じんくん

子どものころから本が大好きな中年サラリーマン。本に関する情報発信を始めました。よかった…

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子どものころから本が大好きな中年サラリーマン。本に関する情報発信を始めました。よかったら、記事、読んで見てください。気にいったら、フォローよろしくお願いします。

記事一覧

帚木蓬生著「ネガティブ・ケイパビリティ答えの出ない事態に耐える力」朝日新聞出版

 みなさんは「ネガティブ・ケイパビリティ」という言葉を耳にしたことはあるだろうか?この言葉は「どうにも答えの出ない、どうにも対処しようのない事態に耐える能力」を…

じんくん
7日前
11

野尻哲史「60代からの資産使い切り法」日本経済新聞出版

 私は現在58歳。定年を前にしたサラリーマンである。今後退職時に受け取る退職金、再雇用での収入の激減を前に、自分の老後の生活とお金の関係をどう考えていけば良いのか…

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1か月前
13

鬼頭政人”資格試験に一発合格する人は、「これ」しかやらない” PHP研究所

 みなさんは、試験に合格するための勉強の仕方に興味はないだろうか。本書は、「試験勉強の神」が伝授する最小労力 X 最速最短 = 最高の結果を出す勉強法である。  はじ…

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2か月前
28

吉武麻子「目標や夢が達成できる1年・1カ月・1週間・1日の時間術」かんき出版書籍レビュー

 夢や目標を立て、行動を始めたが、なかなか時間が取れない等の理由で、中途半端で終わってしまった経験を持っている方は、多いのではなかろうか。  本書は、社会人をは…

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3か月前
16

田尻望「キーエンス思考 X ChatGPT時代の付加価値仕事術」日経BP

ChatGPTの登場以来、多くのChatGPTの解説本が発売されている。しかし、それらの書籍の多くは、ChatGPT自体の解説、ツールとしての使い方に言及することに留まっている。…

じんくん
4か月前
21

大杉潤「50代お金の不安がなくなる副業術」エムディエヌコーポレーション 書籍レビュー

 本書のカバーの見返しに、 との文章が書かれている。現在の会社員の多くは、”人生の全てを会社に託すことはできない”との部分に、同様の思いを持っているのではないだ…

じんくん
4か月前
25

谷本真由美「世界のニュースを日本人は何も知らない」ワニブックス 書籍レビュー

 みなさんは、夕方のテレビニュースが、ワイドショーのように、グルメ情報であったり、視聴者が投稿したあおり運転の画像を繰り返し流していることに違和感を感じていない…

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6か月前
29

吉田満梨、中村龍太「エフェクチュエーション」優れた起業家が実践する5つの原則 ダイヤモンド社 書籍レビュー

 みなさんは、前例のない事、自分の経験がない事への挑戦における行動、意思決定のための考え方に興味はないだろうか?    本書は、不確実性の高い状況における意思決定…

じんくん
6か月前
47

大杉潤「定年ひとり起業」マネー編 自由国民社 書籍レビュー

 定年を前にして、私も含め、老後2000万円問題など、老後の「お金」に関して、不安を感じている人々は、多いのではないだろうか。  本書は、研修講師、企業コンサルタン…

じんくん
7か月前
35

樺沢紫苑「読書脳」サンマーク出版 書籍レビュー

 みなさんは、自己成長を行える読書術に興味はないだろうか?  作家の樺沢紫苑氏は、AI時代の今こそ、読書の大切さ、有用性を感じていた(生成AI等の使いこなしに必要な…

じんくん
7か月前
55

堤未果「堤未果のショック・ドクトリン」幻冬舎新書 書籍レビュー

 本書は、カナダのジャーナリストであるナオミ・クラインが2007年に出版、世界的なベストセラーとなった「ショック・ドクトリン」の影響を受け、現在、日本で繰り広げられ…

