鬼村優作

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「ジャニーズ帝国の崩壊」が齎すもの

ジャニーズという巨大な帝国が崩壊を迎えつつある。ジャニー喜多川のしたことは許されぬことであり、それをどうこう言うつもりもないのだが、それにまつわる言説の中で「正常な競争」だの「公平な番組作り」だの、そういう言葉が散見されるようになってきた。 果たして、ジャニー喜多川の「圧力」により、ジャニーズはどのような「歪み」をもたらしてきたのだろうか。今日はそこを考えていきたい。 結論から言えば、ジャニーズが消えたところで、正常な競争、公平な番組と思われているであろうものは、何一つ産

    • モンスター討伐に対する金銭的収入の歴史

      https://twitter.com/hapimiru_quiz/status/1662286262898925569 ってはぴに言われたので、その辺の経緯をまとめてみようかと思う。 ~魔石の概念~ いきなりで申し訳ないのだが、魔石が云々といわれてぱっと思いつくのが「ライドンキング」と「とんでもスキルで異世界放浪メシ」しかないが、この「魔力の塊である魔石なるものが魔物の核になっていて、それを様々な方法で利用するために、人間社会である程度の金額で取引されていて、結果魔物

      • ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービーを見ての所感

        ハヤブサさんがマリオの映画を見たというツイートを見て、そういや5/1なら映画安いなと思い立ち、調べたら3D版があるというのでこいつは見てみたいな、と予約したらメチャクチャ朝早かった、という感じで見てきました。 なおシネマイレージ会員だと、火曜日ならファーストデーと同じ値段で見れたことがわかったのは、マリオを見終わった後でしたとさ。 ※まず、内容に関しては一部ネタバレを含む上に、多分見てしまうと面白くなくなる可能性があるので、見るときは十分注意をしてください。 ・総論:マ

        • 怪文書~だっていつ書いたか、本当に自分が書いたかもおぼえてないんだもの~

          「鉄血のオルフェンズ」に関して、なんか正しく書かないと誰も正しく書かない気がするので正しく書いて岡田麿里を絶賛しておかないといけない気がする。 オルフェンズには3種類の人間というかロールが出てくる。それは「子供」と「大人」と「大人になれない子供」である。ガンダムが少年の社会との葛藤を、戦争を通じて描くドラマと考えるなら、これはめちゃくちゃわかりやすい 例えばポケットの中の戦争。シュナイダー隊とクリスは大人、アルは子供、大人になれない子供がバーニィである。子供が一番カンタン

        「ジャニーズ帝国の崩壊」が齎すもの

          宗教と互助

          今ある宗教が注目されてるが、日本人は某真理教のおかげで、新興宗教や宗教そのものを蛇蝎のごとく嫌っている。だがそのために「宗教」の本質が見失われている面もある。宗教とはそもそも何なのか 結論から言えば、宗教とは「互助組織」である。信仰によって救われたり、あるいは活動したりというのは副次的なものであり、本来は「統一目標」の中で増やした信者間で、あらゆる作業を「助け合うための組織」なのだ 「八紘一宇」という言葉がある。「世界は天皇のもとに統一されるべき」という考え方だが、この天

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          IPPON女子グランプリがもたらすもの

          あ、これからIPPON女子グランプリの話をします。 1990年12月23日。暮れの中山競馬場はオグリキャップのラストランを見るための人でごった返していた…ああ、待って!ちゃんとIPPON女子グランプリの話するから!待って!! オグリキャップはこの年絶不調。前走ジャパンカップは11着と大惨敗。誰もが「終わった…」と思っていた…まって、もうちょっと待ってね! 第4コーナーを回ってオグリキャップが先頭に並びかける。大歓声のなか、オグリキャップが力強く抜け出し。中山の直線は短いと

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          JRPGのシナリオについて~桝田省治さんのツイートをうけて~

          <導入> 先日、桝田省治さんが、こんなツイートをしていた。 https://twitter.com/ShojiMasuda/status/1538456602985918464 桝田省治さんは「天外魔境II」「リンダキューブ」「俺の屍を越えてゆけ」などのRPGを製作されたクリエイターである。この発言は「シナリオ依存度の高いRPGは、公開されてしまうとその面白さが失われ、無料で見るものになってしまう」という点がポイントだと思うが、果たして本当にそうだろうか? ワタシは常

