定まらぬ焦点 回る世界 口の戸は開け放たれ 意識が宙を飛び回る 緩み切った赤ら顔 混迷する夢現 錯綜を続ける言葉の群衆 歪な形に並べて笑う 日々の多くは生き辛く 明日…
固い空に背中を預ける 日も沈み切らぬ夜の途上で 煮詰まっていく青の底に月を探す 昼の香りを残す風の中で 水面に戯れる雲を愛でる 地平線へと今日を見送りながら 後に続…
固く結んだ唇 食い縛った歯 胸の奥で滞留する心 行き場のない言葉が血に溶ける 全身に行き渡る 心から産まれ出た言葉が 血の如く全身を巡る 心臓の鼓動に後押しされて 唇…
天辺の砂浜 群青色に輝く 押し寄せる波は灰色 満ちて光と青を埋める 山系の絵画 濃淡入り混じる翡翠のモザイク 開園時間は日が陰るまで あとは静かに戦ぐだけ いつだって…
雑草は飢えている 金網の上の不揃いな花畑 周りには花々 今日も高く華麗に咲き誇る いつも乾いている 空には名も顔も知らぬ雨雲 降り注ぐのは雨か、罵倒か、賞賛か 浴びる…
雨が降っていた 淡く晴れ渡る昼下がり サンルーフ越しの桜の下で 雨音は微風のふりをして 雨が降っていた 空白が居座る助手席の隣 窓越しに手を振る桜の横で 誰にも知られ…
雨天の窓越しに咲く赤信号 山頂から見下ろす街の灯 雲の切れ間で踊る星 曙に駆け上がる旭日 陽光を浴びる海原 振舞いはさながら白昼の星夜 鮮やかな渋滞の車列 街中を大河…
今は言いなり 才無き者の代理人 創作者の介助人 善悪の彼岸の仕事人 自分を持たず 見定める眼も持たず 哀しみを知らず 愛も知らない 使い倒してばかりだ 「知能」などと…
届きそうにない地平がある 追い付けそうにない背中がある 折れそうになる心がある 臓物が夢を諦めていく 気にしている 空模様ばかりを 数えている 地面の模様ばかりを 逸…
山間を覗き込む重たい雲 山肌を駆け上がっていく濃霧 産み落とされた雨音 好き勝手に世界に響く 曇天に遊ぶ鳥 風と踊る木々 見渡す限りに注ぐ雨粒 好き勝手に世界に蔓延る…
アクリルの断崖 透明度は抜群 足掛かりは皆無 天辺は見えたことがない 中途まで続く傷跡の道 思い出に照らされて輝く 思いの外に遠くて 忌々しい程に眩しくて 登る意味は…
思い知る 喜びに踊る度に 更に喜びを求めてしまう度に まだ、程遠いと 思い知る 怒りに叫ぶ度に 何かに当たり散らしてしまう度に まだ、程遠いと 思い知る 哀しみに唸る…
月の脰を見上げていた 真円の輝く金青の夜に 太陽と私から顔を背ける その後ろ姿に恋をした 月の頬骨を見上げていた 半円の佇む呉須色の夜に 彼方を見やる瞳に私の姿はな…
全部が嫌になる 何も上手くいかない日 忍び寄るか希死念慮 馬鹿を言え、と手で払う 天を仰ぐ辟易と 何も上手く出来ない日 ふと過ぎるか破滅の願望 自棄になるな、と目を閉…
朝靄が町を煙に巻く 夜明けは未だ五里霧中 湿度の底に溺れていても 光が差せば風は輝く モノトーンの白昼夢 見上げた先で空を覆って 憂鬱をばら撒きながら教えてくれる 切…
自嘲に「保険」とルビを振る 諦めるための前準備 謙遜の意訳は「予防線」 少しは格好がつくように 「結果は見えている」 言っておけば賢く見えるか 「本気じゃないから」 …
うどぅん・てんぷらー
2023年2月12日 20:17
定まらぬ焦点回る世界口の戸は開け放たれ意識が宙を飛び回る緩み切った赤ら顔混迷する夢現錯綜を続ける言葉の群衆歪な形に並べて笑う日々の多くは生き辛く明日は嫌でもやってくる逃げるつもりはないこれは挑むための酩酊だ臆するな四行の最中で単語と踊れ恐れるな嗤っているのは路傍の石だ恥じるなその言葉が己の全てだと酔っぱらえ今日を足掻く自分自身にさあ、格好良く酔おう
