南江 幾乃

人生の折り返し点をとうに過ぎ、日々ささやかな笑いを求め続けています。四コマ漫画のエッセ…

南江 幾乃

人生の折り返し点をとうに過ぎ、日々ささやかな笑いを求め続けています。四コマ漫画のエッセイを目指し「クスッ」と届けられたら満足です。

最近の記事

いつの間にこんなにシミやシワが?!

鏡に映っている自分の顔を見て、急に気づく。 アレ?こんなにシミがあったっけ? 女性のように、じっくりと鏡に向かい入念に化粧をするわけでもない。 が、毎日鏡はみていた、はずだった。 美男という大それた作りでもなければ、今更天下の一大事という顔でもない。 しかし、顔のシミが多くなっていない? 今まで、シミのひとつや二つ気にもかけなかったが、気になれば、なぜかますます増えていくようだ。 昨日より増えたんじゃない? 顔だけじゃない、よく見れば手の甲にもある。 あれ? シミ以外にも

    • 天才の席

       教室の席は、名前のあいうえお順に出席番号がつけられ、その順に並んでいる。  黒板に向かって左側前列から後ろにいき、次の右列に移っていく。  中学からの腐れ縁の青木は、高校に入学した時も左側の一番前の席にいた。  最初の授業で、教師が当てるのは、ほぼ出席番号の最初の方からなので、どの教科の教師も、まずは青木を当てる。 しかし、当の青木は毎度のことなので、質問の答えがわからなくても妙に焦ることもなく、動じていない。 答えがわかっていないこちらは、青木が当てられる度に、自分の名

      • 散歩に連れて行かなくていいの?

         薄桃色の梅は既に散り、白色の木蓮も散りかけ、今、赤色の木瓜と黄色のレンギョウが咲いている。 他の木々も一斉に緑の芽を吹き出した。 春やなあ 百姓をしている友人が、実を付けない草木は植えないと言っていた。 そんなもんか。 というわけでもないが、夏に向けて、何か野菜を植えようと狭い庭で土を耕した。 やっぱり、プランターばかりじゃ味気ない。  たかが一畳の広さだが鍬を持って耕すのは意外としんどい。 やってみて、耕運機など無い時代に、先人が畑や田んぼを耕す事の、とんでもない

        • 夏がくれば 思い出す はるかな♪

          夏がくれば 思い出す はるかな尾瀬 遠い空 霧の中に うかびくる やさしいかげ 野のこみち ミズバショウの花が 咲いている 三月の末、水芭蕉がたくさん咲いているという。 この時期、どう見ても、桜の季節である。 その桜ではなく、水芭蕉が咲いていると、新聞に掲載された。 ミズバショウ? 花は思い出せないが、なぜか直ぐに歌は口ずさめる。 夏がくれば 思い出す、、、ミズバショウの花が、 ただ、どんな花か実物をみたことがない。 音楽か何かの教科書に、白い花だったような記憶がある

        いつの間にこんなにシミやシワが?!

          家が、家が、燃えちゃう!

          あれは、30数年前になる。 日々、うだるような酷暑が続く真夏の昼下がり。  一軒家の8畳ばかりのリビングには、床に固定された高さ1メートルの吹き出し口から冷気を出す、当時としては結構高そうな冷房専用のエアコンが設置されていた。(借家の備え付けである)  数日前から、このエアコンの効きが悪くなった。あまりに暑いので効かないのだと思いながらも、フルの最強モードで運転し続けていた。  腕枕をしながら、エアコンの横にあるテレビを見ていた。 その前を、ようやくハイハイし始めた6カ

          家が、家が、燃えちゃう!

          時限タイマー付き?電気製品の保証期間

           一週間前からオーブントースターの調子が悪くなった。  食パンの表側は焼けているのだが、裏側が焼け無くなった。 まあ、それでも片面だけでも焼けているからいいかと思っていたが、とうとうスイッチさえ付かなくなり、表も裏も全く焼け無くなった。  買った電気屋に問い合わせると、保証期間の5年が丁度2か月前に終わっていた。 ほんとうにうまいことできてるわ。  先日の印刷機の時もそうだったが、機械の底に、5年過ぎるとヒューズが飛ぶような時限タイマーが仕込んであるんじゃないかと疑いたくな

          時限タイマー付き?電気製品の保証期間

          ワンシーン

          なぜか、記憶に出てくるワンシーン。 いつもの生活を送っていて、ある行動をした時、ふと映画のワンシーンが脳裏をよぎることがある。  驚くような強烈なシーンや、感動した場面ではない。 どちらかというと、映像の中のほんの些細な目の表情や指先の動き、どちらかというと何気ない一言が多い。  寒い冬の朝。 起きて、洗面台に行く。  蛇口を開く。 流れ出てくる水に手を付ける。 「ひやっ!」 思わず手を引っ込め、蛇口のレバーをお湯の方に急いで傾ける。  しばらくすると、当然のように暖か

          ワンシーン

          つくし誰の子、スギナの子?

          春うらら。 川土手を散歩していると土筆を発見した。 おっ!懐かしいと思っているとその横には、もうスギナの木になっているものもある。 早く取らないとスギナになってしまうと、ポケットを探る。 丁度、一枚のビニール袋があったので、土筆を取ってみることにした。  いつの間にか夢中になり、小一時間もすると、ビニール袋が一杯になった。  どうにか摘むのを止めて家に持って帰る。 今日の酒のつまみになると奥様に見せる。  「まあ、土筆?懐かしい」 と、同じようなセリフをいう。  昔、ゴザを

          つくし誰の子、スギナの子?