じんくん
8か月前
20

福岡伸一「生物と無生物のあいだ」講談社現代新書 書籍レビュー

 本書は、著者が提唱する「動的平衡」論をもとに、生物を無生物から区別するものは何かを、分子生物学の生命観の変遷とともに考察した書籍である。  初めに著者の福岡伸…

じんくん
8か月前
20

大杉潤著「定年ひとり起業」生き方編 自由国民社

 定年を前にして、私も含め、これからの生き方に思い迷っている人々は多いのではないだろうか。人生100年時代の声もある中で、日本の社会制度、企業の雇用の在り方は、ま…

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9か月前
39

楠木健著「絶対悲観主義」書籍レビュー

 本書は、著者が、”絶対悲観主義を通して物事を考えることの有用性”を語った書籍である。学者が書いたとは思えない、ユーモアとセンスのある文章。その一方で、本質を突…

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9か月前
26

出口治明著「逆境を生き抜くための教養」書籍レビュー

 脳出血で倒れ、失語症・右半身まひという後遺症を抱えた著者は、懸命なリハビリを経て大学の学長職に復帰。72歳で直面した人生最大の逆境を乗り越える支えとなったのは、…

じんくん
9か月前
21

堤未果 著 100分de名著「ショック・ドクトリン」ナオミ・クライン 書籍レビュー

 皆さんは「ショック・ドクトリン」という言葉を聞かれたことがあるだろうか。  この言葉は、カナダ出身のジャーナリストで活動家、今世界で最も影響力のある政治思想家…

じんくん
10か月前
14
帚木蓬生著「ネガティブ・ケイパビリティ答えの出ない事態に耐える力」朝日新聞出版

帚木蓬生著「ネガティブ・ケイパビリティ答えの出ない事態に耐える力」朝日新聞出版

 みなさんは「ネガティブ・ケイパビリティ」という言葉を耳にしたことはあるだろうか?この言葉は「どうにも答えの出ない、どうにも対処しようのない事態に耐える能力」を指す。本書は、精神科医で作家の帚木蓬生(はなきぎ ほうせい)氏が、読者に「ネガティブ・ケイパビリティ」を紹介し、人生で苦難に出会った時の生きる力として活用してもらうことを目指した書籍である。

 まずに筆者の帚木蓬生氏に触れる。帚木氏は東京

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野尻哲史「60代からの資産使い切り法」日本経済新聞出版

野尻哲史「60代からの資産使い切り法」日本経済新聞出版

 私は現在58歳。定年を前にしたサラリーマンである。今後退職時に受け取る退職金、再雇用での収入の激減を前に、自分の老後の生活とお金の関係をどう考えていけば良いのか思いあぐねていた。そんな中、本書と出会い、考え方のヒントをもらった。お金の本と言えば、資産運用の仕方に関する本がほとんどで、資産を取り崩しながら、お金の面で安定した第二の人生を指南する「出口戦略」について書かれた本は、ほとんど出会ったこと

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鬼頭政人”資格試験に一発合格する人は、「これ」しかやらない” PHP研究所

鬼頭政人”資格試験に一発合格する人は、「これ」しかやらない” PHP研究所

 みなさんは、試験に合格するための勉強の仕方に興味はないだろうか。本書は、「試験勉強の神」が伝授する最小労力 X 最速最短 = 最高の結果を出す勉強法である。

 はじめに、筆者の鬼頭政人氏に触れる。筆者は、開成中学、開成高校を経て、現役で東京大学文化一類(法学部)に合格。卒業後は慶應義塾大学法科大学院に進学し、在学中に司法試験に一発合格。弁護士勤務、投資ファンドに勤務後、資格試験対策をオンライン

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吉武麻子「目標や夢が達成できる1年・1カ月・1週間・1日の時間術」かんき出版書籍レビュー

吉武麻子「目標や夢が達成できる1年・1カ月・1週間・1日の時間術」かんき出版書籍レビュー

 夢や目標を立て、行動を始めたが、なかなか時間が取れない等の理由で、中途半端で終わってしまった経験を持っている方は、多いのではなかろうか。

 本書は、社会人をはじめとする、限られた時間で、自分の目標や夢を叶えるために、資格取得、勉強、活動等を行う人々に向けた、あるべき目標の捉え方、正しい計画の立て方、実行に結びつける分解時間術を紹介したものである。

