かいわれのせか

大学院中退。主に、音楽、文學について、書いています。 お仕事の依頼は、bacte21…

かいわれのせか

大学院中退。主に、音楽、文學について、書いています。 お仕事の依頼は、bacte215@gmail.com、まで。 noteで、『黒木渚論』―黒木渚、そのイニシアチブに沿って―、『黒木渚論』―黒木渚、その芸術的可能性―、その他、発売中。

マガジン

  • 評論・小説

    評論・小説、において、販売している作品のリストです。

  • 安部公房論集

    安部公房に関する、印象批評的論集。

  • 黒木渚論集

    黒木渚論を集めた、黒木渚論集

最近の記事

  • 固定された記事

『黒木渚論』ー黒木渚、その孤高とユーモアについてー

『黒木渚論』ー黒木渚、その孤高とユーモアについてー かいわれのせか 『はじめに』 今回の本論、ー黒木渚、その孤高とユーモアについてーは、まずこの文章を【序説】とする。【第一章】は、様々な角度から、黒木渚について述べてみた。どこにも発表していないものばかりである。また、【第二章】は、やはり、今迄通り、エッセイ調である。『黒木渚、MVに見る動き』、『黒木渚論・・・その位置』、『黒木渚さんの、グッズ、行灯』、の3論は、既出のものだとお伝えして置く。【最終章】は、『おわりに』と

    • 安部公房ー随筆集、笑う月(笑う月)に関してー

      安部公房ー随筆集、笑う月(笑う月)に関してー ㈠ 安部公房の随筆集、『笑う月』には、17編の作品が、収められている。その中から、『笑う月』、『発想の種子』、『鞄』の3つを、取り上げて、考察しようと思う。随筆集『笑う月』は、『箱男』の二年後に、発表されている。或る意味、もうほとんど、安部公房文学の形式が成り立った頃の、作品であって、この随筆集からは、余裕すら感じる、という訳である。そしてまた、舞台裏の安部公房が顔を出し、小説を書く時のヒントの様なものを述べているから、尚更、

      • 安部公房論を、取り敢えず、30論まで終わらせて/日々 安部公房論を、取り敢えず、30論まで終わらせて、次に吉本隆明を読んでいたい。と言っても、安部公房を離れる訳ではなく、今年一年は、映画『箱男』もあるし、安部公房を楽しみたい、と言った感じだ。云わば同時並行して、物事を進めたい。

        • 安部公房ー『飢餓同盟』論、その4ー

          安部公房ー『飢餓同盟』論、その4ー ㈠ 『飢餓同盟』論も、その4を迎えた。その本質的魅力を、考察をするために、随分『飢餓同盟』を読み込んでいるが、やはり、安部公房文学の起点になっているがためか、非常に重要箇所が多いのである。それも、安部公房が商業的に売れ出す頃、と言えば適切か、『壁』から数年後のため、人生における或る種の勝負魂の様なものが、随所に見られ、これは、安部公房が文学と戦っているな、という感じのする、気合の入った小説なのである。その3までで、述べて来た様に、この小

        • 固定された記事

        『黒木渚論』ー黒木渚、その孤高とユーモアについてー

        • 安部公房ー随筆集、笑う月(笑う月)に関してー

        • 安部公房論を、取り敢えず、30論まで終わらせて/日々 安部公房論を、取り敢えず、30論まで終わらせて、次に吉本隆明を読んでいたい。と言っても、安部公房を離れる訳ではなく、今年一年は、映画『箱男』もあるし、安部公房を楽しみたい、と言った感じだ。云わば同時並行して、物事を進めたい。

        • 安部公房ー『飢餓同盟』論、その4ー

        マガジン

        • 安部公房論集
          22本
        • 評論・小説
          45本
        • 黒木渚論集
          4本

        記事

          安部公房ー『飢餓同盟』論、その3ー

          安部公房ー『飢餓同盟』論、その3ー ㈠ 今回で、第3回目を迎える、安部公房の『飢餓同盟』論であるが、今回で終わる感じではない。まだまだ、続きそうである。というのも、この『飢餓同盟』という小説、何かいたる所に、場所や人間の壁があって、複雑な構造を持っていて、しかしストーリーも破綻せずに、実直に描かれている小説だから、考察にも、非常に気が入り、また、読んでいて素直に面白い小説なのである。複雑怪奇とでも言えば適切だろうか、そんな雰囲気を持っている。論に進もうと思う。 ㈡ 第

