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採用市場はこれからもっと激化する

こんにちは。かさいです。最近強く感じることがあります。技術やAIが発達しても、変わらないのは企業の採用意欲。テクノロジーがヒトの仕事を奪うとか言っていますが、あれは置き換えられる仕事の話であって、その分、生産性を上げる仕事は増えています。また、業界特性上まだまだDXやAIの参入が厳しい業界もあり、労働集約型の脱却が難しい社会も。

そういえば、以前もインターネットが発達すれば人の仕事はなくなるとか、そんな話もありましたし、歴史を振り返ると産業革命が起こっても人の仕事はなくなっていません。変化していて、むしろ増えているように感じます。効率を求めているのに皮肉なものです。

マイナビキャリアサーチより
https://career-research.mynavi.jp/market/#data05

有効求人倍率の歴史を見ていると、ある一定の法則があることに気づきます。それは、ネガティブな事象が起こると、その後、有効求人倍率が成長しているんです。ということは、コロナが空けたいま、求人市場は過去類を見ないくらい激化するのではと筆者は勝手に予想をしています。

本記事では有効求人倍率の推移を見ながら過去の傾向と今後の予測について書いていきます。


平成大不況から新しい時代へ

1997年~2002年くらいまでは有効求人倍率が停滞していますが、2003年くらいから一気に成長します。これはインターネット市場の台頭介護保険が始まったことなど、新しい産業が勃興したことが理由です。ITエンジニアという新しい職種や介護保険が始まったことにより介護職の求人が一気に増えました。そして、この時代から、営業職はインターネットで募集する何で邪道だと思われていた概念が、一気に変わり、営業職もインターネット求人で募集をする時代になりました。

誰も予想しなかったリーマンショック

その後、忘れもしないリーマンショックという世界を震撼させた大不況が訪れます。2009年は一気に求人市場も冷え込み、有効求人倍率も一気に下がりました。当時私が在籍をしていたエン・ジャパンでも売上は半減。数年間賞与も50%カット。役員報酬も大幅カットという状況でした。多くの企業が倒産をし、社会の流れはとてもマイナスなトレンドになりました。

新たな技術やエンタメ市場が世界を変える

しかし、ここから求人市場はまた大きな復活を遂げます。理由は、クラウド市場の台頭ゲームアプリ開発戦争EC市場の台頭です。ここではシステム開発はウォーターフォール型からアジャイル開発に移行していったのです。そして、WEB開発やWEBデザイン関連の求人案件が飛躍的に伸びました

不動産市場も追い風に

また、リーマンショックの際、多くの不動産会社が倒産をしました。銀行の貸し渋りもあり、当時東証一部上場企業が黒字倒産したことも大きなニュースとして取り上げられました。リーマンショック前から不動産を証券化する動きもありましたが、この時代から証券化も本格的に進みました。あわせて、高度経済成長期に作られたビルはそろそろ老朽化を迎える時代に。今でも都内では大きなビルがつくられ開発が進んでいますが、都内の事業用不動産開発が始まったのもこのくらいの時期からです。施工管理の募集がいまでも引き続き、続いているのはこういう背景もあります。

更にスタートアップ市場が乗り込んできた

この勢いそのままに、新たな採用マーケットが生まれてきます。スタートアップ市場です。それまではスタートアップ企業やベンチャー企業はお金がないので採用ができないという時代でしたが、2015年くらいからベンチャーキャピタルからのエクイティファイナンスが急成長することで、スタートアップやベンチャー企業もキャッシュフローが潤沢になります。この辺から、ベンチャー、スタートアップも人材採用への投資を本格的に行うようになり、2018年は採用市場も獲得競争が激化しました。

新型コロナウイルスショック

そんなバブルに大きな影響を与えたのが、新型コロナウイルス(COVID-19)です。コロナショックにより、求人市場は一度ダウントレンドに落ち込みます。特にサービス業やスタートアップ、ベンチャーは苦しい数年間を過ごしました。しかし、コロナも第5類となりパンデミックは終息を迎えました

そして2023年以降

現在はインバウンドも好調で、観光業や飲食業も復活をしていると言われています。

特に大きいのが、インバウンドの回復。訪日外国人の数は、コロナ前に戻りつつあります。むしろその反動から2019年以上に上るとも言われています。

帝国データバンク資料より

食品市場も価格上昇により、売上は堅調です。価格改定効果や業務用の回復、さらには海外事業の拡大により上位20社の売上高は全社増収を確保とのこと。

ITに目を向けると、GPTの台頭により、AIエンジニアやプロンプトエンジニア、データサイエンティストの採用が積極的に行われています

最後に、何と言ってもトヨタのニュースです。トヨタ系列は全社が増益6社が最高益という結果に。円安の影響もあり、まだまだ車は海外で売れているみたいです。

人材サービス会社の業績

人材サービス事業を展開している上場企業のIRも確認しました。どの企業の軒並み、前年度を上回っています

リクルートホールディングスQ1業績比較 FY2022・FY2023
エン・ジャパン1Q業績比較 前期と今期
JACリクルートメント 第2四半期比較 2022年・2023年

これ以外でも、人材サービス会社がテレビCMをやりまくっていることを考えれば、業績が良くて今はマーケを踏んでいるんだろうと予測もつきます。

その上で企業は、人材サービス会社頼りではなく、自分たちで採用における最適解と再現性のある仕組を整備していく必要があります。場当たり的な採用ばかりしていては、いつまでたっても人材サービス会社頼りで採用コストばかりかかります。

問題はこれだけではありません。採用上の競合が増えるだけでなく、働き方の柔軟化。そして、検索型求人、ダイレクトリクルーティング、業界特化型人材紹介、リファラル採用、アルムナイ採用など、採用の手法も複雑化、多様化しています。以前のように、リクナビネクストやタウンワークに掲載をしておけば、採用ができる時代は終わりました。課題山積です。

謝辞

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。ここまでの内容は課題山積というところまでを記事にしました。ただ、光がないわけではありません。複雑化、多様化しても、採用における原点は変わらないというのが筆者の見解です。次回、原理原則について記事を書きますので、ご期待いただけると嬉しいです。また、本記事をお読みいただき、少しでも不安な部分がある場合、どんな些細なことでも構いませんので、かさいまでご相談ください。

それから、本記事ですが、読み応えあったなと感じていただけましたら、スキをぜひおねがいします!X/Twitter(@hiroshikasa)でもいろいろとつぶやいていますので、フォローをいただけますと嬉しいです!

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