 はじめに、著者が冒頭に記した文章を紹介する

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田尻望「キーエンス思考 X ChatGPT時代の付加価値仕事術」日経BP

田尻望「キーエンス思考 X ChatGPT時代の付加価値仕事術」日経BP

ChatGPTの登場以来、多くのChatGPTの解説本が発売されている。しかし、それらの書籍の多くは、ChatGPT自体の解説、ツールとしての使い方に言及することに留まっている。

 本書は、高収益企業として著名なキーエンスに勤務し、現在、経営コンサルタントを行っている田尻望氏が、
・キーエンス思考:付加価値創造に徹底的にこだわった仕事術
・その仕事術をサポートし、仕事の成果に直結させるCh

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大杉潤「50代お金の不安がなくなる副業術」エムディエヌコーポレーション 書籍レビュー

大杉潤「50代お金の不安がなくなる副業術」エムディエヌコーポレーション 書籍レビュー

 本書のカバーの見返しに、

との文章が書かれている。現在の会社員の多くは、”人生の全てを会社に託すことはできない”との部分に、同様の思いを持っているのではないだろうか。

 本書は、フリーの研修講師、経営コンサルタント、ビジネス書作家の大杉潤氏が、現在の生活や定年後の将来の生活のお金の不安を払拭できる「副業」について、単に一般論や副業事例を紹介するのではなく、長く稼ぎ続けることができて、ライフワ

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谷本真由美「世界のニュースを日本人は何も知らない」ワニブックス 書籍レビュー

谷本真由美「世界のニュースを日本人は何も知らない」ワニブックス 書籍レビュー

 みなさんは、夕方のテレビニュースが、ワイドショーのように、グルメ情報であったり、視聴者が投稿したあおり運転の画像を繰り返し流していることに違和感を感じていないだろうか。

 本書は、著者の谷本真由美氏が、日本人が世界で起きている重要な情報に触れていない状況を認識し、日本人が世界の中で生き抜いていくための視点を提供する事を目指した書籍である。

 初めに著者の谷本真由美氏に触れる。谷本氏は、197

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吉田満梨、中村龍太「エフェクチュエーション」優れた起業家が実践する5つの原則 ダイヤモンド社 書籍レビュー

吉田満梨、中村龍太「エフェクチュエーション」優れた起業家が実践する5つの原則 ダイヤモンド社 書籍レビュー

 みなさんは、前例のない事、自分の経験がない事への挑戦における行動、意思決定のための考え方に興味はないだろうか?
 
 本書は、不確実性の高い状況における意思決定の一般理論として、近年注目されている「エフェクチュエーション」の日本で初めて出版された入門書である。

 エフェクチュエーションは、サラス・サラススパシー教授(ヴァージニア大学)が、新しい市場の創造や産業の創造という、極めて不確実性の高い

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大杉潤「定年ひとり起業」マネー編 自由国民社 書籍レビュー

大杉潤「定年ひとり起業」マネー編 自由国民社 書籍レビュー

 定年を前にして、私も含め、老後2000万円問題など、老後の「お金」に関して、不安を感じている人々は、多いのではないだろうか。

 本書は、研修講師、企業コンサルタント、ビジネス書作家の大杉潤氏が、新しい定年後の幸せな人生設計およびライフスタイルを提案した、「定年ひとり起業」の続編として、60歳からの「老後資金の作り方」にフォーカスして、老後のマネープランを中心により深く、より実践的なノウハウやそ

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樺沢紫苑「読書脳」サンマーク出版 書籍レビュー

樺沢紫苑「読書脳」サンマーク出版 書籍レビュー

 みなさんは、自己成長を行える読書術に興味はないだろうか?

