J M Chieko

南の国で暮らしています

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最近の記事

続猫おばさん

一瞬で猫が増えた。 大きなお屋敷に住む友人の家の隣人さんの敷地内にお母さん猫が仔猫を置き去りにしてしまったので貰い手を探している、という連絡をもらったもので、男の子なら引き取るよ、と返事をした。 仔猫のうちは家の中メインで育てるけど、 大きくなったら主に外で暮らすことになるわけで、女の子だと手術が絶対に必要になるよなあ、だから女の子は難しいかなと思っていたので。 避妊手術。 かつてやむにやまれず愛犬のそれをしたとき、夫がひどく落ち込んだ。こんなことをしたら来世に自分は子

    • 猫おばさん

      晴れて猫おばさんになった。 今までは犬おばさんだったけれど、これからの私は犬猫おばさんだ。 南国ぐらしというのは、いろんな生き物との闘いがつきものだが、我が家が困っているのは、ネズミ。ネズミってさ、顔は可愛いのにしっぽがあんなんだから、リスに負けるんだよね。リスだってネズミと同じようなことするのにね。 話を戻してネズミ。 奴らはありとあらゆるところに潜り込み巣作りをする。そしてそこにあるケーブルやらなんやらを食いちぎる。細かい描写は気持ち悪いので避けるが、とにかくあいつ

      • 以心伝心のこと

        以心伝心を信じますか? 以心伝心とは、 だそうですが、 ときに人は、以心伝心がうまく行かず、相手にがっかりしてしまうこともありますよね。 なんて自分勝手な都合のいい使い方。 以心伝心は日本の心でもあるかな、と思います。 日本人の心、かな。 でも過信すると失敗するものでもあります。 私は日本を出てからは特に以心伝心を信じていません。仕事を始めてからは更に信じなくなりました。 なので、伝えたいことは言葉にする、文字に残すことを心がけています。 思ったように伝わらなか

        • 優先順位のこと

          基本的に無駄なことは何もないと思っている私ではありますが、優先順位は考えて行動したほうがいいなあと思っています。 転んで怪我をしてあっちゃーっていうときも、例えばそれがきっかけで出会いがあって人脈が広がっちゃうとか(実際に近所の横断歩道でバイクに追突されて、あーれーと倒れたときに助けてくれた果物屋さんと仲良くなって日々色々おまけしてもらうようになりました)、今はわからなくてもいつか点と点がつながり線になるときが来るとか(ジョブスの影響)、そういう思考で生きています。 しか

        続猫おばさん

          頼むこと

          基本的に誰かに頼むなら自分でやったほうがいい、というタイプの人間だった。頼むのがとにかく苦手、なのだ。それは特定の誰か、ではなく、誰に対しても感じる感情だった。 今いろいろとあって、かなり些細なことまで誰かに頼まないとどうにもならない状況が続いている。というわけで、頼まざるを得ない。 身近なところでは夫や子供たち。 勇気を出して友達に頼むこともある。 そして今の生活が何とか回っている。 頼み方にコツがあるのならば知りたいけれど、頼んだ相手に負担にならないよう、もしくは負

          頼むこと

          【#03】真夏の蛙化現象。

          この夏も(この20年以上ずっと私は夏だけどさ)、イトーダーキさん主催のリレーエッセイに参加させていただきます。 今回はリレー小説。 まずは第一章、第二章をお読みください。 チエコの夏。緊張の夏。 ー第3章下戸川花火大会の伝説 「ねえ、ノリユキ、マユの進路希望って聞いたことある?」 ノリユキが知ってるわけなんてないことくらい私はもちろん知っている。 「聞いたことないよ。チエコ、親友なのに知らないの?」 高校3年生の夏。 私にとって大事な夏の行事、下戸川花火大会に行か

          【#03】真夏の蛙化現象。

          生きづらさの正体のこと

          ここ数年のことだと思うけれど、「生きづらい」という言葉をよく目にするようになった。何となくぼんやりと言わんとしていることはわかるような気がするけど、私にはその正体がよくわからない。 繊細な人がそう感じることが多いのかな?私は子供のころから、とりあえず周りのみんなとはちょっとずれたところにいたい、と思っていて、だからこそ田舎を飛び出し、日本を出た。 そんな私なので、心の動きが緻密な人の気持ちを理解するのが難しい。もっと楽に考えたらいいのに、と思ってしまうけど、楽に考えられない

          生きづらさの正体のこと

          20年と1日目のこと

          無事に息子は二十歳になった。 我々夫婦も親になって20年ということだ、感慨深いような深くないないような。 親になって20年と1日目、つまり21年目の初日となる息子の誕生日当日の私はどんな一日だったのか、私のために記録する。 前日から泊りがけで遊びに行っていた息子、多分友人たちがカウントダウン的なことをしてくれたのだとは思うけれど、空が明るくなったころに友達を一人連れて帰宅。鍵を開けたあと、私は二度寝したのだが、二度寝から目覚めたら、長女が、 「おかあさん、バスルームがね

