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双眼実体顕微鏡のフレア解消法
はじめに最近購入した廉価品の双眼実体顕微鏡で白い背景で虫を観察すると、視野全体に白っぽいフレアが広がり、まったく使い物にならないことが判明した。廉価品とは言っても、メーカー希望小売価格10万円、実勢価格4万数千円である。実に落胆させられたが、ローテクの工夫でフレアをほぼ解消し、劇的にコントラストを上げることができた(トップ画像参照)。材料はタダ同然の簡単な工作でできるので、紹介する。
フレアの発
簡単なヤマビル撃退法
虫を始めて間もない2017年初夏のこと。当時、地上徘徊性甲虫のゴミムシ類の採集にハマっていたのだが、身近な耕作地に生息する種は大方把握できたので、湿地性の種を見たくなり、居住している厚木市内にある休耕田の湿地(下写真)に、夜中に行ってみたことがあった。
ライトで地面を照らすと、予想通り、湿地性のゴミムシ類がたくさんいるではないか!憧れていたアオゴミムシやミイデラゴミムシも活発に動き回っていた。採
自宅の庭に孤立発生したオオミノガ
オオミノガEumeta variegata (Snellen, 1879)という虫がいる。日本産のミノガ科(いわゆるミノムシ類)で最大の種である。幼虫は広食性で、あらゆる植物の葉を摂食する。終齢幼虫が被るミノは、トップ画像に示したような長さ数センチもある立派なもので、いわゆるミノムシのイメージに最も近い種だろう。オオミノガはほとんど人里にしか生息しないため、一昔前、冬に葉を落とした庭木に越冬中の幼
もっとみるサムライアリの思い出
あれは私が小学校低学年くらいの時のことだ。茨城の実家には父親が作ってくれた砂場があり、よく近所の小さい子も砂場目当てに遊びに来ていた。ある日、隣の家の年下の女の子と砂場で遊んでいると、突然アリの大群がやってきて、砂場の上を通過し始めた。アリの行列と呼べるものではなく、文字通りの大群で、幅1 mくらいに広がっていた。隣の空地の草むらから続いているようである。あっけにとられて見ていると、大群は砂場のす
もっとみる昆虫採集時の恐怖体験
歌田 年「紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人」
2018年の「このミステリーがすごい!大賞」の大賞受賞作らしい。普段ミステリ本を含む小説はめったに読まないのだが、本厚木駅前の有隣堂書店で、「厚木市内の地名が出てくる名作」みたいな厚木市民の心を鷲掴みにするポップが付いていたので、気になって読んでみた。ミステリとしてのストーリーもよくできてるし、意外な方向にテンポよく話が展開して、なかなか面白か