 作家の樺沢紫苑氏は、AI時代の今こそ、読書の大切さ、有用性を感じていた(生成AI等の使いこなしに必要な文書力、読解力の向上には、読書が必修)。そして、自身が2015年出版した「読んだら忘れない読書術」(サンマーク出版、累計15万部のベストセラー)を、「読書脳」として再版し、改めて、読書の有用性、自己成長を行える読書術を世に問うた。当時

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堤未果「堤未果のショック・ドクトリン」幻冬舎新書 書籍レビュー

堤未果「堤未果のショック・ドクトリン」幻冬舎新書 書籍レビュー

 本書は、カナダのジャーナリストであるナオミ・クラインが2007年に出版、世界的なベストセラーとなった「ショック・ドクトリン」の影響を受け、現在、日本で繰り広げられている「ショック・ドクトリン」を、国際ジャーナリストの堤未果氏が解き明かした書籍である。

 ショック・ドクトリンとは、ナオミ・クラインが、先の書籍で提唱した

のことである。
 
 ここで、堤未果氏に触れる。堤氏は、東京生まれの国際ジ

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福岡伸一「生物と無生物のあいだ」講談社現代新書 書籍レビュー

福岡伸一「生物と無生物のあいだ」講談社現代新書 書籍レビュー

 本書は、著者が提唱する「動的平衡」論をもとに、生物を無生物から区別するものは何かを、分子生物学の生命観の変遷とともに考察した書籍である。

 初めに著者の福岡伸一氏について。福岡氏は、京都大学を卒業後、ハーバード大学での研究生活を経て、京都大学、現在は青山学院大学で教鞭を取る生物学者である。研究生活と並行して、著作活動も行い、主に生命に関する書籍を多数発表している。本書は、2007年に出版され、

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大杉潤著「定年ひとり起業」生き方編 自由国民社

大杉潤著「定年ひとり起業」生き方編 自由国民社

 定年を前にして、私も含め、これからの生き方に思い迷っている人々は多いのではないだろうか。人生100年時代の声もある中で、日本の社会制度、企業の雇用の在り方は、まだまだ追いついていないように思われる。

 本書は、研修講師、企業コンサルタント、ビジネス書作家の大杉潤氏が、新しい定年後の幸せな人生設計およびライフスタイルを提案した、「定年ひとり起業」、「定年ひとり起業 マネー編」のシリーズ第3弾の本

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楠木健著「絶対悲観主義」書籍レビュー

楠木健著「絶対悲観主義」書籍レビュー

 本書は、著者が、”絶対悲観主義を通して物事を考えることの有用性”を語った書籍である。学者が書いたとは思えない、ユーモアとセンスのある文章。その一方で、本質を突いた知見がちりばめられている。読後は、肩の力が抜けて、気軽に前に歩み出せる気持ちになった。

 初めに楠木氏に触れる。楠木氏は、一橋大学ビジネススクールで教鞭をとる傍ら、執筆、著名企業のアドバイザリーボードメンバーを務める、日本を代表する経

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出口治明著「逆境を生き抜くための教養」書籍レビュー

出口治明著「逆境を生き抜くための教養」書籍レビュー

 脳出血で倒れ、失語症・右半身まひという後遺症を抱えた著者は、懸命なリハビリを経て大学の学長職に復帰。72歳で直面した人生最大の逆境を乗り越える支えとなったのは、それまで読んできた1万冊以上の本から得た「知の力」「教養」だったという。本書は、逆境を生き抜くために役立つ物事の考え方や知識を、「知は力なり」を身をもって体験した著者に学ぶ一冊である。

 初めに、著者の出口治明氏に触れる。出口氏は、現在

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堤未果 著 100分de名著「ショック・ドクトリン」ナオミ・クライン 書籍レビュー

堤未果 著 100分de名著「ショック・ドクトリン」ナオミ・クライン 書籍レビュー

 皆さんは「ショック・ドクトリン」という言葉を聞かれたことがあるだろうか。

 この言葉は、カナダ出身のジャーナリストで活動家、今世界で最も影響力のある政治思想家と呼ばれるナオミ・クラインが、2007年アメリカで刊行した書籍「ショック・ドクトリン」から、世の中にひろまったものである。戦争やテロやクーデターや自然災害が発生し、国民がショックを受け、通常の判断力を失っている間隙を縫って、通常では認めら

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