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年末の大掃除で発見『中学時代の日記』~「石はなんでも知っている」ほか~

久しぶりに大掃除、中学時代の日記帳を発見

 年末の大掃除。
 本箱の中から、埃をかぶった中学時代の日記が出てきました。
 真ん中のページを開くと、なんと詩が顔を出しました。どうしてこんな詩を書いたんだろう。幼く汚い字。殴り書き。
 いったいどんな時に書いたのか、もう思い出すことはできません。
 少年から大人へと、自分に目覚め始めた頃ではあるのですが。
 誰にでも訪れる不安定で多感でエネルギッシュな瞬間が、ささやかに記されていました。
「自分て何だ、世界って何だ、命って何だ」
 外で遊び回っていた子供が、部屋の中で一人書き殴っている。それこそは、未熟でも何とか自分で歩き始めた第一歩ではないでしょうか。
 そんな、歩みの始まりを、ありのままに公開します。
 皆様も、「あの一行が第一歩だったかな」という記録が、どこかに眠っているのではないでしょうか。
 年末の大掃除で、かけがえのない何かを、発見できるかもしれません。

『石はなんでも知っている』

戦争も、握手も、川の流れも
自分が割れても、石は見ている
自分が埋まっても、石は見ている

でも、石は、何も言わない

蹴られても
海に捨てられても
石は変わりはしない

石は生きているから
永遠の生命が宿っているから

『人間』

巨大な砂漠にノミが一匹生まれた
巨大な森にハエが一匹生まれた
巨大な社会にゴキブリが一匹生まれた 
巨大な海にプランクトンが一匹生まれた
巨大な宇宙に人間が一匹生まれた

人間も、ノミも、ハエも、ゴギブリも、プランクトンも
生まれる時は同じだ
何も、変わりはしないじゃないか

『無題』


もっと一日を大事にしろ
頼れるのは俺一人
人間の生活から
考えることを抜いたら
何も残らない
いくら勉強をしても
思考がなければ
機械も同然
生活の中で
基準と形式と規則に
ふりまわされているばかり
人間的な生活とは
言えないだろう
創造と思考は
人間の特権
だから考えることを
やめるわけにはいかない


 

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