【米国株式投資】TモバイルUS / TMUS / 予想配当利回り0.8% / 中立:最新の23年4Q決算と今後の株価見通し(T-Mobile)
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本日のアナリストは、🇨🇾キプロスを拠点に活動している、イアニス・ゾルンパノス氏です。
自己紹介
ゾルンパノス氏は、詳細なビジネス分析を通じてデューデリジェンス・プロセスを向上させることを目的とした株式市場調査プラットフォーム、「Yiazou Capital Research」の創設者。
以前はDeloitteとKPMGで外部監査と内部監査、コンサルティング業務に従事。公認会計士資格を保有し、ACCAグローバルのフェロー・メンバー。
また、英国の一流ビジネススクールで学士号と修士号を取得。
最新のレポート紹介
TモバイルUS / TMUS / 予想配当利回り0.8% / 中立:最新の23年4Q決算と今後の株価見通し(T-Mobile)
Ticker: TMUS / 2848文字 / 所要時間6分程度 / 中立
サマリー
ドイツテレコムは2013年にTモバイルUSAをプリペイド専門のメトロPCSと合併させ、さらに2020年にはスプリントと合併し、米国第2位のワイヤレスキャリアとなっている。
TモバイルUS(TMUS:予想配当利回り0.8%)は、2024年1月25日に23年第4四半期決算を発表している。
TモバイルUSの概要
セクター:情報通信
現在の株価:163ドル
時価総額:1938.6億ドル
一株当たり本質的価値:142.71ドル
安全マージン:-14.45%
過去5年間の配当成長率:N/A
配当落ち日:2024年2月29日
配当支払い日:2024年3月14日
予想配当利回り:0.80%
過去5年間の売上高成長率:5.80%
過去10年間の売上高成長率:6.90%
ドイツテレコムは2013年にTモバイルUSAをプリペイド専門のメトロPCSと合併させ、さらに2020年にはスプリントと合併し、TモバイルUS(TMUS)は米国第2位のワイヤレスキャリアとなった。
同社は現在、7,600万人のポストペイドと2,200万人のプリペイドの電話顧客にサービスを提供しており、これは米国の小売ワイヤレス市場の約30%に相当する。
同社は2021年に固定無線ブロードバンド市場に積極的に参入し、現在では約500万人の住宅および企業顧客にサービスを提供している。
さらに、T-モバイルは再販業者に卸売りサービスも提供している。
TモバイルUSの収益と成長に関して
TモバイルUS(TMUS)の第4四半期の1株当たり利益(EPS)は1.67で、前四半期からわずかに減少したが、前年同期と比較すると大幅に改善している。
また、1株当たり売上高もここ数四半期で着実に増加している。
一方で、長期的なパフォーマンスを見ると、同社株の非経常損益項目を除くベースでのEPSの過去5年間の年平均成長率は8.10%で、長年にわたり一貫した成長を示している。
さらに、過去のデータを見ると、同社は安定した財務レバレッジを維持しており、成長イニシアチブを支えることができていると見ている。
加えて、今後10年間、同社の業界は安定的に成長すると予測されていることから、同社はこの成長ポテンシャルを活用するのに有利な立場にあるように見える。
TモバイルUSの配当に関して
TモバイルUS(TMUS)の過去の配当支払いを見てみると、2023年12月より会社史上初めて四半期配当を開始したことが分かる。
そのため、配当の歴史という観点では、まだ日が浅いというのが現状である。
一方で、EBITDA純有利子負債倍率は4.17で、健全なバランスシートを示している。
また、予想配当利回りは0.80%となっており、投資家への配当を通じた適度なリターンを表している。
加えて、直近四半期、同社は一株当たり配当金(DPS)0.65ドルを発表し、配当落ち日は2024年2月29日、支払い日は2024年3月14日だった。
同社の配当実績のセクターとの比較に関しては、過去数年間の間、配当の支払いが無かったことからも、こちらでは割愛したい。
ただし、安定した配当収入と確実な配当利回りを求める投資家は、特にEBITDA純有利子負債倍率が堅実なTモバイルUSに魅力を感じるかもしれない。
しかし、大幅な配当成長や配当利回りを求める投資家にとっては、同セクターの他社がより魅力的な機会を提供している可能性がある。
予想配当利回り:0.80%
配当性向:9%
配当カバレッジ・レシオ:10.66
過去5年間の配当成長率:N/A
EBITDA純有利子負債倍率:4.17
TモバイルUSのバリュエーションに関して
TモバイルUS(TMUS)の現在の株価は163.34ドルで、弊社算出の一株当たり本質的価値である142.71ドルよりも割高で取引されている。
また、実績PERは23.57となっており、株価が収益に比べて相対的に割高であることを示している。
加えて、株価売上高倍率は2.5となっており、投資家が同社の売上高1ドルにつき2.5ドルを支払うことを望んでいることを示唆している。
EV/EBITDA倍率は11.12となっており、同社の企業価値がEBITDAの11.12倍であることを意味する。
過去5年平均、10年平均と比較した場合、同社は株価売上高倍率とEV/EBITDA倍率に基づくと、より高いバリュエーションで取引されているように見える。
さらに、業界平均と比較しても、同社はこれらの指標において割高で取引されているように見える。
しかし、同社への投資判断の前には、他の要因を考慮し、包括的な分析を行うことが不可欠である。
TモバイルUSのリスクとリターンに関して
TモバイルUS(TMUS)のリスク評価分析では、投資家が投資決定を下す前に考慮すべきいくつかのポイントを取り上げたい。
まず第一にマイナス面に関しては、同社が過去3年間に14億米ドルの長期債務を発行していることは、潜在的な財務負担を示している。
さらに、売上高の伸びと比較した総資産の急速な伸びは、効率性の低下を示唆している。
加えて、PBRの3.02と株価売上高倍率の2.5は、10年来の高水準に近く、割高感を示しているように見える。
そして、AltmanのZスコアが1.46とディストレストゾーンにあることは、今後2年以内の倒産リスクを示唆している。
一方で、プラス面に関しては、ピオトロスキーFスコアは7で、健全な財務状況を示している。
また、ベニッシュMスコアの-2.81は、同社が利益操作をしている可能性が低いことを示唆している。
さらに、営業利益率の拡大は好ましい兆候であり、23.57の予想PERは3年ぶりの低水準に近くなっている。
さらに、同社は一貫した売上高と利益の成長を示している。
TモバイルUSのインサイダー(内部関係者)による売買に関して
TモバイルUS(TMUS)のインサイダー取引データによると、過去12ヶ月のインサイダーによる同社株式の買い付けはゼロであった一方で、同じ期間に42件の売却が確認されている。
このインサイダーによる売却の多さは、取締役や経営陣を含む会社インサイダーが同社の保有株を売却していることを示している。
但し、インサイダーによる同社株式の保有比率は僅かに0.92%である点にはご留意いただきたい。
しかしながら、インサイダーによる売却トレンドは、インサイダー保有率の低さと相まって、同社の将来の見通しに対する会社内部関係者の信頼について投資家に懸念を抱かせる可能性がある
一方で、機関投資家の保有比率は26.79%となっており、機関投資家が同社の株式に大きな存在感を示していることが分かる。
TモバイルUSの流動性に関して
TモバイルUS(TMUS)株式の直近営業日の出来高は3,546,720株で、過去2ヶ月の平均出来高は4,610,675株となっている。
これは、同社株式の取引量が安定して堅調であると言え、同社株式の流動性が比較的良好であることを示している。
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