#エッセイ
「歴史家達の闘い」についての雑感
最近、主に歴史学周辺で「知識がない人の自由な発想」の問題が大きな論議を引き起こしているようである。一躍ベストセラーとなった『応仁の乱』(中公新書、2016年)をはじめ、多くの専門的な啓蒙書を上梓している気鋭の日本中世史研究者の呉座勇一氏(国際日本文化研究センター助教)は、百田尚樹氏や井沢元彦氏、或いは久野潤氏や八幡和郎氏といった、歴史学者ではないが歴史についての通俗書を執筆している著述家達と日夜
もっとみる「ジェンダー」は何故「セックス」へと舞い戻るのか−猥語と身体
中央アジア、トルクメニスタンはアハル州にあるダルヴァザという村には、「地獄の門」というクレーターがある。1971年に地質学者がボーリング調査をした際、偶然にも天然ガスに満ちた空洞にぶち当たってしまい、採掘現場諸共奈落の底に落ちる落盤事故が起き、直径50mから100mに至る巨大な穴が空いてしまった。有毒ガスの流出を防ぐために火を灯すことになったが、地下から滔々と溢れ出る可燃性ガスのために以来
催眠術と〈メタコミュニケーション〉の時代
いつの事だっただろうか、飲み屋か何かで催眠術師にたまたまお会いしたことがある。催眠術を修得しているという人物に会うのは初めてだったので、色々と興味深く話を聞いたものである。彼は、とある別の人の私的なセミナーのような会合に出て、催眠術の技法を授けてもらったのだと言う。催眠術というのはそうやって秘かに伝承されているものなのかなどと感慨を抱いたものである。
そうして話が盛り上がる内に、実演してみよう