド・ダイアモンド『銃・病原菌・鉄』に、こんなことが書かれていた。「現在一般的に使われているQWERTY配列は、早く打てないように作られている」らしいのだ。QWERTY配列でないキーボードを使うと、文字を打つスピードが2倍になった人もいるとの記述もあった。 ライターというキーボードを打ちまくる仕事をしているものとしては、気になりすぎる話である。文字打つスピードが2倍になったら、執筆以外の工程もあるので2倍とまではいかなくとも、収入か可処分時間が増える

ジャック・ラカンの入門書を読んだら、わかりやすすぎてびっくりした話

先月、ジャック・ラカンの本を読んだ。詳しくは下記のnoteに書いたが、まあこれが意味不明だった。わたしはそれまで精神分析に触れたことはなく、門外漢も門外漢だった。なので知識不足なのもあっただろう。でもなんというか、日本語として「???」という感じで全然何を言っているのか分からなかった。 そして「いつかこの人の書いたものを理解したい」と思っていたところ、ラカン入門書である『疾風怒濤精神分析入門』が『ゼロから始めるジャック・ラカン』とタイトルを変えて文庫化されていると知り、読ん

2023年に読んだ133冊から、特に面白いor印象的だった本をいくつか紹介させてください

今年もたくさん読みました。今年読んだ本は133冊(12月26日時点)。そのなかから「これは!!」という気づきがあった本や、とりわけ印象に残っている本を選びました。気軽に読めるものも気軽と対極にあるものもありますが、どれもすっっっっごく面白かったので、ご興味のあるものがあればぜひ読んでみてください。 千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の小説家になった話(済東鉄腸/左右社)まずこれは外せなすぎる。めちゃくちゃ面白かったし、この本

戦前の日本では、今以上にクリスマスを楽しんでいた。クリスマスの本を読んで分かった意外な歴史

やばい。どうしよう。なんもない。 まさかのアドベントカレンダーのトリを務めることになったにもかかわらず、記憶を遡っても遡ってもよさげなエピソードが出てこないことに、わたしは焦り散らかしていた。 まじで特筆すべきことがなにもない。強いて言うなら、忘れもしない2013年12月18日、クリスマスコンサートに出演予定だった当時の推しが別の仕事の都合で来なくて、見る人もいないし団扇を見せる人もいない虚無の約2時間を過ごしたことくらいだ。虚無すぎたせいか、内容も前後のこともほぼ覚えて