          父親からのバレンタイン

           久々に息子が帰省する。 といっても盆に帰ったから半年ぶりか。 ゆったりした夫婦二人の生活から慌ただしくなる。 ま、それはいい。 息子が帰ってくると、母親は妙にテンションが上がる。 既にいっぱしの社会人である。 「何が食べたいだろうか。平生、大したものを食べていないだろうから、栄養のある物を食べさせないといけない。何が食べたい?」 と聞くがきまって 「なんでもいい。」 だよな。俺だってそういう。 にもかかわらず、普段食いもしない肉や魚を買ってくる。 まあ、それはいい。 誕生日

          父親からのバレンタイン

          note ぴりっと小粒でおもろい柿の種

          「南江、おまえ俺のスマホにメッセージを送った?」 「メッセージ?ショートメールのこと?」 「ショートメールかなんか知らないけど、お前のアバターの似顔と名前でどこかのサイトにいくらしい」 「ああ、ラインでnoteの俺の作品にとぶQRコードなら送ったよ」 「そうなの。お前の名前があったから本人かどうか聞いたんだ。よくある怪しいサイトに導入するようなものかと思った」 「おれおれ、おれが書いたエッセーを読んでくれよ。そのURLの下の絵をクリックすれば、ログインや会員登録をせずに読める

          note ぴりっと小粒でおもろい柿の種

          ミックス

          「ミックス?」 柴犬、ダックスフンド、ブルドック、トイプードル、チワワ、ダルメシアン、ヨークシャーテリア、セントバーナード等々まあよくも純血犬が多種あることか。  犬の散歩をみていると、たまにでかいゴールデンレトリーバーやチャウチャウを見かけることがある。 明らかに、飼い主を引き連れている。 と言って小型犬もたまに、飼い主の腕にだっこされて散歩しているが、まあこれも飼い主より上か。  しかし、屋外で飼っている外飼い犬を、ほとんど見かけなくなった。 たまに、庭に放ってある犬

          投資家とギャンブラー

           労せずして得た金銭、汗水垂らさずして得た金銭、あぶく銭という。 その代表的なものがギャンブルで得たお金と言われている。  パチンコ、競輪、競馬、競艇、そして海外に行けば、カジノ、カード、ルーレット、スロットル等など様々にある。  ギャンブルには私は手を出さないと言いながら、一攫千金と言われる宝くじやロト、ビックなんかも、なんら変わらない。 いや、宝くじなんかよりよっぽど競馬等の方が頭で考えないといけない。 そういえば、株や先物だって、イヤイヤいわゆる先を見越した不動産や金銀

          投資家とギャンブラー

          「え〜!え〜!え〜!」

           友人宅へ車で向かう途中。 前を走っている水色の軽自動車の後に、双葉の初心者マークが貼られている。そのマークの横には昔のタイプの高齢者マーク、いわゆる紅葉マークが並べて貼ってある。 『高齢者で初心者か?』 ま、無いことはないわなあ。運転免許を取得するのに年齢の上限は無い。  近頃、高齢者に対する運転に対してえらく厳しい目を向けられている。が、この高齢者マークを見る度に、もっと年寄りに気を使ってやれやと思う。  初心者マークは黄色と緑色のホントに若葉色。 それに対して、高齢者

          「え〜!え〜!え〜!」

          作家先生

          午後二時。 仕事中に、外から電話がかかり受話器を取る。 「柳田先生いらっしゃいますか?」 と、隣に座っている後輩の名前を呼ぶ。 先生?驚き受話器を柳田に渡す。 電話が終わると直ぐに 「お前、何の先生なんや?」 と聞いた。すると 「僕、本を書いたんです。で今日、備後乃國屋書店の売り場の最前列に、本を置いたと連絡がありました。先輩一冊あげましょうか?」  世の中わからんもんだ。仕事も出来る方じゃあないし、文章を書かせても誤字脱字は多い。そもそも文章になってないことを書く奴が作家

          まな板の鯉

          「ちょっと、入院して検査してみますか」 そう言われたので、軽い気持ちで 「いいですよ」 と答えてしまった。 今は仕事もしていないので、時間を気にすることはない。 すると、後は流れ作業的に、入院についての手続きがその日の内に進む。 まてまて、たかが検査だろうと思いながらも、入院となるとなぜか急にしり込みをする。  そういえば、忘れかけてた30年前も確か検査入院だった。  会社にある診療所で、 「近頃、喉の奥や、歯がすごく痛むことがあるんです。 たまにワイシャツの上から二番目

          まな板の鯉

          フリーズ!

           久しぶりに、なかなか食べられないパスタの専門店に行く。 人気店だけあって待合室は一杯で外にも溢れている。待つことは覚悟の上なので、予約表の6番目に4人と記入する。 本名は書かない。今日は大谷翔平と書いた。 呼ばれる時の驚く顔がいつも楽しみ。時に誰の名前を書いたかわからなくなる。 ま、それはいいとして1時間は待った。  やっと席に着くと接客のお姉さんが、机上のタッチパネルを指差し、こちらで注文してくださいと言う。 お水もセルフだといい、持ってきたのは一枚のアンケート用紙だけ。

          フリーズ!