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          暁月のフィナーレ、ネタバレ感想

          暁月の感想が解禁になったので完走した感想(※激ウマギャグ)を語っていくことにする。 FFはSFまずいいたいのは「FGOのパクリ」なんじゃなくて、FGOもFF14も海外SFのオマージュだという話。FATEのタイトルがSFのパロだってのはなれた14テンパードの間では有名な話だと思ってるのだが、それに限らず織田万里かイシカワナツコか、あるいは他のスタッフかはわからないけども、開発に相当なレベルの海外SFマニアが混じってるんだよね。 そもそも海外、それも古典とされるSFのほとんど

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          ありし日の私へ。(劇場アニメ「映画大好きポンポさん」の感想)

          「映画大好き!ポンポさん」(以下「ポンポさん」)の感想をまとめてみた。 「よかった!とかはいいから、どう良かったか、具体的に話して!」というわけで、私は自分の事を「オタク」だと思いこんでいた一般人なのだが(理由は後述)この映画はまさに「オタクが何かを生み出す原動力」を描いた「オタク讃歌」である。ところが、この映画の原作者杉谷さんも、監督の平尾さんも、びっくりするほどの変態で、そういうものを一切見せないのだ。最初は明るいニャリウッドの「夢の世界」を描いて、その描きかたと生きる

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          世界一の嫌われ漫才師・ウーマンラッシュアワー・村本大輔への「営業妨害」

          さて、今年も「THE MANZAI」で、ウーマンラッシュアワー村本大輔(以下村本)による「独演会」(なんか"毒"演会って書くとそれっぽいけど悔しいのでやらないw)があったわけだが、まあ感想は真っ二つでした。 否定派、肯定派ともに見るべきものは何もなかったし、誰もちゃんと見れてる人がいなかったんですけどね。 <はじめに>そもそも、「お笑いを分析し評価する」っていうのが、本人の芸風の妨げになるんで、そういうことは専門家のラリー遠田さんに投げて、私は指差して笑ってるだけ、っての

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          サポセン時代の思い出

          昔はコールセンターでサポートデスクをしていた。天職だと思っていた。自分が力を尽くして他の人のトラブルを助けることができる。大手プリンターメーカーのときは2週間もかけて原因を特定し、かなりの「裏技」をつかって解決をした際は、自筆の手紙をもらったこともあった。 そんな私が、電話を二度と取らないと決意した事件があった。最後に言うがちょっとした事情があってこのことを書いていきたいと思う。今はもう、サポートデスクなんてロクに機能しないんじゃないか、と思うほどのトラブルであった。 サ

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          令和を代表する大河ドラマ「麒麟がくる」1話を徹底分析

          禅問答の答え「大河ドラマの視聴率を取るにはどうしたらいいか?」 この禅問答のような問題に対し、2019年に確実な答えが出た。 それは 大河ドラマ「いだてん」と逆のことをすればいい。 以前述べたとおり、大河ドラマ「いだてん」は、民放裏番組、ひいては日本のテレビ史において完全敗北を喫したドラマである。それは「令和」という新しい時代が求めるものを浮き彫りにし、「昭和」「平成」に通用した武器を陳腐化させたことを証明した作品だったのだ。 大河ドラマ「いだてん」を踏み台に、徹底的

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          大河ドラマ「いだてん」の敗北

          まずはじめに、矜持の宣言。大河ドラマ「いだてん」 この表記方式を積極的に使っていきたい。 あれは朝ドラでも、大河ドラマの忌み子でもなく、日本の芸能史に燦然と輝く「オリンピックを題材にしたNHK製作の大河ドラマ」であることを主張するために、多少長くなるが「大河ドラマ「いだてん」」と表記をしていきたいと思う。 大河ドラマ「いだてん」を終えての感想 大河ドラマ「いだてん」の最終回、感動的でした。老人になった金栗四三がトラックを回りながら、次々と今までの登場人物が加わって、全員で

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