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「両親を失った辛さと孤独感」

 わたしは、もうよい齢だ。わたしの年代の人で両親を失っている人は、きっと多いであろう。
 わたしは、父を肝臓ガンで亡くし、その父が亡くなったショックで母が、痴呆症になってしまった。アルツハイマーである。
 母は、わたしと弟の顔さえ見ても誰だか分からない状態だった。
 父の後を追うようにして、母がなくなった。だから、葬儀が相次いであったという感じだった。
 

父の死を知ったとき

 葬儀の際は、忙しくしているので気がまぎれる。
 葬儀が終わり、落ち着くと、もう両親はこの世にいないんだな、という悲しみを超えた孤独感を痛切に感じる。
 妻に言わせると、夜、わたしは、寝言をいって泣いている日があるという。きっと、両親を失った孤独感にひしひしと耐え抜かなければならない辛さに負けそうになる日があるのだろう。
 そのたびに、娘のために長生きをしなくてはならないと思う。

葬儀

 妻が、わたしの後を追うようにして、亡くなるとは到底思えない。
 しかし、娘は、その頃結婚していたとしてもわたしの死は受け入れがたいものとして、悲しむであろう。

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