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遠回りの人生

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#孤独

秋刀魚のほろ苦さ。

秋刀魚のほろ苦さ。

つい最近、こんな記事を書いた。

これ以来古典的日本映画に少しずつ手を伸ばしている。

そんな中、早くも傑作に出会うことができた。

それが小津安二郎監督の『秋刀魚の味』である。

小津安二郎監督の遺作となった本作では、結婚を巡る父娘の関係性を主題に人生の孤独が丁寧に描き切られている。

今回は僕が考える『秋刀魚の味』の素晴らしさについて少し書こうと思う。

✳︎

着眼点①:構図と”空白”による

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月舟町三部作から感じたことvol.1 ~夜と雨の在り方~

この春休みにした数少ないことの中に読書がある。

色々と読んだけれど、1番印象的だったのは吉田篤弘さんの月舟町三部作。

月舟町三部作とは、『つむじ風食堂の夜』『それからはスープのことばかり考えて暮らした』『レインコートを着た犬』で構成された小説のこと。(『つむじ風食堂と僕』という番外編もある。)

僕は『月とコーヒー』をきっかけに、吉田篤弘さんの鮮明でありながら輪郭のぼやけた世界観の虜になってし

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兄弟がいないならペットだけでも欲しかった。

兄弟がいないならペットだけでも欲しかった。

僕は一人っ子だ。

一人っ子だからこそのメリットもそれなりに享受してきたつもりだが、やはり血を分けた兄弟が欲しい。

なぜなら拠り所が無くて寂しいから。

僕が生まれたとき、両親はもう結構な歳だった。
だから今、母は60歳を目前に控え、父は定年退職を迎えている。

親の老後がもうすぐそこまで迫ってきている。
僕はまだ大学生活の中間地点にいるというのに。

正直言って、何か起こったときにどうするかな

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