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障がいがあってもなくてもみんながオンラインの場を楽しむための工夫に関するマニュアル

みなさん、こんばんは。「株式会社ここにある」という場づくりやコミュニティデザインに関する事業を行う小さな会社を経営している藤本遼と申します。

当方が関わっている仕事・活動の中で「ミーツ・ザ・福祉」という障がいがあってもなくても楽しめるフェスの企画運営があります。今年も秋の開催を予定している(毎年11月に開催している)のですが、この状況なのでどうなるかわかりません。ですので、現在はオンラインでのいろいろな可能性を探っている最中です。なにか新しいこともできそうだなあと思う一方で、やはりかなりハードルもあるのではないかと感じてもいます。

ですので、今回、障がいがあってもなくてもオンラインの場を楽しく過ごすための工夫や要点について簡単にまとめてみましたので、関心のある方はご覧いただければと思います。今後、どんどんと改良をしていく予定です(現在のものは2020年5月4日作成時点)。

◯前提・背景
新型コロナウイルスの影響を受けて外出が制限されている中で、ますますオンラインでのコミュニケーションの機会が増えています。もちろん、家から参加できる、地理的制限を無視してどこからでも参加できるということについては、メリットもあります。しかし、障がいのある方にとっては、参加のハードルが上がる場合も大いにあるので、その点については場をつくる側は一定のリテラシーを持っておく必要もあります。

これまでオフラインの場にも、障がいのある方にとっては多くの参加障壁がありました。その状態でそのままオンラインに移行すると、よりその障壁が強化されたり、分断が起こったりしてしまうことが推測されます(すでに起こっているだろうとも思います)。

しかし、今回のこの機会を変化のタイミングと捉えて、場をつくる側(あるいは参加するみんな)の理解や工夫を促せるチャンスにしていくことができれば素敵なことです。ぜひ、みなさんと一緒によりよい場づくりについて考えていけるとうれしく思います(ぼくも全然まだまだなので)。

◯どんな工夫ができる?
《目の不自由な方》

・ツールの最初の設定や登録に時間がかかるかもしれません。身近に登録の方法を知っている方がいれば、ご協力いただけるとよいかもしれません。
・視覚的に一覧で見えないので、その場に何名の人が参加しているかを把握することが難しい場合があります。ですので、主催者の方は口頭で何名参加しているか(あるいは何名参加する予定か)を伝えてください。あるいは、チャット上に参加者の数を書き込んでもよいかもしれません。
・ミュート設定やカメラオフにすることも慣れるまで時間がかかるかもしれません。主催者側や運営側で操作のサポートができればよいかと思います(ZOOMであれば共同ホスト設定にすれば可能です)。
・カメラと自分の距離感や写り方が難しいので、その点についても声かけができる(もう少しカメラの方向を左に、など)とよいかもしれません。
・相手の反応がわかりづらいことがあります。人数が多くてミュートになっていればチャットでリアクションをする、少人数であればリアクションを口頭で伝えるなどすれば安心できます。
・チャットを音声変換して聞き取っている場合もあります。ですので実際に話されている言葉と、その音声変換の声が交錯することがあります。その際は、繰り返すなどして理解できるように心がけてください。

《耳の不自由な方》
・だれが話しているのかわからないことがあるので、話す前には画面に向かって大きく手を振ったり、◯◯が話します!と前置きしたりしてから発言を行いましょう。
・手話通訳をつけることができれば良いですが、難しい場合はテキストの補助(要約筆記的なはたらき)をつけて、チャット上で話されている内容の要約ができるとよいかと思います。あるいは、UDトークというアプリを使って字幕表示をしてもいいかもしれません。また、ZOOM自体にも字幕機能がありますので、うまく活用ができればと思います。
・グループに分かれて話をする場合についても、そのグループの中での聞き役(話し手以外の人)がテキスト化のサポートができればよいかと思います。

《体の不自由な方》
・手を振ったり、挙手をしたりするのが難しい方がいらっしゃいます。アイコンタクト、ないしは反応ボタン(リアクションボタン)で、様子や気持ちをお聞きするようにしてください。

《全体》
・一人ずつ話すことを心がけましょう。手を挙げて、あるいは手を振って、名前を伝えてから発言すれば、だれにとってもわかりやすくなります。
・イベントやミーティングの運営側で対応できること/運営側で意識している工夫などについては、事前の告知段階で開示しておきましょう。そうすることでなんらかの特別なニーズがあっても、その場に参加しやすくなります。事前のアナウンスをより丁寧にできれば、安心して参加することができます。
・なにか困ったことがあったら、いつでも気軽に発言/チャットでコメントできるような場づくりを心がけてください。会がはじまった直後のアナウンスや場のグランドルールの提示がポイントです。テクノロジーや技術だけではなく、場をつくる側(あるいは場をつくっているみんな)の工夫や気づかいで、そこにいるみんなが心地よく過ごすことができます。

みなさんと一緒に工夫と実践をしながら知見を蓄えていけるといいなと思っています。参考になるところがあれば、ぜひご自由に使ってください。

▷資料(Googleドキュメント:加筆可能)
https://docs.google.com/document/d/1HuZNc2wT7of68CPihkNf8gpU01Z0GLOSJirc_A3IFPs/edit

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