          安部公房ー『飢餓同盟』論、その3ー

          安部公房ー『飢餓同盟』論、その2ー

          安部公房ー『飢餓同盟』論、その2ー ㈠ 安部公房の『飢餓同盟』論も、その2に、入ろうとしているが、なかなかに、今迄読んで来た安部公房の作品とは、傾向の乖離があり、同時に、この作品が安部公房が書いていなかったとしても、つまり他の誰かの小説だったとしても、これも明らかに斬新な手口で創られたものだ、と言わざるを得ないだろう。だからこそ、考察のし甲斐があるということになるし、また、困難な壁にぶち当たりながらも、その本質を知るために、努力しようという気になるものだ。今回も、『飢餓同

          安部公房ー『飢餓同盟』論、その2ー

          安部公房ー『飢餓同盟』論、その1ー

          安部公房ー『飢餓同盟』論、その1ー ㈠ これまで、評論やエッセイ、また、初期の短編集などを考察してきたが、『壁』論も無事に事は運び、作品論としての、『飢餓同盟』論を、買いてみようと思う。そもそもが、自分は、安部公房のファンではあるが、『飢餓同盟』を読んだことは一度もなかった。手元にはあったので、タイトルは勿論知っていたが、何故か読み進めることがなかったのである。しかし、その原因を探ったところで、どうにもなるまい。書いてみようと思ったが最後、論は書き始められなければならない

          安部公房ー『飢餓同盟』論、その1ー

          安部公房論ー問題作、『壁』についての雑考Ⅲー

          安部公房論ー問題作、『壁』についての雑考Ⅲー ㈠ 引き続き、安部公房の『壁』論を書いて行く。『壁』が如何に問題作かどうか、ということは、その問題作、と言う意味合いの度合いを述べてきていると思うが、今回で、この『壁』論も終わりになる。つまり、総括ということになるが、重要箇所を今回も引用し、その実体を把握して置きたい。それにしても、安部公房が、この小説で、27歳で芥川賞を受賞していることは、非常に驚きである。それでは、考察に進む。 ㈡ 壁というものの本質を言い当てているが

          安部公房論ー問題作、『壁』についての雑考Ⅲー

          安部公房論ー問題作、『壁』についての雑考Ⅱー

          安部公房論ー問題作、『壁』についての雑考Ⅱー ㈠ 安部公房論ー問題作、『壁』についての雑考Ⅱー、を書き始める。『壁』論がどこまで続くか分からないが、前進あるのみだろう。引き続き、引用を始める。 理性の問題、それから、「時間はただ壁のようにぼくの行手をふさぐだけです。」という述懐、壁の本性が現れ出た台詞である。この行く手をふさぐ、というのが、時間はただ壁のように、とされていることが、重要だろう。安部公房の『壁』論におぃて、この箇所を適当に放り投げる訳にはいかない。また、安

          安部公房論ー問題作、『壁』についての雑考Ⅱー

          安部公房論/今後 安部公房論/今後、どういうテーマで運ぶか、思考している。残り15論。『壁』論は、或る程度回数が必要なのと、『笑う月』からも数編論じる予定だ。何にせよ、回数稼ぎでは駄目で、きちんと安部公房論にしなければ、と思いながら、テーマの今後の運びを、何度も思考している。

          安部公房論/今後 安部公房論/今後、どういうテーマで運ぶか、思考している。残り15論。『壁』論は、或る程度回数が必要なのと、『笑う月』からも数編論じる予定だ。何にせよ、回数稼ぎでは駄目で、きちんと安部公房論にしなければ、と思いながら、テーマの今後の運びを、何度も思考している。

          安部公房論ー問題作、『壁』についての雑考Ⅰー

          安部公房論ー問題作、『壁』についての雑考Ⅰー ㈠ 安部公房論を書いてきて、ついに、『壁』という小説の個体原理論に辿り着いた。昔、読んでいた時とは、全く異なる感覚で、『壁』が再読できたが、発見というより、驚きと言った方が、適切だろう。安部公房全集の第一巻と、文庫本(安部公房短編集)という、『壁』以前の小説群を、読み解いていたから、そこからの飛躍性が、とんでもないことになったという、驚きである。芥川賞を受賞した『壁』は、素晴らしい作品として、世に出ただろうが、『壁』以前の小説

