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綾部まと
2023年5月12日 10:27
「苦手なことは?」と聞かれたら、真っ先に「料理です」と答えていた。 就活時代、この返しは大半の面接官に、冷ややかな笑みを浮かべさせた。「こいつと結婚する男は苦労するだろうな」という憐れみと、「俺がそうでなくて良かった」という安心感が、歪んだ口元から伝わって来た。 数年後、そんな女と結婚した男、つまり現在の夫は、その事実を知る由も無かった。 私の料理スキルが上がったのではない。夫は激務
2023年5月12日 11:45
都会での暮らしは、本当に必要なものが分からなくなってしまう。 もっと良い暮らしをして、やりがいのある仕事をしている人に出会ってしまう。 理解のあるパートナーと結ばれ、素直を絵に描いたような子供に恵まれた人が目に入る。 なんだか自分の人生が、とてつもなく惨めなもののように思えてきてしまう。 あれもこれも、と欲しくなる。気付くと走り続けていて、息を付くのも忘れてしまうほどだ。 自分を