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都合がよいことを長所と呼ぶ


2024年4月28日(日)朝の6:00になりました。

自己のものにあらざる長所を、自慢するなかれ。

どうも、高倉大希です。




落ち着きがないということは、言い換えれば行動力があるということだ。

引っ込み思案だということは、言い換えれば慎重に考えられるということだ。


学生時代にこのような話を聞いて、妙な気持ちのわるさを感じた記憶があります。

小手先だけでどうにかしようとしているなと、そう思ってしまったからです。


もちろん、言わんとしていることはわかっているつもりです。

ものは言いようだからこそ、少しでもポジティブに捉えようというわけです。


人間はやっぱり、自分のやったことをほめてくれたりよろこんでくれたりする人がいないと、木には登らないと思うんです。ですから、高校時代に彼と出会ったことは、わたしの人生にすごくいい影響を与えていると思いますね。

ほぼ日刊イトイ新聞(2019)「岩田さん 岩田聡はこんなことを話していた」ほぼ日


これまでに何度か、面接形式での試験を受けたことがあります。

そこで必ず聞かれるのが、「あなたの長所と短所は何ですか?」という問いです。


この問いに、いつも困っていました。

前述のとおり、ものは言いようだからです。


その場において都合のよいことを、わたしたちは長所と呼びます。

その場において都合のわるいことを、わたしたちは短所と呼びます。


ちゃんと考えて話すというのは、“相手の言っていることから、その奥に潜む想いを想像して話す”ということでもあります。そしてそれは、学校的知性ではなく社会的知性がもたらすものなのです。

安達裕哉(2023)「頭のいい人が話す前に考えていること」ダイヤモンド社


「あなたの長所と短所は何ですか?」

この問いはきっと、「この場の都合を加味できますか?」という意味です。


自分のことを、思うがままに喋ればよいわけではありません。

この場で求められていることとの親和性を、推し測られているわけです。


長所も短所も、自分だけに紐づくものではありません。

その場の都合に応じて、見た目を変えてゆくものです。


自分たちは、なにが得意なのか。自分たちは、なにが苦手なのか。それをちゃんとわかって、自分たちの得意なことが活きるように、苦手なことが表面化しないような方向へ組織を導くのが経営だと思います。

ほぼ日刊イトイ新聞(2019)「岩田さん 岩田聡はこんなことを話していた」ほぼ日


人の能力なんて、それほど変わらないのかもしれない。

最近は、こう思うようになってきました。


そこに差があるのなら、大抵の要因は思い込みです。

長所はこれで短所はこれだと、勝手に決めつけてしまっています。


繰り返しになりますが、その時々の都合によって長所も短所も簡単に変わります。

大切なのは、自分がどんな都合に身を置いているのかを自覚しておくことです。






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