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“ダメ人間”という生きづらさ

 ヒトの精神というものは、いくつかの階層に分けることができるのですが、それをピラミッド状にまとめた『ニューロ・ロジカル・レベル』というものがあります。

 ピラミッドのてっぺんが『自己認識』いわゆる「私は○○です。」というレベルです。「私は1児のパパです。」という自己認識と「私は会社の部長です。」という自己認識では、発揮される能力はもちろん環境や行動が変わります。

 自己認識の一つ下が『信念・価値観』です。パパという自己認識なら「子どもや妻を守らなければいけない」という信念を持っているかもしれませんし、部長という自己認識であれば「社員は会社に利益をもたらすもの」という価値観を持っていてもおかしくはないでしょう。

 それら信念や価値観の影響をうける、つぎのレベルが『能力』で、発揮する能力をうけて変わるのが『行動』です。能力を発揮することができる行動を取らなければいけません。

 その結果一番したの『環境』が出来あがります。いま私たちが身を置いている、まさに今の環境です。

 今回は、不登校を通して気づかされた『ダメ人間』という生きづらさについて書いていきます。

人間関係に表れた生きづらさ

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問題を起こすパターン。
人のせいにする自分。

 本格的に生きづらさを感じたのは、高校を卒業して東京へ出た後のことでした。

 行く先々で特定の1人とうまくいかないという事を繰り返していたのですが、不思議なことに一つ共通することがありました。それは「女性である」ということです。

 面白いことに男性とは大きな問題は起こしませんでしたが、女性に対して(男女関係ではなく)問題が起こってしまい、ストレスを抱えて病んで退職を繰り返して、今では職務経歴書は1枚では収まりません。(笑)

 その度、なんでこんなにうまくいかないんだろう…。と自分を責めるようになり、次第に何をやってもダメだと思うようになって「どうせ自分なんて」とやさぐれたり、人生に対してすねたりしていました。

 それだけ生きづらさを感じていたので、なんとかストレスを減らしたいという思いですべての失敗を自分以外の何かのせいにしていました。これ以上、自分を責めたりダメだと思いたくないからです。

 そんなことを繰り返すうちに、私は生きる意味を見失ってしまいました。何のために生きているんだろう。そんな問いかけは飽きるほどしましたし、何のために働いているんだろう。仕事に行って、ご飯を食べてクソして寝る。何が楽しくて生きているんだろう。そんな言葉がアタマのなかをぐるぐると駆け回っていました。

 しかし幸運にも自殺するほどの勇気は持ち合わせていなかったので、今の今まで私は生きているのです。

メガネ屋で迎えた限界

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『ダメ人間を証明するために生きている』という発見

 東京で数年過ごした後、やはり人間関係でうつ状態になってしまったために、実家へと帰ることにしました。

 そこで、アルバイトをして車の免許をとり、メガネ屋に契約社員として採用してもらい働いていたのですが、男性店長から謎の八つ当たりを受けたり、死ぬほどやりたくない棚卸し作業や、専門性の高い特殊なメガネの注文対応などがストレスになり続けて、ある時車に乗ったら涙がこぼれてきたのです。

 なんで、こんなに仕事を続けられないんだろう。また1年ちょっとで辛くなって辞めるんだ。なんでこんなに自分はダメなんだろう。どうしてこんなこともできないんだろう。ほかの人たちは簡単にできているのに。まともに仕事を3年も続けられないダメな人間だ。

 もう無理だ。そう悟って間もなく、退職を決めました。すでにお世話になっていた他店の方からは、まだ早いんじゃないかとか説得をされました。3人がかりで。(笑) 結局退職しましたけどね。

 それからというもの、なぜこんなにも生きづらいのかを探求することにしました。

○なぜ、私は仕事を続けられないのか。
○なぜ、すぐやめてしまうのか。
○なぜ、やりたくないことを仕事にするのか。

たどり着いた答えは
『「私はダメ人間である。」を証明するための行動』
をとっていた。ということでした。

“ダメ人間”を証明するために必要な環境だった。

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『唯一の自分である“ダメ人間”』

 はて?どういうことかね?と思う方は、冒頭の説明を読んでみてください。しかしながらほとんど読まないと思うのでこちらに書きます。

 「私はダメ人間である。」という自己認識にのっとって、価値観や信念を作り出します。それが『仕事を続けられない奴はダメ人間』という価値観です。

 ということは、「私はダメ人間である。」を証明するためには『仕事を続けられない』という状態を作る必要があります。なぜなら、仕事を続けられない=ダメ人間 という方程式を持っているからです。
 もし、この証明に失敗してしまうと自己認識がなくなってしまうので、自分が自分ではいられなくなると思っていたのかもしれません。

 では、どうすれば仕事を続けられない状態を作り出せるのでしょうか?紐解いていくと、無意識レベルなんですが、やりたくない作業ばかりやったりやらされたり、やりたくない作業があるような職業を選んでいたのです。

 例えば、20代半ばなのに手取りが12万だったり、毎年3回の棚卸しで腐るほどあるメガネに対し、どのメーカーのいくらのメガネがいくつあって、何が無いのかを調べる作業をしたり、休みもぜんっぜん取れない。そんな環境の中に身を置き続けることで、仕事が続けられない状態を作っていたのです。

 そこに気づいてからは、もう辞めたっていい。働かなくて野垂れ死んでもいい。もういい。と吹っ切れて派遣へと登録をしました。おかげで、書きたくなかった履歴書も書く必要がなくなり、収入も上がり、今では派遣先に気に入っていただいて採用してもらった上に、役職にも就くことができました。これは大きな変化です。

【結論】自分と向き合う必要がある。

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 何が言いたいかと言えば『自分と向き合うことが必要』ということです。

 今、この記事を読んでいるあなたが、何かを感じているならば、


 ○そのなにかとは一体何なのか。
○何がそう感じさせるのか。 
○どうしたいのか。     


これらのことを自分の中から発見しなければいけません。なぜなら、空気のように当たり前に持っている考えや思い込みによって、今のあなたの現状が作られているからです。

 今、苦しい。辛い。しんどいなら、そう思わせる何かをあなたがもっているから苦しいし、辛いし、しんどいのです。ラクになる方法のひとつとして、その何かを特定して変える必要があります。

そして、きっと気づくでしょう。ただの思い込みであったと。

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