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39.シェアハウスを始めて移住資金にする

ホロスコープ鑑定によりイタリアへの移住は2013年7月以降になりました。
出発まで1年半ほどの猶予があります。
日本にいる間にとにかく移住資金を少しでも多く貯めようといろいろ考えた結果、シェアハウスを思いついたのですが……。


派遣で貯金は難しい

唐突ですが「ねんきんネット」をご存じでしょうか。
これまでの人生で払った厚生年金、国民年金の額がリスト化されていてイタリアからでもインターネットを通じて確認できるようになっています。
それによると派遣社員時代の私の収入は月額250,000~300,000円でした。

ここからマンションのローン返済、管理費、修繕積立金、光熱費、通信費、食費、各種保険料を払い、さらに年に1度はイタリア滞在までしていたうえ、毎月派遣の仕事があったわけでもありません。
料理教室やシチリア食堂の収入は微々たるものでしかないし、まともな貯金をするのは難しかったです。

というより、貯める気がありませんでした。
もともと財テクに興味もなく、あれば使ってしまうタイプなので、例のローン早期返済用に貯めていたお金もとうの昔に使いきっています。
イタリアへ移住して仕事がなくなれば、あっという間に銀行残高はゼロです。

これを件の占い師の友人からも指摘され、移住までの1年半でとにかく100万円ぐらいは貯めることにしました。
派遣の仕事も選り好みせず、なるべく高時給、かつ残業の多いものを。
毎月のシチリア食堂や料理教室も並行してとにかく貯金額を増やすのが目標です。

シェアハウスを始める

人間、追いつめられると苦手なことでも受け入れ何とかソリューションを見つけ出すように思います。
貯金額は増やしたい。
でも私のカラダは1つだけだし1日は24時間しかありません。
いま、自分の手の内にあるものを活用してお金を生み出すにはどうすれば良いのでしょうか。

港区海岸の自宅マンションは2LDKという間取りでした。
玄関を入って奥のドアを開けると、リビングダイニングキッチンです。

ダイニングカウンターの向こうがキッチンという間取り
リビングの奥に3つのドア。手前レンガの裏がバスルーム

リビングの奥に配置された3つのドアはそれぞれ、バスルーム、メインベッドルーム、そしてデスクとソファだけを置いた仕事部屋へとつながっていました。
各部屋の独立性が高いし、ドアには鍵も付いています。

実はシチリアで寿司を作っていたとき、4ヵ月ほど不在だったので友人を介して知り合った人にマンションを短期貸ししていました。
それが、彼女はすっかり部屋を気に入って、私が帰国してからもしばらく2人で暮らしていたことがあったのです。

そんな体験をすでにしていたこともあり、仕事部屋をシェアルームとして貸し出すことを思いつきます。
今でこそシェアハウス流行りですが2012年の日本ではまだまだ少数派。
それでも募集をかけたら何人かの応募があり、最初に家具付きで一戸貸しをした時よりも手応えがありました。

運命のシェアメイト

シェアルームは8畳のフローリング。
部屋にはソファベッド、デスク、イス、クローゼットもあります。
南西角部屋の2面採光。
南の窓からはレインボーブリッジが見えて西の窓はベランダ付き。
キッチンやリビングダイニングのものは自由に使って良く、ひと声かけてくれれば友だちを呼ぶことも可能。
インターネット完備。
マンション入り口はオートロック、宅配ボックス付き。
JR浜松町駅から徒歩8分で目の前には日の出桟橋……けっこうハイスペックなシェアルームだったと思います。

7月に募集を開始、8月の終わりに3、4人を面接して、その後のメールのやり取りなどから最終的に私が一緒に住んで気が合いそうだな、という人に決めました。

そして入居手続きのときに知ったのですが、彼女の職業はキャビンアテンダント、CAだったのです。
羽田と成田、両方にアクセスの良い浜松町は好立地ということでした。
さらにCAという職業柄、家にほとんどいないのでセキュリティやゴミ捨て問題などからも一人暮らしではなく、シェアスタイルの人が多いということをそのとき初めて知ります。

CAさんって本当に家に帰って来なくて、特に彼女はヨーロッパやアメリカといった長距離フライトにも搭乗していたのでシェアハウスを始めたものの、私はほとんどひとり暮らしをしているようなものでした。
そして思ったとおり、ものすごく相性が良く一緒に過ごす時間も楽しかったし、なんと彼女はその後、数年に渡ってその部屋に住みつづけることになります。
休みを利用してローマまで会いに来てくれたこともあるし、まさに運命のシェアメイトに出会えた感じです。

こうして喫緊の課題である資金不足も解決の兆しを見せ、新しい派遣の仕事も決まり、イタリア移住もグッと現実味を帯びてきました。

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