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書籍レビュー「科学的な適職」

さて、本日は投資・経済関係ではなくキャリア関連でおもしろい本があったのでレビューでも残しておく。

本日紹介する書籍はこちら


鈴木祐さんの「科学的な適職」です

総評、感想

結論から言うとかなりおもしろく、学びは多かった。普通に良書と個人的には評価している。
タイトルから察せる通り、仕事のキャリア選択についての書籍であり、転職の際の仕事の選び方や気を付けることなどが書いてある。
それをただ著者の意見等だけでなく、実際の統計を引用して論拠づけるなど論理的に裏付けを持って説明している。
ロジカルな発想を好む人には納得しながら読めると思う。

またこの手の本にありそうな、転職をとにかく勧めたり、今の職業の悪いところを探せ などという視点はほぼないといっていい。

ブラック企業レベルであれば即座に転職すべきだが、今のままでいいか迷っている人にも適した内容が書かれており、オススメできる。

以下、個人的に印象に残った内容をまとめていく。

仕事における適度なストレスは必要。

仕事におけるストレスというのは全くなくてもマイナスに働くこともあるらしい。統計上楽すぎる仕事は空虚になり、適度なストレスは仕事の達成感、満足度を上げるとのことだ。
適度なストレスってのは度合が難しいとは思うが、話でしか聞かないけど昔ながらのやめさせるための左遷部署なんかがあったことを考えると案外正しいのかもしれないと思う。

仕事における裁量の重要性

仕事において自由裁量がある程度あることはとても大切という内容。
統計だと裁量のない仕事についた労働者は喫煙者より寿命が短いというデータもでているという話。
もちろん喫煙より健康的に害だというのを盲目的に信じはしないし、裁量が
100%あるなんてのは自分が作った会社を一人でやるくらいのケースしかないと思うが、あまりルールとかガチガチだったら疲れちゃうだろうなぁと思う。
自分自身もどちらかというと報告・相談等はもちろんするが、ある程度は現場判断をさせてほしいし、任せてもらえた方がやりやすいというタイプなのでここは同意。
もし今後転職するならここは重視したい。

好きなこと、憧れを適職にするのは難しい

今の職業的に自分はこのタイプではないが、これも難しいと思った。

最初はいいだろう、夢を叶えてきっとモチベーションも高い、短期的には上がるだろう。ただ人間には慣れがあるし、予想通りにはいかないこともある。
実際憧れの仕事についても、理想と異なったことや、こんなことも必要と聞いてないという作業、やりたくないのにやらざるを得ない細かい作業が必ず1つは生じるだろう。
それがモチベーションの上下に繋がり、本当は好きではないのではないか、自分には向いていないのではないかという認識に陥ることもあるらしい。

元々好きや憧れがある分、マイナスな面に目を瞑ってスタートしてしまうとこうしたケースは十分あるのかなと感じた。

またギグワーカー等も最初は自由を求め、自分のペースで実際にできるのかもしれないが、長期的に見て仕事を確保できるかわからない不安定さや社会的支援の不足がストレスになる人も多いらしい。

適職を探すということは難しい

読んであらためて思ったのは就職・転職には正解がないから難しいと再認識した。
特に学生から初めて就職する時などは、いきなり社会の中から働く場を選べ って言われるんだから冷静に考えると無茶振りだと思う(笑)
好きなことを仕事をするのも、給与や待遇、安定性で仕事を選ぶのもどれもきっかけとしては誰しも考えることだし間違いではないと思う。
ただそれが正解かどうかは結局会社に入って働きはじめてみないとわからないのは仕方ないのかなと感じた。
また在職中良くも悪くも周りの人や転勤など環境が変わる要素も多くあるし、尚更だ。

最後に

自分自身はこの本を手に取ったというのことは、少なからず転職に関心を持っているということだ。
別にいますぐ辞めるようなレベルではないけど、良いところもあれば思うところも色々ある。

最初に述べたがこの書籍の感心したところは、転職のことだけでなく今の仕事を好きになること、現状を整理・把握しやりがいを再構築するという維持の視点もきちんと書いてあるところだ。

キャリアは人生にとって重要なものであるからこそ、最後まで読者自身が選択できるような文面の書き方をしているのは非常に評価できる。

読んでみて、自分自身はそんなに悪い職場ではないし、様子見ながら自分磨きも怠らぬように新しいこともやっていきたいなという考えになりました。

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