          安部公房論ー問題作、『壁』についての雑考Ⅰー

          安部公房論/次の安部公房論 次の安部公房論で、15論目。30論への、半分が書けたことになる。振り返って読んでみれば、拙稿が多い。上手く書けたな、と思えるのも、いくつかは有る。とにかく、目標の30論まで、勢いを落とさずに、書いて行こうと思っている。安部公房を論じるのは、楽しい。

          安部公房論/次の安部公房論 次の安部公房論で、15論目。30論への、半分が書けたことになる。振り返って読んでみれば、拙稿が多い。上手く書けたな、と思えるのも、いくつかは有る。とにかく、目標の30論まで、勢いを落とさずに、書いて行こうと思っている。安部公房を論じるのは、楽しい。

          安部公房論ー新潮2024/3、における、特集「安部公房生誕100年」の記録ー

          安部公房論ー新潮2024/3、における、特集「安部公房生誕100年」の記録ー ㈠ 2024/3の、新潮で、安部公房生誕100年の、特集が組まれていた。特集ということで、普段、文學界しか買わないのだが、これは必要だ、と思い、即座に購入したのを覚えている。今回の安部公房論は、この新潮の紹介と総括をやっておこうと思う。何分、月刊誌の評論というものに馴れていなくて、大幅に紹介という形式を取るだろうことを、初めに記して置く。この雑誌が発売されたのが、2024/2/7のことである。こ

          安部公房論ー新潮2024/3、における、特集「安部公房生誕100年」の記録ー

          安部公房論ーキンドル氏とねこ(安部公房初期短編集)から読解Ⅲー

          安部公房論ーキンドル氏とねこ(安部公房初期短編集)から読解Ⅲー ㈠ (安部公房初期短編集)からの読解も、これで最後になる。本当は、他にも抜粋したい内容を含蓄した小説があるのだが、取り敢えずは、『キンドル氏とねこ』からの文章を考察することで、(安部公房初期短編集)の読解を、終えようと思う。丁度、この小説の半年後に、『壁』に着手する安部公房は、様々な実験を、この『キンドル氏とねこ』で、行って居る様だ。カルマという人物も登場し、非常に興味深い。つまり、『壁』以前と、『壁』以降に

          安部公房論ーキンドル氏とねこ(安部公房初期短編集)から読解Ⅲー

          安部公房論ー第一の手紙~第四の手紙(安部公房初期短編集)から読解Ⅱー

          安部公房論ー第一の手紙~第四の手紙(安部公房初期短編集)から読解Ⅱー ㈠ 今回も、(安部公房初期短編集)から、読解を進める。それにあたり、今回は、『第一の手紙~第四の手紙』という小説を読んで解読したい。この、『第一の手紙~第四の手紙』は、非常に安部公房の方法論を示唆している。作品全体が、方法論の語りの様なもので、この、(安部公房初期短編集)の中でも、その方法論に特化した内容であり、燦然と輝く文章ばかりである。そのため、抜粋したい箇所が多々あるが、取り敢えずは、その中でも重

          安部公房論ー第一の手紙~第四の手紙(安部公房初期短編集)から読解Ⅱー

          安部公房論ー題未定(安部公房初期短編集)から読解Ⅰー

          安部公房論ー題未定(安部公房初期短編集)から読解Ⅰー ㈠ 安部公房の『(霊媒の話より)題未定』が表題とされる、安部公房初期短編集を、発売日に買って、読み進めては居たが、その時分、安部公房論で、他の作品を取り上げていたため、本格的に論を書くために、読み始めた、題未定(安部公房初期短編集)である。凡そ、11編の小説が入っている、初期の頃の小説群であり、『壁』以降の、一風変わった安部公房文学は、この本からは散見されない。実に不思議なことであるが、それもまた、研究という視座におい

          安部公房論ー題未定(安部公房初期短編集)から読解Ⅰー