- 運営しているクリエイター
記事一覧
ノンクリティカル・ノンビジネス・パラダイムの医療界
今日は、先月開催されていた日本医学放射線学会総会の内容を踏まえてのお話です。
こないだ放射線科医アカウントの雄@economics_dr先生が、学会の特別企画の内容について激おこされてたんですね。
(↑この後、スレッド続いてます)
ご存知の通り、働き方改革は江草としても関心の高いトピックですから、この放射線学会公式による働き方改革のセッション企画は気にはなっていたんです。ただ、配信が開放され
真の「不労所得」を得ているのは誰か
医師の働き方改革が始まったものの、病院当局による斜め上すぎる発想の改革の実態が露わになって来ています。
江草の観測範囲では、特に先日出たこの報道に対する反響が大きかったですね。
医師の位置情報を常に追跡し、医局(※病院内にある医師たち専用のスタッフルームみたいなもの)に戻った瞬間に休憩時間扱いにすることで、働き方改革の労働時間規制を免れようとするなかなかに斬新な発想です。
これに対し、医師ア
新薬の費用対効果の議論で見落とされやすいこと
認知症の新薬の「レカネマブ」が保険収載されることが決定されました。
高額な薬で、年約300万円に及ぶ薬価に注目が集まっています。
患者自身の自己負担は高額療養費制度で抑えられるものの、その残りは健康保険側が負担することになります。ただでさえ医療費抑制の声が高まってる中で「高すぎる」という批判がやはり多々生じているようです。
一方で、他にも同様に高額ではあるが有効な薬があることや、介護費用や介
『白い巨塔が真っ黒だった件』読んだよ
大塚篤司『白い巨塔が真っ黒だった件』読みました。
「SNS医療のカタチ」というSNSでの医療情報発信活動にも精力的に参画していることで知られる皮膚科医の大塚篤司先生によるフィクション作品です(他の方と違ってどうしても医師の方の名前には「先生」と付けてしまいたくなるのは職業病なのでお許しを)。
大塚先生はつい最近の2021年に近畿大学医学部皮膚科学教室の主任教授に就任されたのですが、実際に教授に
「効果があるから」だけではただちに「やるべき」とは言えない
地域枠関連の記事を読んでため息をついています。
地域枠制度はより一層推進されていくことが既定路線のようです。
読んでて色々と文句はあるものの一番気持ち悪いのは「地域枠は地元定着率が高いというデータがあるから」としてさらなる推進の根拠とする雰囲気です。
当然ながら何事も「効果があるから」だけでは「やるべき」とは言えません。
とある薬に全生存期間を伸ばす効果があったからといって、それだけでただ