『降霊』:日本のお化けは慎ましい
1999年にTV用に制作された、日本ホラー映画界の巨匠 黒沢清の長編作品。現在は各種サブスクでも見ることができず、ソフトも廃盤で中古市場でも高値がついている。本作は彼の作品群の中でも、前後して制作されている『回路』(2000)や『アカルイミライ』(2003)に比べるとやや地味な作品であり、今回観てみても確かにストーリー展開がやや精彩を欠き、こじんまりと纏まってしまっていたように思うが、私が本作を観たいと思った最大の理由は、ネットで度々目にしていた「霊が実際に見える人に聞くと、