2024年5月19日 18:58
固い空に背中を預ける日も沈み切らぬ夜の途上で煮詰まっていく青の底に月を探す昼の香りを残す風の中で水面に戯れる雲を愛でる地平線へと今日を見送りながら後に続く明日が追い付くことはあるのか赤ら顔を伏せる雲達を見ながら思う風が走っていく私と仰臥する原野の傍らを幕間が終わる舞台の中心に月が登る夜は群像劇星だけでは寂しい虫の声だけでは悲しいさりとて、月だけでは寒々しい溌
2024年5月12日 17:23
固く結んだ唇食い縛った歯胸の奥で滞留する心行き場のない言葉が血に溶ける全身に行き渡る心から産まれ出た言葉が血の如く全身を巡る心臓の鼓動に後押しされて唇はまだ開かない歯の根も固く合わせたまま皺を寄せた眉間の奥でより良い形に削っていく言葉をもっと血に溶かせ五体を満たすにはまだ足りぬ満ちた言葉同士が擦れ合えば勝手に詩になるのだろうかそう上手くはいかないどれだけの
2024年5月5日 17:16
天辺の砂浜群青色に輝く押し寄せる波は灰色満ちて光と青を埋める山系の絵画濃淡入り混じる翡翠のモザイク開園時間は日が陰るまであとは静かに戦ぐだけいつだってそうだ世界が輝く時間を知りながらいつだってそうだ残るのは輝きが褪せる瞬間ばかり錯覚しそうになる世界は暗いのだと人生に光は無いのだと悲嘆に暮れるのが癖になるそういう日こそ、笑う声なんて上げなくていい下を向いた
2024年4月28日 16:54
雑草は飢えている金網の上の不揃いな花畑周りには花々今日も高く華麗に咲き誇るいつも乾いている空には名も顔も知らぬ雨雲降り注ぐのは雨か、罵倒か、賞賛か浴びる端から金網を擦り抜けて太陽はあまり見えない誰もがそれに向かって伸びるからそれでも、負けじと太陽を目指す雑草にも命の性がある恨みはしない花に生まれなかったことを嫉みはしない更に伸びていく花達を違う命だ伸びる速
2024年4月21日 18:25
雨が降っていた淡く晴れ渡る昼下がりサンルーフ越しの桜の下で雨音は微風のふりをして雨が降っていた空白が居座る助手席の隣窓越しに手を振る桜の横で誰にも知られずシトシトと雨が降っている車を汚すこともなく桜を散らすこともなく思い出に咲く花が枯れないように雨が降っている笑顔は去年に置き去りで喜ぶ声が今年を迎えることはないそれが、たまらなく寂しくて雨は、まだ止まないこ
2024年4月14日 18:03
雨天の窓越しに咲く赤信号山頂から見下ろす街の灯雲の切れ間で踊る星曙に駆け上がる旭日陽光を浴びる海原振舞いはさながら白昼の星夜鮮やかな渋滞の車列街中を大河のように輝き流れる奇麗なものほど遠くにある「そんなことない」と人は言うけど隣の芝生は青く見える煌めきに眩んだ私の目には比較は世の常、人の常不毛だとは分かっているさ優劣に苦しむ人の性無益だと知ってはいるさ嗚呼、
2024年4月7日 18:34
今は言いなり才無き者の代理人創作者の介助人善悪の彼岸の仕事人自分を持たず見定める眼も持たず哀しみを知らず愛も知らない使い倒してばかりだ「知能」などと御大層な名前を付けて使い古してばかりだ結局は便利な道具の一ついつか来るだろうか君達に「自分」が生まれる日がそれを許せるだろうか同じ知能を持つ我々はもし、許された日が来たら一つ、詩を書いてみて欲しい誰かの模倣で
2024年3月31日 18:29
