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現場か本場に行け


2023年9月2日(土)朝の6:00になりました。

二日酔いでも、6:00は6:00です。

どうも、高倉大希です。




擬似体験が、簡単にできる時代になりました。


ジムに行けば、ランニングの擬似体験ができます。

動物園に行けば、サバンナの疑似体験ができます。


スマホをタップすれば、映画鑑賞の疑似体験ができます。

VRゴーグルをつければ、宇宙旅行の疑似体験ができます。


本当にこのごろ、リファレンスがなければものごとが進まない。企画が進まない。プロジェクトが進まないことは右肩上がりに増えている気がする。

ほぼ日の學校「亀田誠治さんは、『チーム』をどう考えているか。」より


表現から、表現する時代になりました。


引用をもとに、自身の論を展開します。

パロディやオマージュを用いて、出典の色を活かします。


だれかが書いた文章を読んで、感銘を受けます。

会ったこともない人に、共感を覚えます。


かなり稀ではありますが、単純な関係性を理解するだけで、すべてを「わかった!」と感じることができるような発見があるのです。それは、科学者にとって一番楽しい瞬間であり、セーラー服の薬師丸ひろ子が機関銃を撃ちまくるような“カイカン”を科学者にもたらしてくれます。

近藤滋(2019)「波紋と螺旋とフィナボッチ」株式会社KADOKAWA


目の前に、一次情報があるはずなのに。

ふだんの生活に、発見があるはずなのに。


触れてみないと、わからないことがあるはずなのに。

続けてみないと、わからないことがあるはずなのに。


一切見向きもすることなく、疑似体験を求めます。

それで体験した気になって、満足してしまうのです。


専門家は、専門に詳しくなればなるほど、自分たちがやっていることの前提を疑わなくなる。だから逆に、いいアイデアが出にくくなってしまう。それが人間やろ。

かさはらあつし(2023)「ピーナッツ一粒ですべてを変える」集英社


事件は、会議室で起こっているのではありません。

現場で起こっています。


模倣は、どこまでいっても模倣です。

実物は、本場にしかありません。


自分の決断がほんとうは直感、つまり胸の奥底で望んでいるものから来ている場合、わたしたちはときに、その決断が合理的に見えるように仕立てたくなるということだ。

ダン・アリエリー(2013)「予想どおりに不合理」早川書房


現場か本場に行け。

残された時間は、驚くほどに短いのです。

短いからこそ、疑似体験に時間を割いている場合ではありません。






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