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ごはんが不味い国、メシマズ国家で生きのびるためには

教育的に進んでいる英語圏のごはんが不味いという話

この世にはどうしてもごはんが不味いといわれる国がある。そんな国に限って、といったらよくないかもしれないが、大概、教育が進んでいたりする。英語が世界の公用語である限り、英語圏に知と財が集中するのは仕方のないことだと思う。そうして、英語圏は大概ごはんが美味しくない。

有名なメシマズ国家、イギリス

イギリスはメシマズ国家として知られていて、それは半ば誇張されている部分もあるが、少なくとも私の周りには「イギリスのごはんが世界一美味しい」と言っていたひとはいなかった。美味しいものや、美味しいものが食べられる場所はあるものの、全体としてレベルは高くないといった意見が多かった。

ただ、イギリス人は優しいし、「紳士」「淑女」のイメージにそぐうひとが多いし、教育も歴史も文化も進んでいるし、音楽も好きだし、気候も悪くないし(私は雨が好きだ)、なによりイギリス英語が好きだし、そういった良い印象ももちろんある。私が書く堅苦しくないレポート課題においては、必ずイギリス英語を使っている。好きだからだ。ただ、食事をいちばん優先順位の高いことにしている私にとって、イギリスに行こうという気にはどうしてもなれない。

隠れたメシマズ国家、オーストラリア

私の友人で、オーストラリアに半年留学したひとがいる。とにかく、最初の1か月は、友人から摂食障害や異国でのストレスや過労を疑われるくらい食べられなかったという。彼女は「すこしでもましなものを食べるために、一生懸命お金をためる必要があって、可能な限りたくさん働いていた」と言っている。

それで、家族とビデオ通話をしたときに、あまりにも彼女の頬が痩せこけていたので、このままでは倒れてしまうと、家族がEMS(国際速達郵便)で大至急カップラーメン、袋麺、ポテトチップス、カロリーメイトなど、カロリーが高くて美味しい食事を送ったという。その結果、彼女は体調を持ちなおし、週2回カップラーメンを食べる日をご褒美として、半年間のオーストラリア生活を乗り切ったという。

本来、彼女は半年の語学留学を終えたあと、現地の大学院に進学する予定だったが、「こんなメシマズ国家、ほんとに耐えられん」と挫折し、いまは日本で暮らしている。日本に帰ってきて、自宅近くにあった「すき屋」に行って彼女は号泣したという。あまりにも繊細な味、慣れ親しんだ味、優しい味に涙したと語る彼女だが、実際にあの甘いたまねぎ、深みのある味を出せる醤油(塩ではなく)、何倍も繊細なものにしてくれる出汁、薄くて味が良くしみた牛肉、追加で頼んだ味噌汁といったすべてのものに感動していた。

メシマズ国家で生き延びるためには

第一に、海外生活はただでさえ環境が変わること、慣れないこと、刺激が多いこと、つまりストレスフルなものだから、食事に手を抜くと、不健康な痩せ方をして、冗談抜きで倒れてしまう。「楽しい海外生活がなんでストレスフルなんですか」という質問が来そうだが、人々が理想とする結婚生活でさえストレスフルだといわれている。引っ越しのような良いイメージが多いことでも、ストレスフルになる。楽しいとストレスは両立しうるのだ。

だから、食事を軽んじてはいけない。栄養補給の手段ではなく、こころもからだも満たしてくれる手段が食事だ。たまたまスーパーマーケットで「口福」というメーカー? を見たが、うまくできている。幸福は大概口から入ってくる。美味しい食事、楽しい会話、美味しいお酒といった具合に。

メシマズ国家で生き残る、具体的な方法

そこで生き延びるには、日本食を持っていく、高い値段を払って移民がやっているレストラン(比較的マシ)に行く、定期的に日本に帰国する、現地で自炊する、調味料だけ日本のを使う、海外対応炊飯器を持っていく、現地の比較的マシなものに慣れる、などがある。自炊するのが最良に思える。

意外に思うかもしれないが、あくまで「メシマズ」というのは、レストランあるいは地元民の家庭料理がメシマズなだけであって、食材自体はものすごく不味いというものではない。

たとえば、イギリスの場合は「天気が悪い」(前述したように、私は雨が好きなので、イギリスほど理想的な気候はないと思っている)ことにより、野菜自体が美味しくないと言われているが、だからといってあんなに食べられないほど不味くはならない。それはあくまでイギリス人の調理法が悪いだけなのだ。

自炊こそ最強の方法

だから、日本から醤油と軟水と出汁、(ひとによってはアジシオや味の素などもここに加える)を持っていけば、比較的食べられるものが出来上がる。

調味料も侮らないで

私はマヨラーで、自宅には常に3種類以上のマヨネーズが常備してある。「なんにでもかけたくなる出汁マヨネーズ」が大好きだったのだが、提供源にメールで聞いてみても、現在販売はしていないらしく、かなり困っているので、これを読んでいる丸和油脂さんの関係者の方がいらしたら、早急に販売を再開してほしい。9月にチェコに行くかもしれない予定があって、15個は買いだめする予定があるので、切実に頼む…。

マヨネーズも、イタリアのマヨネーズはほんとうに不味いので、日本から絶対に持っていったほうがいいもののひとつだ。イタリアのマヨネーズは、とにかく油のかたまりで、甘さも酸味もなんも、油の奥に隠れてしまう。ポテトフライなどには合うのだが、あれをお好み焼きにかけた瞬間、間違いなく台無しになってしまう。

調味料は、味を作る根幹だ。慣れ親しんでいるもの、あるいは慣れ親しんでいるものになるべく近いものを一生懸命探す努力は、決して無駄にはならない。

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