          20年と1日目のこと

          粒胡椒の呼気のこと【勝手にリレーエッセイ2023"春"#5】

          エビデンスがないと無意味なのか。 エビデンスがあれば有意義なのか。 実際に検証しようがない、いや、努力すればできるのかもしれないけれど、私にはその勇気もサンプルも持ち合わせていない、その内容をここで書こうと思う。 この度参加させていただいたリレーエッセイ、長谷川林太郎さんからバトンを受け取りました。 まずは長谷川林太郎さんのエッセイを読んで、キューバ音楽で明るく元気な気持ちになって、そしてグーグルマップでキューバの位置を確認して、そしてその地図を好きな方向に横にぐぐーっと

          粒胡椒の呼気のこと【勝手にリレーエッセイ2023"春"#5】

          呼び名のこと

          夫はかつてわたしのことをぶうちゃんとよんでいた。 言葉が出るのが遅かった夫の甥っ子が、しゃべるようになったら何に対してもぶうぶう言っていて、それが可愛かったので、私のことをぶうちゃんとよぼうと思ったらしい。あくまでも、可愛かったからのぶうちゃんであり、まるっこいからぶうちゃん、ではない(と今でも思っている)。 ぶうちゃんはあるときからぶっちになったりもした。しかし、流石にこっぱずかしい気持ちになったのか、人前では私のことを名前でよぶようになった。そして、夫が私をぶうちゃんと

          呼び名のこと

          こちら正月でした。 一年で一番暑いときに正月、 きっと太陽の恵み的なそんな意味があるんだろうな。知らんけど。 占いで定められた時間に占いで定められた方向を見て調理開始し、占いで定められた時間に占いで定められた方向を見て新年初めての食事をする。 これって無意味で有意義?

          こちら正月でした。 一年で一番暑いときに正月、 きっと太陽の恵み的なそんな意味があるんだろうな。知らんけど。 占いで定められた時間に占いで定められた方向を見て調理開始し、占いで定められた時間に占いで定められた方向を見て新年初めての食事をする。 これって無意味で有意義?

          豊かに見えて無意味なこと

          今の季節、朝、庭を一周すると少なくとも5個はマンゴーが拾える。 だから何だ、という話だが、本当は20個くらいは落ちていて、リスか鳥か何かしらの小動物たちが食い散らかしたものの中に、まぐれで無傷のマンゴーが落ちている、という感じである。 我が家にはマンゴーの木が4本ある。 だから何だ、という話だが、マンゴーがわさわさできたところで家族のだれもほとんど食べない。気が向いたときに食べるかもしれないという程度である。もったいないお化け発動した私が例えばマンゴープリン、とかマンゴ

          豊かに見えて無意味なこと

          魔法の言葉のこと

          「あなたにはその価値があるから」 というロレアルのコマーシャルを覚えておいでの方はいらっしゃるだろうか。私と同世代であればすぐに思い出していただけると思うのだけど、 この言葉ほど便利なものはないと、最近思う。 「私にはその価値があるから」 何かを判断しなくてはならないときに、主語を私に変えて、この言葉を使う。 今朝だって、タクシーで行くかバスで行くかを出かける直前まで悩んだ。 ウーバーアプリを眺めて目的地までタクシーで行く場合いくら、バスに乗って目的地そばまで行ってそ

          魔法の言葉のこと

          クロワッサンのサンドイッチのこと

          私の住むこの国が経済危機に陥り、給油できず、通勤のための手段が本当に限られてしまった時期があった。まだその時から1年たっていないのに、人はすぐ忘れる。そんな危機があったことなど遠い昔だったかのようにみんな生きている。それどころではない人生を送らざるを得ない人もたくさんいる。 普段私は月契約した通勤用バス(スクールバスのようなもの)に乗って街まで出ているが、そのバスにいよいよ給油ができなくなり、バスが無くなった。汽車で行くか、公共のバスで行くか、の選択肢しかない。自家用車にガソ

          クロワッサンのサンドイッチのこと

          下心のこと

          2000年になった瞬間、私はどこにいたかというと、大阪城ホールに夫となる人といて、The BOOMとともにカウントダウンをしていた。何となく恐れていたY2Kも何事もなく、それは陰でたくさんの人が努力された賜物だとは思うけれど、無事に2000年を迎えた。特に大きな感動も感慨もなく、淡々と2000年が始まった。 そして私は昨日50代に突入した。朝起きたら普通に50歳になっていた。そうか、普通に年を取るもんだな、2000年も普通に来たもんな、と朝いちばんに思い、こんな日に働いてたま

          下心のこと

          主語を大きくしないこと

          昨日だったか一昨日だったかツイッターさんがお知らせしてくれた。13年目のツイッター記念日だったらしい。 私は13年間も何をつぶやき続けてきたのか、と思うけど、私は自分の投稿が大好き人間なので、時々読み返す。 おもろいやん、私、と自画自賛して満足してそっと閉じる。インスタグラムも然り。 私は日本ではないところで暮らしているということは常々言っているけれども、意図してもしなくてもどうしてもこの国で暮らす人やこの国に係る人とSNSでつながってしまうことが多い。仕事を始めてからはそう

          主語を大きくしないこと