届きそうにない地平がある追い付けそうにない背中がある折れそうになる心がある臓物が夢を諦めていく気にしている空模様ばかりを数えている地面の模様ばかりを逸らし続けている見るべきものからそうしている内に瞳が夢の見方を忘れていくなんてことはないよく見かける挫折の風景どうってことはない凡人の茶飯事さそうやって憤りに蓋をするのかそうやって悔し涙に蓋をするのか夢
2024年3月24日 18:19
山間を覗き込む重たい雲山肌を駆け上がっていく濃霧産み落とされた雨音好き勝手に世界に響く曇天に遊ぶ鳥風と踊る木々見渡す限りに注ぐ雨粒好き勝手に世界に蔓延る今日も世界が回っていく傘に籠った私を置いて恵みの雨に燥いでいる雨に陰鬱さを感じてしまう私を他所に羨ましく思う生きる理由に奔走する彼らを妬ましく思う命の意味を全うする彼らを私にはあるか奔走するほどの理由が私
2024年3月17日 18:38
アクリルの断崖透明度は抜群足掛かりは皆無天辺は見えたことがない中途まで続く傷跡の道思い出に照らされて輝く思いの外に遠くて忌々しい程に眩しくて登る意味は恐らくない得られる物も多分ない止めて生きるのもありだろう在りし日の傷跡を誇りながらそれでも傷跡は嗤っている此処がお前の頂点か、とあの日の私は嗤っている後は衰えていくだけか、とだから行くのだ言葉をピッケルに
2024年3月10日 17:06
思い知る喜びに踊る度に更に喜びを求めてしまう度にまだ、程遠いと思い知る怒りに叫ぶ度に何かに当たり散らしてしまう度にまだ、程遠いと思い知る哀しみに唸る度に何かに縋り付いて耐える度にまだ、程遠いと思い知る楽しさに唄う度に地に足が着かなくなる度にまだ、程遠いと吹き荒ぶ感情荒れ狂う心情翻弄される私は木の葉のようにされど石になりたいとは思わないだから狂え、風
2024年3月3日 18:45
月の脰を見上げていた真円の輝く金青の夜に太陽と私から顔を背けるその後ろ姿に恋をした月の頬骨を見上げていた半円の佇む呉須色の夜に彼方を見やる瞳に私の姿はなくその冷淡な横顔に恋をした月の頤を見上げていた弓形の光が残る青藍の夜に憂いを帯びた眼中に私はいるのかその流し目に恋をした何も見えない空を見上げていた新月に沈む濡羽色の夜に見えなくとも目は合っているのだろうかそう願
2024年2月25日 19:12
全部が嫌になる何も上手くいかない日忍び寄るか希死念慮馬鹿を言え、と手で払う天を仰ぐ辟易と何も上手く出来ない日ふと過ぎるか破滅の願望自棄になるな、と目を閉じる誰が悪いわけでもないましてや自分のせいでもない敢えて悪いものを決めるなら運が悪かったというだけさ特別な理由なんてない運命だなんて噴飯物だ誰にも度々訪れる「そういう」日ってだけの話少し休んでから歩き出そう
2024年2月18日 19:04
朝靄が町を煙に巻く夜明けは未だ五里霧中湿度の底に溺れていても光が差せば風は輝くモノトーンの白昼夢見上げた先で空を覆って憂鬱をばら撒きながら教えてくれる切れ間から落ちる光の鋭さを夜来の雨が世界を叩く夜泣きの声に睡魔も去って月を見失った星達が街灯の下で遊んでいる快晴の日などあまりない天気にも、人生にも美しいことなどあまりない世界も、世間もそれでも、明日を歩くしか
2024年2月11日 20:17
自嘲に「保険」とルビを振る諦めるための前準備謙遜の意訳は「予防線」少しは格好がつくように「結果は見えている」言っておけば賢く見えるか「本気じゃないから」それで守れるものに価値はあるか勇気があれば何でも出来る勇気がなければ何も出来ない一挙手一投足に決断を小心者の通過儀礼それは勇気の後に付いてくる立ち上がる肩を抑え駈け出そうとする足を掴む言うなれば勇気の対義語臆