誰かのために作る料理〜食のエッセイ〜
明日は母の通院なので、張り切ってお弁当の準備をした。
母はいま施設に入っていて、面会はいつもたったの10分しか出来ない。
通院は、母と長く一緒にいられる貴重な時間だ。
蕪をすり下ろして、そぼろと、ことこと煮た。
一応、いけるかも、と思って、切った蕪も入れたが、心配で柔らかくなるまで火を通した。
優しい味のレシピで、私はすきだが、母の体にもいいかもしれないが、ふだん薄味ばかりだろうから、もうちょっと濃い味の方がいいかも。
悩みながら結局、味付けを足した。
人のために料理をすると、色々なことを考える。
美味しくできた作り置きがまだあって食べてほしいけれど、ちょっと日数が経っているし、心配だから入れられないな。
皮引きイナダを胡麻だれで漬けにして仕込んだ。
(骨の処理はされているように見えたが残っていたので入念に確認しながら骨を抜いた。)
のどぐろ出汁塩で炊いた土鍋ごはんに、明日の朝、乗せよう。
適当に出来合いのものを買おうと思っていたのに、パッとするものがなくて作ることにしたら、うん、随分と丁寧なお弁当が出来上がってしまった。
よくやったなぁ。
私は、"誰かのため" が、ものすごくモチベーションになる。
いつもここまでやってたらたぶん疲れちゃうけど。
喜んでくれたらいいな、って思うと無限に力が湧いてくる。
それが嬉しくって、楽しいんだ。
母のためのようで、半分は自己満足だから、たぶんいいバランスなのだ。
今日はひとまず、やりきって満足。
美味しいねと喜ぶ笑顔に、胸がふくらむ。
なみなみさん🍱
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