【第32話】幻想の中で生きる③
子どもの理解において順子が大切にしていることは、複数の推測をすることだ。つまり、「ああかもしれない」「こうかもしれない」と、決めつけをせず色々な可能性を考えることだ。そうすることで、保育者の関わりも多様になる。保育には「こうすれば必ずこうなる」という正解がないからこそ、そのような保育者の姿勢が大切だと考えていた。
しかし職員に対してはどうだ。なぜか対象が大人に変わっただけなのに、いつも決めつけてしまう自分がいる。飛田が記録を書けないのも、努力や熱意が足りないせいだと決めつけ