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救いようがない世界において、見出せた希望 ~ 「善き人のためのソナタ」(ドイツ映画)

冷戦崩壊によって、それまで霧の向こうのベールに閉ざされていた世界が一気に白日の下にさらされることになりました。

壁が存在していた時代の東ドイツ。

この映画で描かれる世界は特別なものではなくて、日常的に存在していた世界。救いようがないとしか思えなかった世界に、この映画のラストで描かれるように、少しでも救いが見出せたのならば、それは喜ぶべきものだと思うが、現実はあまりにも厳しい。

冷戦崩壊は89年。

80年代の東ドイツ。

自分が子供のときにこの映画の世界が存在していたということに、あらためて気づかされて驚愕を禁じえない。

ただ、この救いようがない世界において、見出せた希望があったとすれば、それは、どんな時代、どんな場所でも人の心の奥底には、他人をいとおしむ
心がのこっているということ、それが変わらないんだということ。

その心が残っていたからこそ、作家は、彼に本をささげたのだろうとおもう。


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