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映画『ボーンズ アンド オール』他者を犠牲にして生きるということ

映画『ボーンズ アンド オール』他者を犠牲にして生きるということ

不完全な家庭で育った女の子が、不完全な家庭で育った男の子と恋をする話。だったらよくあるボーイ・ミーツ・ガールだけれど、この映画はそこに「人を食べたい衝動にかられて食べちゃう」という衝撃設定が加わったので、なんでしょうか、物語としての重みが重すぎる。

でも物語って、設定を過激に・過剰にすることで、語りたいことを浮かび上がらせる手法だと思っているので、ぜんぜんありだ。『ドラえもん』からだって人生訓は

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あーあーあーあー!(「愛がなんだ」見て発狂中)あーーー!!!

あーあーあーあー!(「愛がなんだ」見て発狂中)あーーー!!!

いやいやいやいや、わかるよ、わかるけどそこまで行ったら壊れるでしょ、俺は壊れたよ。無理でしょ。主人公が狂気すぎるよ。壊れるでしょ、精神もたないでしょ。

俺も壊れて自分から離れたし、未練タラタラやけど、その離れる痛みは思い出したくもないけど、離れる必要があるんよ。。

中原青くんが一番まともやった。彼はえらい。最後にまた戻らないでほしい。一皮むけてるから大丈夫か、、。

もはやもう、愛がなんだ、だ

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【緊急対談】映画『ジョーカー』大ヒット記念「最高にハッピーで、最高にサッド」

【緊急対談】映画『ジョーカー』大ヒット記念「最高にハッピーで、最高にサッド」

『ジョーカー』大ヒット記念ということで、本日はN○Kのスタジオ○ークに、映画評論家の宇田川ケンさんにお越しいただきました。軽いネタバレがございますので、十分ご注意ください。

--宇田川さん、こんにちは。

「こんにちは。ふぐ、えぐ、ふぐっ」

--いきなり泣きながら笑っているようですが、大丈夫でしょうか?

「ごめんなさい、緊張すると笑ってしまう体質でして。ノック、ノック。もう大丈夫です」

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「さようなら、すべての子供たちへ」

「さようなら、すべての子供たちへ」

1999年12月31日の夜。

地球が滅びると信じていた僕は、ビデオカメラを片手に、ビルの屋上にのぼった。



横浜の夜景がすべて見渡せる場所。遠くにランドマークタワーとベイブリッジの点滅。大小様々な灯りが、クリスマスのイルミネーションみたいに眩しい。

地球の最後の瞬間を、僕はカメラに収めようとしていた。氷点下に近い寒さで、古着のモッズコートは重さに反してそれほど温かくはなくて、冷たい指先で

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「もうなにがなんだか意味がわからないのに超絶興奮する」#TENET テネット

「もうなにがなんだか意味がわからないのに超絶興奮する」#TENET テネット

高3の途中まで理系だった。

物理と化学が好きで、数学が苦手だった。

数学を決定的にもう無理だと思ったのは、高3で微分積分の難しいバージョンに突入したからだ。(Tangentの微分とか、指数関数の積分とか)

そもそも微分の概念は難しい。正確な定義なんて覚えていないけれど、「ある変化する値の、ある一点の変化率の、そのまた変化率の~」みたいな、「森から林からどんぐりへ」みたいな、「物事のある一点の

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「太宰治はほんとうは死にたくなかったのだろうか?」#日記

大丈夫、今日はシラフです。

週末に邦画の「人間失格」を見て、出だしの海のシーンで「死ぬかと思った」と小栗旬(敬称略)が言い放って、ははあ、これはやはり、予想通りにコメディとして見るべき映画なんだと感じた。

小栗旬演じる太宰は、深刻さをほとんど出さない。小栗の演技自体が、深刻にならない軽い感じなので、監督の蜷川実花は小栗を主演に据えたのだろう。

対する太宰の愛した三人の女性は、各々の個性をいか

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「もう見た?」おすすめ映画30本を1行ずつサクッと紹介!  #おうち時間を工夫で楽しく

「もう見た?」おすすめ映画30本を1行ずつサクッと紹介!  #おうち時間を工夫で楽しく

自粛も1ヶ月延長となり、そろそろ見たい映画もなくなってきたみなさん、こんにちは。自称・映画評論家の広瀬ケンです。

本日のnoteは、広瀬が見た10000本の映画のなかから、選りすぐりの1000本を5時間かけて紹介するコーナー!!

の予定でしたが、あまりにも長すぎるということで、厳選して30本にしました。

しかも! 忙しいみなさんのために!

1作品につき、解説はたったの1行だけ、という

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