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Vol51 雪国に移住!住宅選びのテクニック⑨,⑩

雪国に移住をする時、大切なことは冬対策です。
とくに、住宅を選ぶときには、冬の暮らしを想定しなくてはいけません。
そこで、雪国での住宅選びに失敗しないように、雪国特有のチェックポイントをお教えします。

こんにちは、移住専門FP「移住プランナー」の仲西といいます。
ここでは、これまでの17年間の活動、2000組以上の移住相談対応から
皆さんに役立つ情報を書いています。
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1⃣ はじめに

雪国に移住をする時、大切なことは冬対策です。
そして「住まい」選びも、冬の暮らしを想定しなくてはいけません。

例えば、「冬でも暖かい家」や「雪がたくさん降っても安心な家」が理想になります。
また、田舎移住を希望する人の6割以上は、中古住宅(空き家)の購入を考えます。
新築と比較してリスクの高い中古住宅(空き家)を購入するのであれば、とくに注意をしなければいけません。

そこで、「移住プランナー」として200組以上の移住者をサポートし、また「空き家相談士」として空き家選びに熟知し、そして自ら雪国(北海道)に移住し、20年近く居住した経験から、雪国における住居選びのポイントをお教えします。皆さんの知らない「雪国ならではの事情」について、細かくお伝えします。

2⃣ 雪国に移住!住宅選びテクニック

No⑨ 融雪槽、ロードヒーティングの無い住宅

 雪国では玄関前等に融雪槽やロードヒーティングを設置している家があります。

ちなみに、融雪槽とは地下に設けた水槽に路上等の積雪を投げ入れ、廃熱や地下水及び下水処理等によって雪を溶かすものです。
とくに、融雪機と呼ばれるものは、施設槽内に投入した雪を燃焼熱で温水加温し、あるいは直接槽内の雪を加温して、雪を急速に溶かすことを目的にした装置を指します。

一方、ロードヒーティングは、車や歩道の舗装内に、電熱線類または温水を循環させるパイプを埋設し、路面を加熱することで、防雪、凍結防止目的とした装置を指します。

こうした、融雪槽やロードヒーティングが敷地に設置されていれば、除雪が楽になると思いがちですが問題もあります。
例えば、中古住宅(空き家)の融雪槽やロードヒーティングは故障をしているケースが多くあります。
たとえ故障をしていなくても、長年放置していたことで、すぐに壊れるリスクもあります。
例えば、壊れているものを修理して利用するのならば良いのですが、そのまま放置をするのであれば、取り外すことも出来ずに負の設置物として残り続けます。

とくに、こうした設置物は除雪車等の除雪時の妨げになります。
ホイールローダーなどが爪先で引っ掛けてしまうことも多く、物損事故のリスクを含みます。

ちなみに、融雪機やロードヒーティングは、電気代が嵩みます。
とくに、ロードヒーティングは立ち上がりが遅く、不凍液の交換費用も掛かります。
費用対効果を考えて、住宅に設置されていることを喜ばない人も多いのが現状です。

そこで、融雪槽やロードヒーティングが設置されている家ならば、そのリスクを十分に理解することが必要です。
中古物件(空き家)の状態では、購入前に動作テストをすることは容易ではありません。
あえて、融雪槽やロードヒーティングに頼らないでも、除雪が容易な物件を選択することをおススメします。
万が一、融雪槽やロードヒーティングが壊れても、堆雪のスペースが広くあるなど、除雪に困らない家を選択する必要があります。

No⑩  屋内型ガレージのある住宅

雪国では車のガレージは必須です。
ひとえにガレージと言ってもその種類は多く、最近ではポートタイプも多くみられます。

しかし、ポートタイプは吹雪のなかでは、ほとんど効果はありません。
また、昔に建てられた中古住宅には、木造のガレージも多いですが、雪の重みで主柱が傾き、シャッターの開閉の出来ないものが見られます。

そこで、一番おススメのガレージは、「ビルトインタイプ」のガレージになります。

ビルトインタイプの場合、建物から直接ガレージに入れるようにドアが設けられています。
玄関から一旦、氷点下の外に出なくても、車に乗り込めるメリットがあります。
また、家の暖気を取り込めたり、ガレージ内に暖房ヒーターなどを設置することも可能です。
家を建設する際、ビルトインタイプのガレージであれば、外壁に断熱を施すことも可能です。

但し、ビルトインタイプのなかでも要注意なのが「半地下ガレージ」と呼ばれるものです。
なぜ、半地下のガレージがあるのか?
理由の一つに、ガレージを半地下にすることで、住宅が3階建てになることを防ぐためがあります。
建築法上2階建ての建物とし、税金を抑えることが目的と言われています。
しかし、半地下ガレージは住宅を2階建てに抑えるために、充分な高さを確保することが難しくなります。
昔は、セダンタイプの乗用車のように、車高の低いものが主流でしたが、近年はミニバンなどファミリータイプの乗用車が主流となり、半地下のガレージには入庫できない車があります。

特に、半地下タイプのガレージのある家を購入するのであれば、冬期間に確認をする必要あります。
何故ならば、積雪によりガレージ前の地面が上がることで、ガレージに入庫できる車の高さがさらに低くなるからです。
夏期間は車をガレージに入庫できるが、冬期間は車の入庫できない事態に陥ってしまいます。
降雪のある冬期間こそ、ガレージに入庫させる必要がありますが、冬期間に入庫できないのであれば本末転倒でしかありません。

さらに、ガレージから車を出し入れする方向にも注意が必要です。
冬期間の風向きや雪庇ができる方向を見極めておかないと、車の出し入れで苦労をすることになります。
また、ガレージの周辺に堆雪のスペースが十分に確保できていることも確認が必要です

そこで、ビルトインタイプのガレージのついた家はおススメです。
但し、半地下タイプのガレージの家を購入するのであれば、冬期間の状況を事前に確認することをおススメします。


3⃣ 最後に・・・


「衣食住」と言われるように、私たちの生活で「住むところ」はとても大切です。
1日の中で、最も長い時間を過ごすのが自宅です。
そこは、快適な時間を過ごすことが出来て、心の安らぐ場所でなければいけません。
特に雪国ならば、その空間はとても大切になります。
そのためにも、住まい選びは慎重に進める必要があります。

このコラムが、雪国への移住を検討される皆さまに、少しでもお役に立てれば幸いです。

4⃣ TOPの画像


最後に、私の好きな雪景色をプレゼント

北海道美幌峠と屈斜路湖

「天下の絶景」と呼ばれる美幌峠は、美空ひばりさんも「美幌峠」のタイトルで歌われました。
美幌峠の標高525mにあります展望台からは、ぽっかりと中島が浮かぶ美しい屈斜路湖を一望できます。

この雪景色の大パノラマも最高ですね。
ちなみに、屈斜路湖といえば幻の恐竜「くっしー」ですが、顔を出すわけないですね。

最後まで読んでいただき有難うございました。
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移住専門FP「移住プランナー」として活動をしています。これまで17年間2000組以上の移住相談に対応をしてきました。ここでは、私の経験からお役に立てる情報を日常的に綴っていきます。「移住」という夢の実現にお役に立てればうれしいです。大阪出身、北海道と鹿児島の3拠点生活中。